美容整形&医療はここへきてどんどんアップデートされているのに、やっぱり何だかグレーゾーン。美の追求への価値観は人それぞれですが、わからないことだらけでは正しい判断もつきにくいもの。実情を知り、知識を高め、理解を深めておくことも必要です。そこで、今話題のフィラーにも注目しながら美容医療の真実に迫ります!
ダウンタイムは必ずある!今話題の注入美容とは?
今後のためにも覚えておきたい美容医療、フィラーとは、注射で薬剤を注入する治療のこと。筋肉の動きを止めたり和らげたりするボトックス、ボリュームをもたらすヒアルロン酸注入、アミノ酸やビタミン、グロスファクターという成長因子など注入して皮膚の活性や細胞の再生が期待できるものなどがあります。
どれも針を刺した跡が多少残るなどのダウンタイムがあるので、治療の効果は数日後と考えて。大切なイベントのためにキレイになりたいときは、遅くとも1週間前にはクリニックで相談を。フィラーやそれに似た、ダウンタイムの短い治療の提案があるかも。
【ボトックス】
筋肉の働きを止めたり弱めたりして、表情ジワを改善する治療によく使われます。効果は3ヵ月程度。徐々に筋肉が動くようになります。シワが刻まれる予防にもなるので、シワを作りたくない人は20代から年に1回程度打つというのもアリ。
【ヒアルロン酸注入】
以前はコラーゲンも使われていましたが、アレルギー検査が必要なため、ボリュームを出す治療にはヒアルロン酸が主流。症状や目的によって入れる場所や量、ヒアルロン酸の種類が異なります。効果は半年〜2年程度。少しずつ減るので急に効果が切れた感じにはなりません。
〈HOW TO ヒアルロン酸注入〉
■鼻
日本人特有のフラットな印象に悩んでいる人に人気。ノーズシャドウを入れる部分に注入して立体感を強調したり、鼻筋や鼻先を高くしたり、部分的な注入で顔立ちがすっきり見える効果もあります。
■顎先
顎がない、フェイスラインなどに悩んでいる人は顎先に注入。ヒアルロン酸注入で顎先を前に出したり、顎のフェイスラインを少しだけ尖らせたりすると、横顔まで美人度がアップする効果が。
■唇
唇の内側、表面から注入してふっくら感を。また上唇の山の部分だけとか、作りたい形によって入れる場所は違ってきます。口紅を塗る人は、くっきりし過ぎない形の方がメイク映えがします。
■頬
ほうれい線を目立たなくしたい場合、昔はシワを埋めるように注入していたそう。今は小鼻の横に注入して、肌を持ち上げてシワを目立たせない注入法に変わっています。頬を高くする注入も。
■涙袋
若い世代に人気の涙袋形成。涙袋をボリュームアップさせると目も大きく見えるとか。ただし入れ過ぎると不自然。逆に目の下の脂肪除去をする人もいますが、加齢で凹みやすい部分なので要注意。
クリニック選びは重要!
プチ整形でも同じ機械や同じ治療を行って、同じ結果が出るわけではないそう。美容クリニックはどこでも一緒とは思わないでください。医師の経歴も得意な治療分野も、揃えてる治療機器も違いますから、医師とのカウンセリングに納得したうえで、フィラーなら少量の注入から始めて、治療後の反応や効果を確認することをおすすめします。
一生、シミ、シワのない肌でいられる!?美しさはマネジメントする時代へ
美容医療を受けようと思ったら、何をどうしたいのか?
予算や通院できる頻度も考えておくこと。それに合わせて医師が治療の提案を行ないます。目指すキレイは人によって違いますし、それを維持する治療もいろいろ。エイジングサインが現れる前のアラサーから上手に美容医療を取り入れれば、シワ、シミ、たるみのない顔で年齢を重ねることが可能な時代になっています。
とはいえ、つるつるの若い顔で60歳、70歳で魅力的かどうかはわかりませんよね。これからは自分がどうエイジングしていくか? 美しさを自分でマネジメントしていく美容力も必要になってくると思います。
エイジレスは是か非か!
美容医療は自由診療、個人の自由ですが、美の追求を優先していくと、ちょっと不自然に。オードリー・ヘプバーンはナチュラルに、美しく年を重ねた女性の見本かも?
人によって効果に差が!コスメとの付き合い方も大事
シミもシワも美容医療で改善できるようになった20年前、化粧品が要らなくなるかもと考えた人もいましたが、現実は違いますよね。実はスキンケアをちゃんとしている肌の方が治療効果も高いのです。
化粧品を超えたものが美容医療ですが、肌のうるおい、透明感のアップ、紫外線や乾燥などのダメージの保護を日々行なえるのは化粧品です。
ケアによってシミやシワの少ない、良い状態の肌に整えておけば、少ない美容医療コストで、より美しい肌やアンチエイジング効果を得ることができるわけです。
いかがでしたか? 美容医療が身近になった現在、やるかやらないかは、個人の自由に委ねられています。ぜひ正しい知識を身につけて、適正な判断をしてくださいね。
教えてくれた人は…
海野由利子さん(美容・医療ジャーナリスト)
ファッション編集者から転身。「女性の美と健康」をテーマに、女性誌などで企画、執筆。美容医療についての取材歴は20年以上