女芸人 紺野ぶるまさんによる女観察エッセイ「奥歯に女が詰まってる」。GINGER世代のぶるまさんが、独自の視点で、世の女たちの生き様を観察します。
第4回 男を選べると勘違いしている女
先日、
東大生100人がスタジオに集まりトークするというテレビ番組を観ていた。
勉強ばかりしてきたので恋愛経験がない、という彼らに、彼女を作ろうというコーナーがあり、登場した選りすぐりの美女4人がひとりずつ、男性に求める条件を発表していった。
「まず東大生、実家が金持ち、顔はイケメンでなくてかまわない」。
4人ともそんな感じだった。
東大生側が美女たちにアピールしていく、という進行を誰も疑わなかったが、
そこでひとりの東大生が言い放ったひと言が最高だった。
「先ほどからそちらが選ぶ前提ですが、逆にあなたたちと付き合ったら僕たちにどんな特典があるのか、教えてほしいです」
ごもっとも過ぎてスタジオが騒然となっていた。
東大生は中身ペラペラの美女なんて求めないのだ。美女だからなんなんだ、こちとら東大生だぞ、なめんなよ!ともとれる発言。美女というだけで相手を選び放題と思っているのは、美女本人と傍観者たちだけの、とんだ勘違いだったのだ。
お店に例えるとわかりやすいと思う。
学生時代の恋愛は、条件やスペックなど求めず、ただ一緒にいるだけで楽しい、例えるならファストフード店。
しかし大人になるにつれて求めるのは、
西麻布や銀座のお高いお店(スペックの高い男性)。
人気と需要がある店であるほど、店側が客(女性)を選ぶのである。多少金払いがいい(顔面偏差値が高い)くらいで横柄な態度を取られては、店側も「おととい来やがれ」となるのだ。
それよりも、お金をすごくたくさん使うわけではないが(特別美人ではないが)、嘘でも店をたて、あくまで「こちらが通わせていただいている」というスタンスを取れる人のほうが、よっぽど店側から上客(いい女)と呼ばれる。
そのことに気付かず、いつからかどこぞのチンピラみたいになってしまっている美人が、少なくないのではないだろうか。
最後に
美人とかけまして
夏の終わりと解きます。
その心は
どちらも3日くらいで秋が(飽きが)くるでしょう。
今日も女たちに幸せが訪れますように。