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LIVING

2022.05.19

結婚、そして気付いたら鼻ピアスまで開けていた。【わたしを着替える】

ワードローブを更新するように、価値観のアップデートを! スタイリスト 小泉茜さんによる連載エッセイ「わたしを着替える」。

小泉茜

Vol.2 最終兵器のエナメルパンツ

2年前に結婚してから服装がガラッと変わった。以前はゆるっとしたヴィンテージスタイルが好みだったが、現在は身体のラインが強調される女性らしいアイテムが好みだ。
もちろん夫の趣味などではない。結婚を機に、ファッションで“武装”したくなったのだ。いや、むしろ、社会から受け取るさまざまなメッセージに抵抗するために武装“せざるをえなかった”、と言うほうが近いかもしれない。

改姓するのは男女どちらでも良いはずなのに、“なんとなくそうすべきだから”と女性の大半が姓を変えている。
(様々な名前変更の手続きだけで1日かかってしまう上に仕事でも面倒なことが多いし、何より吸収合併のようで悲しい)

飲みに行けば、旦那さんのご飯はどうしてるの?と聞かれる。
(わたしの夫は子どもではないので自分の食事は自分で用意ができる)

結婚指輪を買いに行ったときは夫にしか名刺を渡されない。
(高い買い物をするときに、旦那さんに相談しなきゃですね、と言われたこともある)

社会がわたし(=妻)を夫に付随したもの、として扱っている気がして悲しくなった。
それからフェミニズムを勉強し、今までの人生で感じてきたモヤモヤはわたしのせいでもなければ、運が悪かったわけでもないことに気づいた。
日本には、明らかに男女格差がある。独身時代には特段意識する必要もなかったその事実が、結婚を機に突然、自分ごとになって目の前に立ちはだかったのだった。

次々に降りかかってくる不当な扱いに対抗しようにも、自分自身もジェンダー不平等な価値観にすっかり染まってしまっているせいで、適切な対処ができないことにも気づいた。
物事を円滑にすすめるためにご機嫌を伺ったり、嫌な言動も笑って過ごしたり、よくあることだと矮小化してわきまえたり…それを世渡り上手で社会の道理を理解している賢い女性だと思い込んでいた。
改善を心がけても体が先に反応してしまう。

そこで手助けしてくれるのがファッションだった。
ファッションにはその人の生き方が反映されるという。どんどん強めなアイテムを好むようになっていき、気付いたら鼻ピアスまで開けていた。
小泉さん、結婚して落ち着いたね〜なんて思われたくない。
社会が期待する“良妻賢母”になるまいと中指を立てているのだ。

FETICOのエナメルパンツはそんな今の気分にぴったりだ。鎧のように硬く、エナメルの艶はボンデージを連想させる。これをはくだけで自己表現をしているような最終兵器感があり気に入っている。
FETICOは2020年から始まった舟山瑛美さんのブランドで、フェティシズムを感じさせる、女性性を強調したシルエットと素材使いが新鮮で魅力的。どのアイテムも女性であることに喜びを感じられるようなブランドだ。

こうしてファッションで武装をしているわたしだが、本音を言うと強くなりたいわけではない。

女性も男性も、もちろんトランスジェンダーも、型にはめられずありのままで生きやすい社会になってほしいだけなのだ。
結婚・出産・育児にまつわるあれこれについて、悩むべきなのは女性だけではないはずだし、男性だって家族を養うプレッシャーから解放されたら、自分らしい生き方を選択したい人はたくさんいると思う。
みんなが社会から尊重されていると感じることができたら、自分とは違う生き方を選択している他人も当たり前に尊重ができる社会になるはず。

いちいち中指を立てて対抗するより、ありのままのわたしたちが尊重される社会のほうがずっといい。
令和の女性たちがエナメルパンツをはいて鼻ピを開けなくても男性と等しく尊重されるようになる日まで、わたしはこのパンツをはいて意思表示し続けたいと思う。

小泉茜の【わたしを着替える】をもっと読む。

TEXT=小泉茜

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