「ファッションはもっと自由に!」そんなポリシーを抱くスタイリスト長澤実香さんがモード・コンサバなおしゃれをナビゲート。今月は“ねじれ”や“歪み”といった不自然で非現実的な美しさを表現したロエベの新感覚コレクションをお届けします。
固定概念を打ち破った“不自然”トレンチ
前と後ろが逆となり、さらには袖を通さずに着こなすという提案に、ファッションが自由であるべきという挑発的なメッセージが感じられる。フロントのメタルプレートのインパクトも、強い意志の表れ。
デニムの魅力を更新し、想定外の楽しさを味わう
大胆なアシンメトリーデザインと、ボトムスにはシャーリングサテンパネルを施し“うねり”を生み出した、新感覚のデニムルック。
足元で魅せる圧倒的な存在感
コントラストサテンとシルクタフタのツートンカラー。スポーティなセットアップの足元に合わせたのは、華奢なストラップサンダル。花びらを手作業で貼り付けたという、バラのヒールに注目。
クセのあるボトムスを最大限に引き立たせて
シンプルなタンクトップに合わせたのは、立体的なボリュームパンツ。独特なペプラムデザインがオブジェのような美しさを作り出す。
「ロエベのジョナサン・アンダーソンは、芸術性やクラフツマンシップを大切にしているデザイナーのひとり。彼の豊かなアイデアをきちんと形にする職人がいて、コミュニケーションが取れているなって感じます。今季コレクションは実験的な試みにフォーカスし、あえて完璧ではない不自然さを演出。着たときに初めて“新しい美しさ”が見えるような斬新なピースが多い。ファッションの自由さを感じさせてくれる、革新的なブランドです」(長澤さん)
emma(えま)
4月1日生まれ、北海道出身。2013年、雑誌の表紙を飾り、プロモデルとしてデビュー。以降、さまざまなファッション誌で活躍。モデル以外にも活動の幅を広げ、イベントやラジオ、CM、テレビ番組などに多く出演。ʼ20年には女優として映画『妖怪人間ベラ』のヒロイン・ベラ役を務めた。
長澤実香(ながさわみか)
1974年生まれ、北海道出身。雑誌・広告のスタイリングのほか、ベビー服ブランド「Hijiki.」も手がける。モノの背景に宿るストーリーや、まとう女性像からスタイルを提案。モデルや女優からの支持も厚い。
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