自分が主役の人生を、自分らしい働き方で歩んでいくことができたら——それこそ究極の幸せな未来かもしれません。“PRでもっと可能性とわくわくを”をコンセプトに、さまざまなコンテンツを作り出しているPR会社WORKING FOREVER。代表の西澤朋子さんに、現在の活動や設立からの想い、そしてこれからの夢について話を伺い、自分軸で働くことの秘訣を探りました。
本当にいいものを世の中に届けたい。そんな想いから、クライアントとコミュニケーションを密に取り、二人三脚のPRを得意とするWORKING FOREVER。社名には“おばあちゃんになってもずっとずっと仕事していたい”という西澤さんの想いが込められています。
そして、注目したいのはユニークな視点や、PRの枠を超えた独自の活動。2021年3月には、2つのプロジェクトが走り出しました。
1. CREATOR’S JOURNEY.(クリエイターズ ジャーニー)
新型コロナウイルス感染症の感染拡大が深刻化した2020年春。“自分たちが主体となって世の中にエールを送るような活動を生み出したい。また、素晴らしいクリエイターたちと巡り合い続け、それらを世界に発信していきたい”という想いからスタート。クリエイターたちとコラボレーションして制作したTシャツをオンラインサイトで販売しています。
https://creators-journey.com/
2. PR初体験プロジェクト
「すべての人にPR 初体験を!」をテーマに、PRを経験したことのない企業・個人事業主・個人商店などを対象にした無料相談や、PRプランを提案するプロジェクト。PRが分からないがゆえに、自社の商品やサービスのファンを増やすチャンスを逃していることも多いそう。西澤さんたちはそんな企業の架け橋になるべく、まずは拠点である築地の街からプロジェクトをスタートさせました。
このほかにも、企業や個人のポジティブなチャレンジをWEB連載形式で紹介する「LOVE×PR=POWER」プロジェクトをはじめ、拠点にしている築地で、地域交流のイベント「喫茶 2438 (ニシザワ)」「スナックうさぎ年の女」なども不定期に開催。
シルバー人材センターに登録しているアフターリタイアのメンバーや、本業を持つプロフェッショナルをサポーターに迎えるなど、シニアからパラレルキャリアまで、働くことを純粋に楽しむ人たちに多く囲まれ、協力を得ながら企画を実行しています。
そのパワフルさには驚かされるものがありますが、すべての原点は“WORKING FOREVERしたい!”という強い想いにありました。
働く意味を考えはじめ、変化した仕事への価値観
仕事に対する価値観が大きく変わったのは、約6年前。それと同時に独立することを考え始めたという西澤さん。
「外資系のPR会社を経て、子供が0歳の時に電通パブリックリレーションズに入社しました。シングルマザーという立場もあり、最初は安定した会社に所属できることへの感謝が大きかったのですが、子供が10歳になったころ、自分がやりたいことと、大きな組織でできることの乖離を感じはじめて。このままでいいのだろうか?と疑問が湧いてきました。きっと、子育てが一段落して、子供に向けていたエネルギーの一部が自分に戻ってきたんですね」
キャリアアップなどを考えるとき、転職を思い浮かべる人が多いはず。しかし、西澤さんが決断した選択は独立。その理由は“選ばれることに対する疑問”が一番強かったからだといいます。
「もちろん、最初は転職を考えました。でもシングルで、かつ子どもが小さかったこともあり大きな仕事からは逃げていた部分もあって、胸を張れる実績もない気がして。個人的に頑張ってきたことはたくさんあるけれど、それは面接官には伝わらないだろうと思いました。
転職活動を進めるうちに、だんだんと組織に選ばれることや評価されることへの違和感を覚えていって。自分が本当にしたいことは何かを真剣に考えていたときに“私の価値は私が決める”そんな言葉がフッと頭に浮かび、誰かに選ばれる人生を歩むのはもうやめようと、独立を考えはじめました」
独立を考えはじめた年齢が41歳。子供はまだ小学生。不安も大きかったものの、気持ちは強くなるばかりだったそう。
「約3年間悩みました。自分が挑戦することで、子供に心配をかけてしまうのではないか、取り返しのつかないことになってしまったらどうしよう。そう思うとなかなか決心できなくて。いろいろな人が今がタイミングではないと反対しましたし…。
それでも、自分でも止められないくらい気持ちがどんどん大きくなっていったとき、誰になんと言われても独立する。そう思う自分の強い気持ちを信じたくなり、決意しました」
やりたいことを形にしていく
会社員時代から“働くからには楽しく”をモットーに、さまざまなアクションを起こしていた西澤さん。例えば、「ブームの予感の『予感』」という“これからきそう”なものを独自にリサーチして得意先に配信したり、情報交換や交流の場として、一夜限りのスナックを開催したり(今も不定期で継続中の「喫茶2438」「スナックうさぎ年の女」の原点)。
楽しく働くための活動は、今は会社のプロジェクトとして続いています。先に紹介したクリエイターズジャーニーで目指したのは“未来の自分たちのためのTシャツサイト”だそう。世の中へのエールと同時に、「おばあちゃんになってもTシャツやデニムをさりげなく着こなして、Working Foreverし続けていたい」という西澤さんの想いも込められているのです。
「今後もやってみたいことはたくさんあります。フレッシュジューススタンド、喫茶店、パンクなおばあちゃんのための古着屋さん…あげたらきりがないのですが、本当に実現するかどうかは別にして、いくつになっても夢を見続けることは大切だと思っています。
PRという軸はもちろんありますが、そこに縛られずに面白いことをしている会社、というふうに思っていただけたらうれしいですね」
実際に動き出しそうなプロジェクトも控えています。
「今一番叶えたい夢は、ものすごく酸っぱいレモンジュース専門のドリンクスタンドを開くこと。『檸檬中毒』という名前も決まっています。築地に約14年住んでいますが、この街に足りないものはフレッシュジューススタンドだと思っていて。もう何年も前から自宅で試作を繰り返して、いつでも店を出せるように準備をしています(笑)」
最後に、会社名でもある「WORKING FOREVER」を実現させるための5ヵ条を聞いてみました。
1. 「楽しく仕事する!」を諦めない
2. 直感を信じる
3. 道草を楽しむ
4. わくわくを大切にする
5. 体を整える(マッサージ&酵素浴)
「40代なんて人生100年時代では20歳のようなもの。しかも実際に20歳だったときよりも、知恵と経験と図太さを身に着けて…。そう思うと、今の自分は若い時よりもずっとずっと好奇心旺盛に、ピュアな気持ちで仕事に向き合っている気がします」
独立して3年目。今の気持ちを聞いてみると「大海原をイカダ船で渡っているみたいで大変なこともいっぱいありますが、それもひっくるめて、毎日楽しいです!」と笑顔を見せる西澤さん。
何より独立したことによって、お子さんとの時間を持てたことに喜びを感じたそう。
「一番うれしかったことは、反抗期を迎える寸前の息子と、一緒にいられる時間をたくさん作れたこと。小さい頃は甘えたいときに甘えられず、さみしいこともあったと思います。だからこそ、反抗期に羽ばたいてしまう直前のタイミングで、たくさん親子の時間を作れたことがとても幸せな思い出の一つです」
働くからには、仕事に対してポジティブな感情を持っていたいもの。西澤さんのように、楽しいと思うことを見つけて行動し続けることで、自分らしさや自分の軸が見つかり、少しずつ未来が動いていくかもしれません。あなたも今できることから“楽しみ探し”をはじめて、もっと人生にわくわくを増やしていきませんか。
西澤朋子(にしざわともこ)
株式会社WORKING FOREVER代表。国内PR会社、外資系PR会社を経て、電通パブリックリレーションズ入社。2018年に独立し、PRオフィス「WORKING FOREVER」を立ち上げる。2019年、株式会社「WORKING FOREVER」設立。
https://www.workingforever100years.jp/