女芸人 紺野ぶるまさんによる女観察エッセイ「奥歯に女が詰まってる」。GINGER世代のぶるまさんが、独自の視点で、世の女たちの生き様を観察します。
第2回 男女の友情をステータスにする女
男女の友情は成立するのか?
こすり倒されたこの議題、もはや「もうどっちでもいいよ!」と言いたくなる、けど永遠になくならないんだろうなあと思う。
「成立する」と答える女の子のなかには、
「わたしサバサバしてるから女といるより男といる方が楽なんだよね」
と自慢げに話してくる人がよくいるけど、そういう人で本当にサバサバしてる人をわたしは未だかつて見たことがない。
どちらかというと、プライドが高くて、バリバリとマウンティングしようとしてくる、むしろ女性らしくて見た目も綺麗な人が多い気がする。
(もしかして、男女の友情が成立するかどうかの議論そのものよりも、こういう人たちの「成立しないなんてふしだら〜」みたいなテンションに、私はうんざりしているのかもしれない)
そんな女を見るたびに、「男友達が多いわけではなくて、もはや男性でないとあなたに付き合っていられないだけでは?」と思う。
男性は女性に甘い。これはもう無条件に甘い。男性からしたら、友情よりももっとわかりやすい関係だ。それに気付いていない女には、なんとも言えない虚しさがある。
例えていうなら、
営業職(男)がお得意先(女)に酒を注ぐ(優しくする)のは当たり前。
「契約(体の関係)」を結びたいから都合のいいことを言う。
そのお世辞(男の下心)に対し、「私の素晴らしさをこんなにわかってくれるのはあなただけ」と本気で言っているようなものである。
ちなみに私は「ふしだら」と言われる覚悟で、男女の友情は成立しないと声を大にして言いたい。いつだって、「成立してる“風”」だと思っている。
わたしにも男友達はいる。
ただ、よく考えればそれは、同期の芸人だったり、先輩だったり、つまりは「仕事仲間」だった。そうでない利害関係ゼロの男友達は、思い返せば一度は「付き合ったらどうなるんだろう」と想像したことがある相手だったりする。いつからか、どちらともなく「友達(・・・?)」というカテゴリーに入ってしまったけど、飲みに行く前も、飲んでいるときも、「友達」とのわくわくとは少し違う。
さすがに、急に男女の関係にはならないとは思うけど、
でも・・・
友情とは違う気持ちが「0」ではない、あの微妙な感覚を、いつもどこかで楽しんでいると思う。
疲れているときは特に、女友達よりも素直に褒めてくれて、いろいろ譲ってくれるあの「営業職」が大変心地いい。デキる「営業職」は「契約」を急がない。というか、接待の時間もちゃんと楽しんでいる。なので一気に「契約」まで至らなくてもまあいいやという余裕がある。
これを友情だなんて言った日には、「ちげーよ」とほかの女たちから冷たい野次が飛んでくるだろう。わたしはそれこそを友情と呼びたい。
最後に、
営業職とかけまして、
お雑煮と解きます。
その心はどちらも、
持ちあげる(餅揚げる)こともあるでしょう。
今日も女たちに幸せが訪れますように。