20代なんてまだまだチヤホヤされてナンボでしょ!なんて思い過ごしていたら、気づけばアラサー&彼氏いない歴5年。周りは長く付き合っている彼と婚約秒読み!なんて女子が急激に増えだした。一方で、私はWEB系コンサル会社に転職し、毎日慣れない仕事に奮闘するも、このままじゃ気づいたときには30代突入してるかも・・・、とようやく焦りだした、ごく一般的なOL。ワタシ、一之瀬ゆりか 27歳のセキララ婚活ドキュメントをここに綴っていく。
今回は、20代前半の頃に出会った商社マンと久しぶりに連絡を取り、出会いの母数を増やすためにも再会。けれども、ひと癖もふた癖もあるイケイケ商社マンの実態は、生半可なものではなかったのだった・・・。
思わず惹かれてしまう子犬系男子との再会
ある休日の朝、目覚めると見慣れない名前の人から「久しぶり!元気にしてる?」とLINEが入っていた。
ゆりか(心の声)(え、この人誰だっけ・・・?)
LINEのアイコンに小さく写っている彼の顔を拡大して、しばらく眺めているとなんとなく思い出してきた。
会社の先輩に連れていかれた六本木のクラブで声を掛けられ、1時間ほどお酒を飲みながら会話したことのある程度の男の人だ! もう4年も前の話で、まだワタシが社会人歴が浅く、初々しさが残っていた頃の出来事(笑)。
当時、どんな会話をしたかも少しずつ記憶がよみがえってきた。確か年齢はひとつ上で、表参道でルームシェアしていると言っていた。でも、仕事は何をしているのか聞いても、普通のサラリーマンだよと軽く流されるだけで、詳しく教えてくれなかった気がする。彼の風貌は、少し細身で甘いマスクで、チャラそうだけど、仕立ての良いスーツが似合っていて育ちの良さが滲み出ているなぁという印象の美青年だった。そんな彼を子犬くんと呼ぼう。
ゆりか「すごい久しぶりだね。突然どうしたの?」
子犬くん「いやぁ~、どうしてるかなと思って久しぶりに連絡してみたんだ。当時、連絡しても断り続けられて、会ってもらえなかったからさ(笑)」
彼からそう言われて当時のことをハッキリ思い出した。その時のワタシは、こんな可愛い顔しているくせに、きっとたくさんの女性を手玉に取ってきたんだろうなぁ~、と子犬くんを警戒していたので、彼からの食事の誘いを断り続けているうちに、彼から連絡が来なくなったんだった。
ゆりか「そんなこともあったっけ?ごめんね」
子犬くん「ひどいなぁ(笑)。数年越しにリベンジで誘うけど、来週あたり食事でもどうかな?」
ゆりか「うん、いいよ~」
子犬くんと会ってみることにした。当時、初々しい20代前半だったワタシも紆余曲折あって大人になり、ある程度のクセが強い男性が来ても、それなりに対応できるくらいには成長したはず。それに、あの可愛らしい子犬くんが約4年の時を経て、どんな大人の男性に成長を遂げているのかも少し気になるところ。
SNSで垣間見える煌びやかな女性たちとの交友関係
週末の恵比寿駅で待ち合わせ。他にも待ち合わせしている人たちで駅前はごった返していた。正直、子犬くんの顔が分かるか不安だったけれど、向こうが気付いてくれたみたいで声をかけてくれた。
子犬くん「ゆりかちゃん!!全然変わってないからすぐ分かったよ」
笑顔で近づいてきた彼は、社会人2~3年目までの独特なあどけなさが抜けて、凛々しい顔つきに変わっていた。しかし甘いマスクは今も健在。なんだか目がキラキラしていて、自信に満ち溢(あふ)れているオーラを身にまとっているもんだから、少しワタシはひるみ気味。
彼が予約してくれてた落ち着いた雰囲気の割烹料理屋で、日本酒を飲みながらふたりで過去の記憶をたどる。といってもお互い初対面も同然。会話の内容はお互いの基本情報から探り合う結果となった。
ゆりか「子犬くんって表参道でルームシェアしてるって言ってたけど、まだそこに住んでるの? あと仕事って何してるんだっけ? 前は教えてくれなかった気がする」
気になることが多すぎて、つい矢継ぎ早に質問してしまった。
子犬くん「うん、まだルームシェアしてるよ。場所は表参道じゃなくて、西麻布なんだ。西麻布って言うとさ、チャラいって思われがちだから、初対面の人には表参道って言ってるんだよね(笑)。仕事は商社勤めだよ」
ゆりか(心の声)(いや、表参道も西麻布もチャラさは変わらないでしょ(笑)。そして、出たーーーーーーー!商社マン。しかも西麻布住み。西麻布×商社マン=‟全力で夜遊び”に決まってる)
しかも彼の勤める会社は有名な総合商社。過去にさまざまな飲み会モンスターの商社マンたちと出会ってきたが、あの体育会系のノリがワタシはあまり好きじゃない。けれど子犬くんは商社マンっぽさがなく、どちらかというと品のあるおぼっちゃま気質で商社勤めにしては珍しいタイプだった。
話の流れで、彼のインスタを一緒に見ていると、なんだか違和感を感じた。そこにはキレイな女性しか出てこない。その場で彼に聞くのも気まずかったので、彼のアカウント名を覚えておいて、あとでこっそり見てみよう、そう思った。
その日は、彼の甘いマスクに癒やされつつ、ワタシは連日飲みすぎで疲れていたので、早め解散を打診した。彼もあまりお酒が強くないらしいから、眠たそうにしていたのであっさり1軒目で解散。
さっそく帰り道でお楽しみの子犬くんのインスタを探す(笑)。そしてすぐ発見し、彼のフォロワーを見てみると驚愕・・・。
美女、美女、美女のオンパレード。モデル・インスタグラマー・ハーフ美女・CAなど華やかな女子が勢ぞろい。しかも、誰もが知っている有名な芸能人の女性たちではなく、西麻布界隈に生息していそうなレベルの高い美女たちが並んでいるから、これまたリアルなのだ。
子犬くんのスペックだと彼女たちと交友関係があってもおかしくない。それにきっと、一緒に並んで歩くだけで鼻高々な女性たちが好みなんだろう。だとしたらなぜワタシを誘った? 遊び疲れて普通の女の人を求め出したとか?
・・・思わずネガティブ全開になった(笑)。それにしても、さすがになんだか気味が悪いし怖い。彼の生態が妙にリアルに垣間見えた気がした。
モンスター飲み会で知る、彼の海外駐在
その後、何度か子犬くんと食事に行った。仕事が忙しくて女の子と遊ぶ時間があまりなくてさ・・・と、お決まりの‟遊んでませんよアピール”から始まり、家に誘われたり、友達に紹介したい、また会いたいなどと口説いてくる素振りはあっても、決して付き合いたいとは言ってこない。
こちらも隙を見せるわけにはいかない!と上手く交わしつつ、食事に行く関係をキープしていた。子犬くんも、女性に困っていないはずなので、がっついては来ない。意外とそういう人の方がワタシのことをどう思っているのか気になってしまう。むしろワタシなんかの相手をしてもらってすみませんって感じ(笑)。手玉に取られているのはこっちかもしれない。
今度は、子犬くんから会社の飲み会に誘われた。
子犬くん「来週、うちの会社の若手だけの飲み会があるんだけど来てくれないかなぁ?」
会社の飲み会という名の‟コンパパーティー”ね。たくさんの女の子を各々呼び集めて、朝まで騒ぎ倒す、もしくはお持ち帰りパターンのやつ。女性側も、合コンなんかするより一度にたくさんの男性と出会えて手っ取り早いので、大企業の会社の飲み会というとわりと女子の食いつきはいい気がする。
20代半ばを過ぎてからは、いわゆるパリピな飲み会がどんどん苦手になっていき、久しくそういう会には参加していなかった。合コンにも飽きたし、出会いの場にたまには出向いてみようと、商社マンウケがよさそうな美人系の友人を誘い、顔を出してみることに。貸し切りのラウンジに入るなり、子犬くんが笑顔で出迎えてくれた。
子犬くん「来てくれて本当にありがとう!! 俺の同期たちと同じ席で一緒に飲もうよ」
広い席だったので、入れ替わり立ち代わりいろんな人が話しかけてきてくれて楽しく飲んでいた。周りの女子たちの話を聞いていると、CA・読者モデル・コンパニオンなどキラキラ女子ばかりだったがこれは想定内。普通のOLのワタシが彼女たちと張り合えるとも思っていないので、もはや何も気にならなかった(笑)。
突然、子犬くんの同期のひとりがワタシに話しかけてきた。
同期A「あいつとどこで出会ったのー?クラブ?コリドー街?」
ゆりか「もう何年も前になるけどクラブだよ」
同期A「だと思った。あいつすげーよな、顔いいから女いくらでも捕まるもんな〜」
同期B「女をブランド品だと思ってるもんなぁ~」
・・・・・・。待て待て。あんたたちそれをワタシたちの目の前で言う!? まぁいいけど、やっぱり相当遊んでるご様子だった。
飲み会も終盤、人の多さに疲れてきたので友人と途中で抜けて帰路につくと、友人のA子が子犬くんの話をはじめた。
A子「子犬くん、女の子にモテモテだったねぇ。あれはチャラそう(笑)。ってかさ、彼ってロシアに行っちゃうんだね!」
ゆりか「え?なにその話!」
A子「知らないの? さっき子犬くんが他の女の子たちに海外駐在が決まってるっていう話してたよ!」
ワタシはまったくもって初耳だった。しかも3ヵ月後にはロシアへ。なぜ隠されていたのか不思議だった。
友人がはじめたマッチングアプリでまさかの・・・
後日、友人のA子とふたりでランチをしていた。
A子「ねぇ、ゆりか!ついに私、マッチングアプリ始めちゃった♡」
ゆりか「えーーー!嘘でしょっ!どんな感じか見せてよ!」
マッチングアプリが流行し浸透し始めた頃で、まだ周りでやっている人が少なかったのだ。出会い系アプリっていう言葉自体にワタシはまだ抵抗があったので、容姿端麗でモテるA子がマッチングアプリを始めたことに驚いた。
A子「だって合コンとか紹介で彼氏探しするより、顔が見れて年収も分かるアプリで探すほうが効率よくない?」
確かにその通り。どんな仕組みなのか興味はあったのでA子に説明してもらいながら、アプリを見せてもらった。
そのアプリは会員数の多さがトップクラスで有名なサイトだったのでワタシも知っていた。
A子「こうやって、年収とか住んでる地域を絞り込んで検索すると、ほらっ!一覧で男性が出てくるんだよ!すごくない!?」
ゆりか「図鑑みたい(笑)」
ワタシは感動しながら、A子と画面をスクロールしながら男性たちの写真を見ていると・・・。あれっ、子犬くん!?
ゆりか「ねえ、A子!見てこれ、子犬くんに似てない!?」
次回!『ベールに包まれた、港区商社マンの真の実態を暴く』
お楽しみに。