20代なんてまだまだチヤホヤされてナンボでしょ!なんて思い過ごしていたら、気づけばアラサー&彼氏いない歴5年。周りは長く付き合っている彼と婚約秒読み!なんて女子が急激に増えだした。一方で、私はWEB系コンサル会社に転職し、毎日慣れない仕事に奮闘するも、このままじゃ気づいたときには30代突入してるかも・・・、とようやく焦りだした、ごく一般的なOL。ワタシ、一之瀬ゆりか 27歳のセキララ婚活ドキュメントをここに綴っていく。
前回、甘いマスクを武器にイケイケ商社マンっぷりを発揮するメンズと久しぶりに再会。相変わらずの様子に冷静に対処しつつ、彼の動向を見守っていると、なんとマッチングアプリで彼を発見! マッチングアプリを使わなくてもモテる彼が一体なぜ・・・。
イケメンもマッチングアプリを使う時代が到来!
子犬くんがまさかマッチングアプリをやっているはずない。似てるだけだよね・・・。そう思いながら、恐る恐るその男性のプロフィールを開き、何枚か載っているプロフィール写真を友人のA子と一緒に確認する。
A子「これ子犬くんだね・・・」
ゆりか「まさかと思ったけど、間違いない(苦笑)」
ふたりで驚きつつも、彼のプロフィール欄の自己紹介文を読んでみる。
「港区在住で大手商社勤務です。派手に見られがちですが、仕事が忙しいので、あまり飲みに行く時間がなく、家と会社を往復する日々です。彼女がしばらく居ないので、ここで良い出会いがあればいいなと思い、登録しました。まずは気軽にお食事にでも行きましょう」
と真面目な文章が書いてあった。家と会社の往復ではなく、クラブと会社の往復の間違いでは?派手に毎週末遊んでますよね?とツッコミどころ満載な自己紹介文だった。
子犬くんがマッチングアプリで彼女を探す必要なんてない、ってことは遊び目的かしら・・・? 異性からもらえる「いいね」の数が、当然イケメンな彼は他の会員より多く、子犬くんは人気メンズ会員のようだった。
A子「ワタシもいいね押してみようかな。子犬くん、きっとワタシのこと覚えてないでしょ」
A子は面白がって子犬くんにいいねを送った。すると、子犬くんからすぐにいいねが返ってきて、更にメッセージが届いたのだ。
子犬くん「はじめまして。こんな美人な方からいいねをもらえて嬉しいです!もしよかったらお話しませんか?」
ゆりか(心の声)(いやいや!はじめましてじゃないっつーの(笑))
A子「面白いから、ちょっと子犬くんとしばらくやり取りしてみるね(笑)。また報告する!」
後日、A子から彼とのメッセージのやり取りの様子がワタシに送られてきた。
A子「会うってところまで話が進んだんだけどさ、指定してくる時間が22時以降なんだよね。忙しいから、どの日もその時間帯からしか会えないって言ってくるんだけど、ヤバくない?もう返信するのやめたけど」
ゆりか「えー!嘘でしょ。ありえない!」
待ち合わせで22時以降を指定するなんて完全にアウト。これはいわゆる「ヤリモク」ってやつですね、はい。きっと彼はアプリを駆使して、いろんな女性を漁ってるのでしょう。イケメンはマッチングアプリなんてやらないって思ってたけど、逆ね。マッチングアプリは初対面同士だから顔写真がとても重要。イケメンだからこそ写真だけで簡単に女性を掻っさらえるんだから、とっても効率的。真剣にアプリで恋活・婚活している女性からしたら、迷惑極まりない存在よね。やっぱり子犬くんも遊び目的で登録してたかぁ・・・と、ある意味ショックを受けたワタシだった。
みんな俺に惚れている!? 恋愛ドラマの主人公、子犬くん
そんなマッチングアプリ事件が起きてから数日後、子犬くんからLINEがきた。
子犬くん「こないだは飲み会に来てくれてありがとう! またふたりで美味しいもの食べにいこうよ」
イケメンを拝みながらの美味しい食事は目の保養ということで、駐在の話も聞きたいし、子犬くんと4回目の食事へ。22時指定ではないのが救いだった(笑)。
ゆりか「こないだの飲み会で、子犬くんが海外駐在するって話を小耳に挟んだんだけど、本当なの?」
すると、まるで月9ドラマの主人公のように急に悲しそうな表情を浮かべながら彼はこう答えた。
子犬くん「言ってなくてごめんね。みんなこの話をするとすごく寂しそうにするもんだから、ゆりかちゃんにも悲しい思いをさせたくなくて、なかなか言い出せなかったんだよ。・・・実は来月からロシア駐在なんだ。だからゆりかちゃんとはこうして会ってるけど、いまは彼女を作るタイミングじゃないなと思ってて。だから付き合えないんだ・・・」
ゆりか「はぁ・・・。別にそういう意味で聞いたつもりはないんだけどね、あはは~(苦笑)。ところでロシアの駐在って珍しいよね!どんな仕事内容なの?」
ゆりか(心の声)(告白したわけでもないのに勝手にフラれたんですけどーーーーーーーー!)
思いもよらぬ展開に動揺しつつも、とっさに仕事の話へシフトチェンジ。
彼の中でワタシは、「コイツも俺に惚れてて、居なくなると知ったらショックを受けて立ち直れなくなるであろう可哀想なヤツ」になっているらしい。
どういう思考回路をしてるんだか。マッチングアプリで、彼女ほしいって言ってたよね?って言ってやりたかったけど、ワタシもマッチングアプリをやっていると思われたくなかったし、その勇気もなかったので言えなかった。
ひとまず1軒目を出ると子犬くんが豹変。急に家で飲み直そうと言い出して、タクシーに乗せられそうになる。もう会うのも最後だし、強引にお持ち帰りしてやろう的な!? もちろん拒否して解散の運びになったものの、不機嫌そうに帰っていった子犬くん。そこから連絡を取ることはもうなかった。
銀座コリドー街で目を疑う光景が・・・
それから半年くらい経った頃。出会いスポットで有名な銀座・コリドー街で男女合わせて4人の友人たちと飲むことになり、適当にお店に入った。少し離れた後ろの席では、5対5の合コンが行われていてすごく盛り上がっている様子だった。
途中でお手洗いに立ち、戻る際にふと合コンの席が気になったのでチラ見すると、なんとも信じがたい光景が!
メンズ陣の中に子犬くんがいるではないか!! いや、でも子犬くんはロシアにいるはず・・・。そんなことはあり得ない、きっと似ている人だわ。そう言い聞かせて席に戻ったが、そこから後ろの席が気になって仕方がない。
合コンがお開きになったようで、その集団が店を出ていく際に子犬くんらしき人物を再度チェックする。やっぱりどこからどう見ても子犬くんなのよね。どういうことなんだろう。海外駐在が嘘だったってこと? それとも一時帰国中でその合間に合コン? 双子の兄弟がいるとか? 気になって仕方がなかったので、本人に翌日LINEして聞いてみた。
ゆりか「久しぶり。いきなりなんだけど、昨日コリドー街にいたりした?」
子犬くん「俺、いまロシアだよ」
ゆりか「そうだよね!そっくりな人を見掛けたから聞いてみただけだよ。お仕事頑張ってねー!」
そりゃそう言うわよね。でも冷静に思い返してもあれは絶対に子犬くんだった。
後日、別の総合商社に勤める男の友人にこの出来事を話した。すると、
「商社マンあるあるだな。2パターンあって、ひとつは海外駐在に行ったけれど力量不足や何か問題が生じて途中で帰任させられるっていうパターン。帰国してからも、周りにはしばらく駐在してるテイにしてるプライドの高いヤツも多いよ。もうひとつは、激しく女遊びしすぎて、女性関係がめんどくさくなってきたら、海外駐在が決まったんだっていうお決まりのセリフでバイバイって感じかな」
なにそれ、怖い!「海外駐在が決まった」っていう嘘は魔法のセリフってわけね。子犬くんに関しては前者のような気がする。だって、ワタシとは関係を持ってないんだからそんな嘘をつく必要がないもの。それにしても、全力で遊び倒す商社マンの実態が恐ろしいことを学習した。もし、また近いうちに子犬くんを街中で見掛けたら、今度はとっ捕まえて詰めてやると心に誓った。
女独身、27歳の戦い(婚活)の日々は続く・・・!