20代なんてまだまだチヤホヤされてナンボでしょ!なんて思い過ごしていたら、気づけばアラサー&彼氏いない歴5年。周りは長く付き合っている彼と婚約秒読み!なんて女子が急激に増えだした。一方で、私はWEB系コンサル会社に転職し、毎日慣れない仕事に奮闘するも、このままじゃ気づいたときには30代突入してるかも・・・、とようやく焦りだした、ごく一般的なOL。ワタシ、一之瀬ゆりか 27歳のセキララ婚活ドキュメントをここに綴っていく。
今回は恵比寿でナンパされた、IT系男子。これが今回もかなりのクセモノで・・・。出会いの聖地・恵比寿で起きた、ありのままの事件を詳細にお伝えする。
週末の恵比寿には魔物が潜んでいる
週末の金曜日の恵比寿。20代~30代前半の男女が、週末になると一気にこの街に押し寄せる。少し派手めな化粧に、程よく露出した肌が色っぽい肉食系女子と、そんな女子を目当てに訪れる、ナンパ目的の肉食系男子。港区をホームにするほどイケイケではないが、恵比寿なら任せろ!そんなメンズが多い印象。いつから「エビダン」「エビージョ」なんて言葉が生まれ、出会いの街として認識されるようになったんだろうか。
「やっと華金~!」
仕事を終え、恵比寿で独身女子ふたり、仕事の愚痴を言い合いながら、ワタシはほろ酔い程度に飲んでいた。まだ時間も早いことだし、2軒目行っちゃおうよ! そういってワタシたちは1軒目を出て、友人が働いている駅近のバーへ向かうことにした。お店を出ると、駅までの道のりはナンパスポットと化していて、路上で目を光らせて女の子を物色しているほろ酔いのメンズたちで溢(あふ)れている。
ゆりか「すごいね、週末の恵比寿って」
A子「誰でもいいから手当たり次第、声かけてるって感じよね」
すると、A子の電話が鳴った。
A子「え、この男の人誰だっけ・・・」
ゆりか「出てみたら?」
A子「う、うん。出てみる。もしもし・・・?」
不安そうな声で電話に出たA子だったが、しばらくして相手が誰だか分かった様子。
A子「どこにいるって、恵比寿ですけど。なんでですか?」
どうやら相手は、ついさっきA子を見掛けて電話をしてきたらしい。
ちょっと待ってくださいね、と一度電話を保留にするA子。
ゆりか「誰だったのー?」
A子「結構前に、飲んだ帰り道でナンパされたサラリーマンだった(笑)。割とイケてた気がするんだよね~。こっちもふたりだからよかったら一緒に飲もうよって向こうが言ってるけど、どうする?」
ゆりか「まぁ暇だし、どっちでもいいよ!」
このまま女ふたりでまた永遠と愚痴を言い合うよりはいいかもね、と合流することになった。
それにしても、一度ナンパしたことがあるだけの女の子の顔を、すれ違っただけで分かるその男の人、すごすぎる(笑)。
指定された店にいき、合流する。彼らの顔を見ると、なんとさっき路上でなんとなく見掛けた2人組だったのである。連れの方の男性とすれ違う際になぜか3秒くらい目がガッツリ合ってしまったから、覚えていた。
うわっ・・・見定められてる感がすごくて、なんか嫌な人だなとその時感じたが、話してみるとふたりとも、THE・普通っていう感じのサラリーマンだった。
A子をナンパした彼は、いかにも筋トレが趣味です!という鍛えられた肉体で、爽やかな雰囲気のイケメン商社マン32歳。そして彼の友人は、イマドキな色白の塩顔系男子。パーマに黒縁メガネ、少しチャラそうな31歳のシステムエンジニア。ふたりともスラっと身長も高く、恵比寿でのナンパだったら成功率高めって感じ(笑)。
その日は何事もなく楽しく飲み会は終了し、終電前にサクッと解散した。
翌日、塩顔系男子の方から、よかったら今度飲みにお誘いしてもいいですか?とLINEが来た。良くも悪くもクセがなく、いわゆる普通な印象の彼。アリかナシかといったらアリかなぁ・・・。まぁ、一度くらい飲みにいってもいいかなと思ったのでOKの返事をした。そんな彼をメガネ君と名付ける。
嘘でしょ!?まさか隣に〇〇が来るなんて・・・
さっそく焼肉デートを提案されたので、メガネ君にお店選びを任せた。席はカウンターしか取れなかったようだが、高級すぎずチープすぎず程よい雰囲気のお店をチョイスしてくれた。
メガネ君「ゆりかちゃんとふたりで会えるなんて思ってなかったから、すごく嬉しいよ。いつも恵比寿で飲んでるの?」
ゆりか「そんなに多くはないですよ。メガネ君はよく恵比寿でナンパしたりしてるんですか(笑)?」
メガネ君「彼女いないときはね(笑)。昔は恵比寿横丁とかよく行ってたかな~。最近は滅多に行かないし、遊んでないよ。でもあの日、恵比寿を選んでよかった!ゆりかちゃんに出会えたからね!」
色々と包み隠さず話してくるタイプなようだ。そして、出ました『恵比寿横丁』。容赦ないナンパの嵐、そしてあの狭い空間の水面下で繰り広げられる男女の攻防戦。独特の空気感といい、そこに集まる人種といい、ワタシはどうも毛嫌いしてしまう。
やっぱチャラいんだろうなぁ~、そんな分析をしながら焼肉を頬張っていると、彼の隣の席にカップルらしきふたりが座ってきた。するとメガネ君の顔が急に青ざめる。ちょっとお手洗いに行ってくる、そう言って彼が席を立った。どうしたんだろう。しばらくして戻ってくると、テーブルが空いたみたいだから席を変えてもらおうと彼が言うので席を移動した。
ゆりか「どうしたの?なんかあった?」
メガネ君「実は、さっき隣に座ってきたのは元カノなんだ。びっくりしたよ。昔、元カノとよく来てた店なんだけど、まさか今日会うなんて!!」
えぇ!そんなことある!? ってかそもそも、元カノとよく来てた店に連れてくるなよ!って話なんですけど。それ以上にワタシが何にびっくりしたかって、その元カノが結構なギャルだったこと。金髪で前髪をかきあげ、長いマツエクに大きなカラコン。シャネルのバッグにピンヒール。ワタシとはまったく違うタイプの女性だった。
ゆりか「ギャルが好きなの?(笑)」
思わず聞いてしまった。
メガネ君「いやぁ、昔はね(苦笑)。今は清楚系の方が好きだよ!実は俺、若いころギャル男だったんだよね」
彼は、とっても人当たりが良くて物腰がやわらかい話し方をする人だったので、今の風貌からは信じられなかった。昔の写真を見せてと言ってみると、意外とすんなり見せてくれた。そこには、黒く焼いた肌に長い前髪と襟足を金髪に染め、チャラそうなポージングを決めるメガネ君。想像をはるかに上回るギャル男っぷりだった。でも、まぁ昔の話だし、気にはしなかった。それに、そのあと仕事の話や将来の話もしてみて、意外としっかりとした将来設計を立てていて、真面目な考え方で共感できる部分も多く、地に足がついてる感じがしたのでむしろ好印象。ただ、さっきも言った通り、元カノとの思い出のお店をチョイスするところはナンセンスよね。
1軒目の席の時間が終わりそうになり、軽く2軒目へ行く流れになった。もう食事デートのお会計でとやかく言うのはひとまずやめてみよう、と過去の事例で学んだので(笑)、支払いますよ、と彼に言うと、じゃあ2,000円もらっていいかな?と言われたので快く渡す。(正直、快くはない(笑))
2軒目はうす暗いジャズが流れるワインバー。
メガネ君「ゆりかちゃんって猫好き?」
ゆりか「うん、好きだよ」
メガネ君「最近俺、猫を飼い始めたんだけど、ほんとに可愛くて溺愛してるんだよね!!」
そう言って猫の写真を見せてくれた。確かにめちゃくちゃ可愛い。
メガネ君「今度、うちの猫をゆりかちゃんに可愛がってもらいたいなぁ~。またデートしてくれる?」
ゆりか「そうですね、またご飯でもいきましょう~」
とりあえず無難な返事をした。このときはまだ、後日巻き起こる衝撃的なデートの誘い方をされるなんて思ってもいなかったワタシ。システムエンジニアならではの衝撃の彼の行動、そして猫を溺愛しすぎるあまりの彼の私生活を知ることになる。
次回!「猫>人間!?ワタシの存在の意味って・・・ 」
お楽しみに。