芸能界でも屈指の本好きとして知られる佐久間由衣さんが、とっておきの作品をご紹介!
これまでたくさんの本に出合ってきた佐久間さん。自身の本棚のラインナップと格闘しながら、GINGER読者にすすめたい12冊をセレクトしてくれました。
心の拠り所な一冊
『君は永遠にそいつらより若い』津村記久子 著/ちくま文庫
「大学生が暴力や児童虐待、ネグレクトといった社会の闇と、それらに伴う悲しみに対峙する姿を描いた物語。実写映画では主人公のホリガイを演じさせていただき、私の女優人生において大切な作品」
何度も読み返したくなる一冊
『コインロッカー・ベイビーズ』村上龍 著/講談社文庫
「出生直後にコインロッカーに捨てられ、生き延びたふたりの少年の物語。そのなかでも、アネモネという女の子がとても魅力的で大好き! 何度だって大冒険ができて、つい引き込まれてしまいます」
パワーチャージできる一冊
『A子さんの恋人』近藤聡乃 著/KADOKAWA
「ああでもない、こうでもない、と思い悩むえいこさんの日々を綴ったマンガ。読めば読むほど、優柔不断なヒロインの人間らしさに勇気をもらい、彼女を支える他の登場人物からも優しさをチャージ」
お腹の空く一冊
『メロンと寸劇』向田邦子 著/河出書房新社
「食べ物と、それにまつわる人間を丁寧に描いたエッセイ集。麗しい日本語と軽妙洒脱な文体が心地よく沁み、食べ物の匂いが香ってくる気がする作品。読むと家族と一緒に食卓を囲みたくなります」
胸がアツくなる一冊
『心臓』奥田亜紀子 著/リイド社
「2011年のデビュー作から最近の作品で構成された、5作の短編マンガ。何者でもない私たちの日常に漂うヒリヒリとした感覚や当たり前が儚くも美しく描かれていて、思わず胸がアツくなります」
初めての活字書籍
『パンドラの匣』太宰治 著/新潮文庫
「結核療養所で、迫り来る死におびえながらも、病気と闘い明るく生きる少年の日記形式の小説。私が文学好きになったきっかけの作品でもあり、雷に打たれたような衝撃とともに太宰治の沼へ」
幼少期の思い出の一冊
『わたしと小鳥とすずと』金子みすゞ 著/フレーベル館
「祖母の家の本棚で出会い、祖母の元を訪れると毎回読んでいた一冊。幼いながらに“みんなちがって、みんないい”の一文を読んだとき、自分を肯定してもらえたような安心感をもらえたんです」
心が軽くなる一冊
『天国はまだ遠く』瀬尾まいこ 著/新潮文庫
「自ら死に向かっていった主人公の再生物語。田舎の優しさに触れて、都会の息苦しさや生きづらさに苦しめられていた主人公が生きる気力を取り戻していく姿はどこか温かさがあって優しい気持ちに」
必ず泣いてしまう一冊
『タイムマシンでは、行けない明日』畑野智美 著/集英社
「初恋の少女を救うため、タイムマシンに乗って、過去を変えようと奔走する理系男子が主人公の長編SF恋愛小説。主人公・丹羽の幼なじみ・葵への愛の深さは何度読んでも大号泣してしまいます」
愛おしい気持ちになる一冊
『だいちょうことばめぐり』朝吹真理子 著/河出書房新社
「お仕事でおすすめしていただいたのをきっかけに出合ったエッセイ集。折々で差し込まれる花の写真とエッセイが通じ合っていて、うっとりするほど美しく流麗な朝吹真理子さんの言葉の数々に心酔」
切なくなる一冊
『デッドエンドの思い出』よしもとばなな 著/文春文庫
「心の淋しさや心細さを埋めたい、そんなときに読みたくなる短編ラブストーリー。個人的にとても大好きな作品。癒えない傷が時間と物語とともに癒えていくような、切なさのなかに希望が光る物語です」
抱腹絶倒な一冊
『この話、続けてもいいですか。』西加奈子 著/ちくま文庫
「大阪弁全開のテンポいい文章で日常を綴った、著者初のエッセイ集。日々の体験談や失敗談が西さんのユーモアたっぷりな視点で描かれていて、何度読んでもお腹が痛くなるくらい笑ってしまいます」