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2024.10.09

岩谷翔吾『選択』で作家デビューへ!親友・横浜流星との絆から生まれた作品

THE RAMPAGEのパフォーマーである岩谷翔吾さんが初の書き下ろし小説で作家デビューを果たす。「誰よりも繊細だからこそ、自分のなかに収まりきらずに出た衝動」だと語る作品は、哀しく愛おしいヒューマンドラマだ。作家として伝えたい想い、そして書き上げるまでの日々を振り返る。

4年の歳月をかけて完成した、ふたりの魂の一冊

書きはじめたのは4年前。同級生であり親友の横浜流星さんと“友達ノリ”でスタートを切った『選択』。初めてのことばかりで長く孤独な道のりでも、そこに光を射してくれたのは原案である横浜さんの存在だったという。

「流星の背中を押してやりたい」そんな想いを抱えながら、文字にする日々。ついには「書きながら自分自身の背中も押された」と話す作品は、閉塞感漂う現代を生きるふたりの青年の物語だ。​日々を懸命に生き抜いてきたふたりは、やがて、どんよりした巨大な社会に飲み込まれていく――。読み終えた後、ふたりが直面した非情な現実、そしてその先に見えたものを、あなたはどう感じるだろうか。

岩谷翔吾にインタビュー!

――作家デビューを目前に控えた、今の率直なお気持ちをお聞かせください。

“作家デビュー”なんてカッコつけてますが、実は(刷り上がってきた)見本誌を見て初めて実感が湧きました(笑)。『選択』という作品を機に、自分の人生の第二章というか、リブランディングというか、岩谷翔吾として大きく成長できるなと思っています。

――メンバーのなかですでに読まれた方はいらっしゃいますか?

発売されたら各々に渡したいと思っているんですが、やましょー(山本彰吾)さんだけはゲラの段階から渡していました。やましょーさんとは週5でご飯に行く仲ですし(笑)、この世界観が好きそうだと思ったんです。彼は面白い観点で物事を見る人なので、この『選択』をどう読むんだろう、と思って渡しました。読後、めちゃくちゃ長文で感想をくれて嬉しかったですね。

あとは、THE RAMPAGEではないんですが、EXILE/FANTASTICSの佐藤大樹さんにもゲラを渡したら、登場人物の相関図を書いたりマーカーを引いたりしてすごく読み込んでくれて、「こういうふうに届くんだな」「この世界観はちゃんと伝わっているんだな」と感じました。

――帯の推能文は『風が強く吹いている』や『舟を編む』で知られる小説家の三浦しをんさんですが、交流があったのでしょうか。

しをんさんとは、4年以上前からご縁があって本当にお世話になっています。細々と書き溜めた、情けないぐらい中身のない日記の延長線上みたいな僕の文章を、「しをんさん! 読んでください!」ってお送りしたところ、「心が表れていて、面白かった」って言ってくださったんです。そこから事あるごとに連絡をとらせていただいていて、この『選択』もプロット段階から相談させてもらったり、小説の“いろは”を学びました。しをんさんがいらっしゃらなかったら、完成できなかったと思います。

――まるで師弟関係ですね。そして本作の原案は、俳優として話題作に次々に出演している横浜流星さん。4年の歳月をかけて書き上げたとお伺いしましたが、横浜さんとの関係も含めて、書き始めたきっかけを教えてください。

流星は高校の同級生で10年来の親友なんです。今や国民的俳優ですが、そのステップに行くまでの数年間を近くで見ていたんです。いろんな役を演じてきた流星ですが、ふと「どの役が楽しかった?」「どういう役をやりたいの?」って軽く聞いたら「実はさ…」って流星が話しだして、「じゃあ俺書くわ!」って、友達同士のノリがスタートなんです。だから肩肘張って「書くぞ!」っていうよりかは、流星と喋りながら「こうしたらもっと良くない?」「それめっちゃ面白いじゃん」「じゃあこういう役やセリフを足してみる?」ってアイデアを話すなかでカタチになりました。

――文章を生み出す、創作するという作業はいかがでしたか?

執筆はすごく孤独な作業ではあったんですが、今作に関しては流星と二人三脚で作り上げていったので、心強かったです。映像作品に例えてわかりやすく言うと、流星がこの作品の監督でありプロデューサーで、僕がそれを言語化する脚本家。流星は登場人物の芝居プランが明確に定まっていたんです。「亮は性格的にこういう言い方をするんじゃない?」「このシーンのこのセリフは感情が入れにくいかも」とか本当に細かなところまでビジョンが見えていて、流星の家でディスカッションをしながら僕がそれを書き足していくようなプロセスでした。元々、流星とは「面白いな」と思う作品が同じだったり、共有しあっていたので、流星の言いたいことのニュアンスがすごくよくわかる。だから書いていて楽しかったですし、『選択』はふたりの子どもみたいな感覚(笑)。

――親友同士であるからこそ、そして、違うフィールドで挑戦し続けるおふたりだからこそ完成した特別な一冊ですよね。

実は、この先の展開も考えていて。小説で終わりではなく、この物語をここから先もいろんな人をワクワクさせるプロジェクトにできたらと思っています。本作は間違いなく小説ではあるんですが、気持ち的には小説というより“2時間の映画”だと思って作っていて。本作の根底には、僕も流星も「荒削りでもいいから、自分たちの若い感性を信念を持って貫きたい」という思いがある。今ってTikTokの30秒でさえも長くてスクロールする時代で、僕らもそういう世代で多感な時期を生きてきた。全体的にもっと情景描写を増やして丁寧に書くこともできたんですが、スピード感を持ったシーンとじっくりと描くシーンとを織り交ぜながら、自分たちが信じたものを世に出そうって思いを貫きました。

――最後に、『選択』で伝えたいことはどんなことですか?

主人公・亮は断片的にみるとすごく悪いヤツ。でも一冊を通してみると、ただの悪人ではないことがわかっていただけると思うんです。これって今の社会の縮図ですよね。僕は芸能の世界にいるからより思うことなんですが、SNSである場面や一言だけが切り抜かれて、ウワサとしてはびこったり、匿名で責め立てたり…そんな世の中に僕は生きづらさを感じていて。自分で取捨選択することを作品のなかで掲示したかったんです。

また、人生は選択の連続で、今まで後悔をしたことがない人ってひとりもいないと思うんです。仕事や人間関係、みんな胸に抱えているものがありますよね。自分の選んだ道が間違っていたとしても、その選択の積み重ねが今のあなただから、自分を責めないでほしい、愛してあげてほしいって気持ちでこの作品を描きました。だから、孤独に感じている人、後悔を胸に抱えている人にも届けば嬉しいです。

岩谷さんと横浜さんの想いが乗せられた魂の一冊がここに完成。本を読まない人が増えた現代、あえて活字で思いっきり情熱をぶつけてくる衝撃作だ。ふたりが紡ぐ物語を手に取らない“選択”はないはず。

岩谷翔吾/横浜流星(原案)『選択』

¥1,760/幻冬舎刊

岩谷翔吾、初の書き下ろし小説『選択』。記念すべきこの作品の原案は、2025年のNHK大河ドラマの主演も務める、俳優の横浜流星。購入や特典など、詳細はこちらから。

岩谷翔吾(いわやしょうご)
1997年3月11日生まれ。大阪府出身。2017年、THE RAMPAGEのパフォーマーとして1stシングル「Lightning」でメジャーデビュー。ダンス以外にも活動の場を広げ、俳優としてドラマや舞台への出演、朗読劇の脚本や演出、読書情報誌「青春と読書」での連載など、多方面で活躍中。また、読書だけではなく、日本将棋連盟三段や、実用マナー検定準1級の資格を取得するなど趣味が多いことで知られる。
X @RMPG_ShogoIwaya
Instagram @shogo_iwaya_official

PHOTO=植一浩

STYLING=吉田ケイスケ

HAIR & MAKE-UP=Aki(KIND)

TEXT=GINGER編集部

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