20代なんてまだまだチヤホヤされてナンボでしょ!なんて思い過ごしていたら、気づけばアラサー&彼氏いない歴5年。周りは長く付き合っている彼と婚約秒読み!なんて女子が急激に増えだした。一方で、私は最近WEB系コンサル会社に転職したばかりで、毎日慣れない仕事に奮闘するも、このままじゃ気づいたときには30代突入してるかも・・・、とようやく焦りだした、ごく一般的なOL。ワタシ、一之瀬ゆりか 27歳のセキララ婚活ドキュメントをここに綴っていく。
前回、“恋愛コンサルタント”という職業を名乗り、完璧な王子様を演じるイケメン実業家と完璧すぎるデートに参戦。悪い人ではないけれど、お友達でいいかなと思っていた矢先に、完璧王子から怒涛の攻撃が待ち受けていたのである。その様子を詳細に語る。
お願い!誰か「俺通信」を止めて・・・!
翌朝、おはよう!と爽やか君からLINEがきたと思ったら、続けて写真が送られてきた。
ゆりか「・・・これなに?」
爽やか君「フィットネスジムに毎朝通ってるんだけど、今日のエクササイズもいい感じだったよ!」
彼がエクササイズで消費したカロリーやら心拍数やらが表示されている機器の画面を、写真に撮ってわざわざワタシに送りつけてきたのである。しかも絵文字を多用し、きゃぴきゃぴした女子大生みたいな文面で。最近流行りの、暗闇フィットネスに通っているらしい。しかも、エクササイズ中の自撮り写真まで送ってきた。まるでクラブのようなミラーボールが眩しいスタジオで、彼の白い歯が光り輝いているのがまたなんだかイラッとする。
この日は、へぇ、すごいね。と返信し、あしらったつもりだったのだが、なんと、翌日から毎朝このLINEが来るようになったのだ。
まったく興味もなければ面白くもない彼からの「俺通信」。嘘でしょ・・・。意外と結構いるのよね、俺を発信したがる系男子。自分をアピールしたいがゆえに空回りしているタイプもいれば、何の目的もなくコミュニケーションの一部だと思っている自覚のないタイプの人もいる。
どっちにしてもイタイのには間違いない。とにかくワタシはアナタのインスタでもTwitterでもない! アナタのメルマガを購読した覚えもないわ! 最初の数日は返信してあげていたけれど、我慢の限界がきて、ついに返事を返すのをやめると彼からの「俺通信」はしばらくして途絶えた。
彼って・・・恋愛コンサルタントだったよね? 最初のスマートな振る舞いで、お姫様扱いしてくれるところまでは悪くなかったんだけどなぁ。知れば知るほど少しずつ彼の残念な本性が露わになっていく。
見かけに騙されてはダメ。SNSでの匂わせ事件
連絡を取らなくなったあとも、彼とはインスタをフォローし合ったままだったので、彼が新しく投稿した写真が目に入ってきた。それは、誰もが憧れる高級な外車の横でポーズを決めて、ドヤ顔の爽やか君の写真。ハッシュタグには、「#いい男はいい車に乗らないとね!」なんて書いてあり、車を買ったことを匂わせるような投稿だった。
ゆりか(心の声)(自慢したいなら、車買ったって堂々と書けばいいのに。やっぱり変な人ね)
よくSNSで見かける、遠回しに「充実した素敵な生活を送ってる」とマウンティングするリア充投稿。女性にありがちだと思っていたけれど、男性でもそういう人いるのね。彼の女々しい部分が垣間見えてしまった。
しかし、後日まさかの事実が判明。ワタシの友人がSNSにあげていた写真がなんと、爽やか君が投稿していた写真とそっくりだったのである。車種はもちろん、背景も同じ。
ゆりか(心の声)(え、どういうこと?)
友人に連絡して詳細を聞くと、某外車メーカーの試乗車会があり、そこで撮ったものだという。つまり、その車は、試乗車会で展示されていた車で、爽やか君はそこで撮った写真に匂わせハッシュタグをつけてSNSにアップしたということなのだ。彼は車を買ったとは書いていないので、嘘をついてるわけじゃないけど、あまりにもダサすぎる。ネタみたいな感じでSNSで発信しているならまだしも、自分の車のように匂わせておいて、まさかの試乗車だったなんて!! 予想外の出来事に思わず笑ってしまった。
淡い期待を抱いたのが地獄の始まり
あれから3ヵ月ほど経った頃、爽やか君から突然、「今なにしてるの?」と久しぶりに連絡がきた。
(ちなみにしばらく連絡をとっていない男性から急に連絡がくるのは、LINEの友だちリストを見て目に留まったイケそうだと思っている女性に連絡している可能性90%)
無視してもよかったのだが、一応、女友達と2人で飲んでるよ〜!と返信してあげた。
爽やか君「数人で飲んでるから、よかったら来ない?」
と急なお誘いが。一緒にいた友人には、爽やか君の奇行エピソードをひと通り話しており、その彼から誘われたことを伝えると、興味本位でぜひ会ってみたいというので友人を連れて合流することにした。それに、恋愛コンサルタントって名乗るくらいだから、もしかしたら彼の友人の中に素敵なメンズがいるかもしれない♡ なんて淡い期待も抱いていたことは確かだ。
指定されたお店に着き、店内を見渡すがそれらしき男性グループは見当たらない。キョロキョロしているとお手洗いから出てきた爽やか君と遭遇し、席はこっちだよと案内された。しかし、そこには大学生くらいの男性ひとりと50代くらいの女性がひとり・・・。さっぱり関係性の分からない人たちが座っていた。
ひとまず自己紹介だけ軽く済ませる。
ゆりか「あのぉ・・・皆さんのご関係は・・・?」
爽やか君「俺の母親と弟だよ」
ゆりか(心の声)(はぁぁぁぁ⁉ え、意味がわからないんだけど!!)
たぶん相当顔が引きつっていたと思う。でも、彼の家族を目の前にして、爽やか君にブチ切れるわけにはいかなかった。そして横にいる友人の顔も怖くて見れない。オドオドしていると、爽やか君のママが満面の笑みをこちらに向けた。
爽やか君ママ「あらぁ、ゆりかちゃんね。話は伺ってるわ!お会いできて嬉しい♪ どうぞ座って」
ゆりか(心の声)(待って。なんの話!!それにめちゃくちゃウェルカムな感じだけど・・・)
このあり得ない展開に、一回落ち着けと自分に言い聞かせ、すぐさま友人に「ほんとごめん!!まさかこうなるなんて(涙)。終電とか何か理由つけてすぐ帰って!」とコソッとLINEを送り、この件に関しては後日謝ろうと思い、すぐに友人には帰ってもらった。
これって爽やか君に完全に騙された? ただ、彼は男友達と飲んでいるとは言ってないし、ワタシの勝手な思い込みで勘違いしただけと言われたら、何も言えない。けれど家族と飲んでるとは言わずに数人で飲んでるって言い方は悪意があるわよね。この地獄のようなシチュエーションをなんとか辛抱してワタシもサクッと帰ろう、そう思った。
しかし、爽やか君ママのマシンガントークが炸裂。その横で爽やか君の弟は、興味なさそうにちょこんと座っているだけ。終始、ワタシはうわの空で会話をほとんど覚えていないけれど、爽やか君ママの息子の自慢などを聞かされ、適当に相槌を打っていた気がする。
そして肝心の爽やか君はというと、母親と会わせることができたことに満足なのか、嬉しそうにニコニコしてこっちをずっと見ている。
雰囲気を察するに、爽やか君が「いい感じの女性がいるからぜひ会ってほしい。結婚も考えている」くらいの妄想話を家族にしたとしか思えない。だから、きっとお母様と弟さんは悪くない。すべて爽やか君の妄想のせい!
1時間ほどして、無理やり適当な言い訳をして逃げるように帰宅した。家に着いた頃には精神的に疲れ果てていて、爽やか君に怒る気力もなかったので、何も連絡せずLINEは即ブロックした。
やはり彼は、重度のマザコンだったのだろう。こんな方法でしか女性にアプローチできない人が、なぜ恋愛コンサルタントを名乗っているのかまったく理解できない。お願いだからまずは自分自身のコンサルをしっかりしてほしい。そしてコンサルを受けている生徒たちに伝えてあげたい。彼の恋愛テクは一切参考にならないということを。
まだまだワタシの戦い(婚活)は続きそうだ。