ステイホームを経験し、改めて気付かされた、居心地のよい家づくりの大切さ。そこでセンスがいい人のこだわりの家を大解剖。その人らしいセオリーが隠された三者三様の暮らし方から、理想の家づくりのヒントをリサーチ!
妥協のない部屋づくりで、いつしか理想の自分へと近づける
慣れ親しんだ実家の一室に、目利きのプロである伊勢丹新宿店 クロスMD営業部プロジェクト担当・小野澤亜南さんの審美眼にかなった名品が揃う。
「時計やゴミ箱などは自室に置かないようにしています。視界に入るものはいつでも素敵な世界であってほしくて。どこか非現実的な空間を求めているのかもしれません」
そこには確固たる信念がある。
「部屋の姿が自分自身を語ると思います。だから自分の思い描く世界観にマッチし、感性に響くものだけを側に置きたいんです」
海外駐在の経験は、自室への想いを深めるきっかけになったそう。
「赴任先では気持ち的に仮住まい感が拭えず、理想の部屋になりませんでした。この部屋は、傷ついたり、つらいことがあってもリカバリーできる。守られている感覚があります」
好きを追求した部屋は小野澤さんの温かく凛とした佇まいに重なる。
【間取り】実家だからこそ叶う自由な配置
実家暮らしで自由な部屋づくりを実現。
「コロナ禍でミニマムなスタイルから好きなものに囲まれた生活を望み、インテリアやレイアウトを変えました」
【ワークスペース】リサイクル品を取り入れて
部屋の中心にある円卓は、元はオフィス什器として使われていたリサイクル品。
「勉強机っぽいデザインを避けて円卓に。スタイリッシュな雰囲気が気に入っています」
【リビング】思い入れのあるものだけ集めた空間
1. アルフレックスのソファが部屋のアクセント。収納棚は既製品に手を加えてDIY。
2. イケアのワゴンは簡単に移動できるので、すぐに取り出したい小物や本を収納。
3. スタンドライトは無印良品。
「必要と感じたものは時間がかかっても手に入れたいタイプ。5年ほど前、販売終了間近のころに店舗を探し回り入手しました」
〈左〉パリ発の陶器メーカー、アスティエ・ド・ヴィラットの猫のオブジェがお気に入り。
〈右〉お母様の影響で集め始めたエルメス。購入品のうち出番の少ないベルトやスリッパなどは箱に収納。
「気付いたらこんな量に…。箱も頑張った記念品として残しておきたい」
【ベッドサイド】インテリアもスタイリッシュ
〈左〉ベッド脇のロフトスペースにある変形窓。昼下がりの西日に心和む。
〈中〉飾り棚はミラーを設置してドレッサー風に。
〈右〉編み座面となめらかな曲線が美しい椅子は、サイドテーブルとして使うことも多い。
伊勢丹新宿店 クロスMD営業部プロジェクト担当 小野澤亜南さん
2016年に株式会社三越伊勢丹に入社。伊勢丹新宿店の店頭販売やウィメンズブランドのアシスタントバイヤー、シンガポール駐在を経て現職。プロモーション運営に携わる。