自分に似合う服を選ぶとき、着こなしを考えるとき、知っておきたいファッション用語やテクニック、今どきの常識を、スタイリスト青木貴子さんが独自の視点を交えながら解説する連載「大人のおしゃれワード集」。今回は、これからの季節のおしゃれに華を添えてくれる「スカーフ」をひも解きます。
スカーフ、普段使っています? 「なんか難しそう」「おおげさでは?」などなど、ちょっとネガティブな意見も出てきそうですが、味方につけたら百人力の魅力あるアイテム! 今回はその成り立ちから使い方のコツまで、ご紹介します。
スカーフの歴史マメ知識
スカーフ発祥の地は北欧といわれているそう。もともとは防寒が主な用途で、おしゃれというより実用品として登場。その後16世紀のイギリスで「スカーフ」という言葉で表現されるようになり、この頃には装飾品としての役割を担うようになりました。首飾り代わりに首元を華やかに彩るファッションアイテムとしてだけでなく、日焼け防止や保湿、防寒といった実用的な側面があったことで、広く使われるようになったようです。たしかに首に布を巻くと、日焼けは防げるし暖かい。
最初は女性の装飾品として取り入れられていたけれど、徐々に男性の襟元の装飾品としても広まっていき、その進化系がネクタイの元になったのだとか。たしかに男性のネクタイの素材や柄には、スカーフ的なところがありますよね!
スカーフの最大の魅力は“スパイス”力!
柄物というのはインパクトがあるものです。パッと華やかだし、自然と目が行きます。鮮やかな柄の服を着るのは勇気がいることですが、その点スカーフは巻き方しだいで分量をコンパクトにも調整できる。スパイス的に使うにはちょうどいい存在です。
服の色や形がシンプルでも、スカーフをちょこっとあしらうだけで、あっという間に華やかなコーディネートに変化、おしゃれ度がぐんとアップします。スカーフは色も柄も豊富だから、同じ服でも無限に違った雰囲気で見せることが可能です(ベースの服はいたってノーマルでもいいのです)。こんな便利なアイテム、使わない手はありません!
扱いが難しいという思い込みはNG
スカーフは使い方、とくに自然に着こなすことが難しいという声をよく耳にします。いちばんの解決法は慣れること! 使い慣れていくとスカーフの放つその華やかさにも慣れますし、巻き方も覚えますし、サマになってくるものです。乱暴に聞こえるかもしれませんが、なんでも数をこなさないとダメ。やっているうちに板についてきます。これはスカーフだけではなくおしゃれ全般にいえること。
難しいと敬遠されているものだからこそ、上手くスカーフを身に着けるひとが際立っておしゃれに見えるのです。おしゃれに見えるファッションアイテムの穴場的存在とも言えます。競争相手が少ないから、スカーフ使いの達人になれたら、おしゃれ番長の称号を得るのも夢ではありません。スカーフを着こなすポイントはただひとつ「照れたら負け! 臆せず付ける!」です。
使いやすいのはこのタイプ
スカーフは、素材や、大きさによっても、使いこなしの難易度は変わってきます。上質なシルクでハリが強いものは、存在としては美しいのですが、スカーフ慣れしていない人にとっては少し使いこなしにくいかもしれません。巻いたときに膨らみがちで、収まりがよくないからです。
おすすめはウオッシュのかかったものや、ハリの無いソフトな素材のもの。大きさは標準的な90cm×90cmではなく、70cm×70cm以下のサイズを選んでみて。また形も正方形ではなく、ひし形のものはよりコンパクトにあしらえるので、さりげなく巻いている感を漂わせることができます。最初はこんなタイプから慣れていくといいですよ。
スカーフの良さが発揮できる合わせ服はコレ
先にも言いましたが、スカーフはその存在自体にインパクトがあります。ですのでやはりシンプルな服や、カジュアルな装いに加えるのが一般的にはベストといえるでしょう。
Tシャツ、白シャツ、シンプルなカットソーやニット、ベーシックなコートやジャケットなどと好相性。ベーシックといえば、以前に取り上げたボーダー柄の服などにスカーフをあしらうのも素敵です。
取り入れやすいのは、これらのベーシックトップスにスカーフを加え、ボトムスはデニムというスタイリング。これが簡単かつおしゃれにスカーフを使いこなしている人に見える着こなしの筆頭と言えます。
実際にとっても参考になるのがおしゃれセレブのオリヴィア・パレルモのスカーフ術。スカーフをさりげなく、実に効果的に使っているスタイリングはさすが! 参考になります。ぜひチェックしてみて。
書いていたら俄然、スカーフが気になりだしました。私は早速、スカーフを巻いてこれからお出かけしてきます(笑)。
【解説】大人のおしゃれワード:スカーフ
首に巻いたりするために使う、薄手の生地で作られた布のこと。防寒のために誕生したアイテムではあるが、現在はアクセサリーとして使われることが多い。素材はシルクやコットン、ウールなどさまざまあり、色・柄も豊富。首に巻くだけでなく、ヘアアレンジに使ったり、手首やバッグに巻くなどアレンジのバリエーションは無限大!