小説から漫画までジャンルを問わず、本好きとして知られる女優 多部未華子さんの連載「多部未華子がBOOKコンシェルジュ!」。読者からの本選びの相談や質問に応えて、オススメ本をご紹介します。
vol.44 友達と気軽に会えない今、自分自身の心に向き合う本を読みたいです
《読者からのリクエスト》
気の知れた友達と他愛もない話をしたり、悩み相談に乗ってもらうことが気持ちの整理にとても役立っていましたがそれができない昨今…。自分の心の声に気が付けるような、頼れる一冊を知りたいです。
《多部さんのオススメは・・・》
絶対的な味方をつくることができれば、人生無敵な気がします
世界中の生活が一変して、かれこれもう1年以上経ってしまいましたね。いつまで続くんだろうと思う反面、正直この生活に慣れてきた自分もいたりして、むしろほんの2年前の今頃、どうやって友達に会っていたっけ? 多人数でどうやっておうちでご飯を食べていたっけ? マスクをしてない人を見ると、この人マスクしてない…っていつから思うようになってしまったんだっけ?とコロナ禍前の生活を忘れてきているところもあります。
私も明らかに友人に会う機会が減りました。外出も減りました。海外に住んでいる友人も日本に帰って来られなくなってしまい、次にいつ会えるのか見込みもなくて、私もいつになったらふらりと海外に行けるのかわからなくなって、それはもうとても悲しいです。やっぱりちゃんと時間を作って会って、面と向かって人と話すことって大事ですよね…でもそれが叶わない。皆さんはなかなか友達に会えないこの世の中の状況を、どういう風に受け止めて生活を送っているのでしょうか。
クォン・ラビンさんが書いた『家にいるのに家に帰りたい』。誰しも仕事に行く前に一度は思ったことがあるであろう言葉がタイトルの、心安らぐ本。ロマンチックだけど、なかなかリアリティのある詩的な言葉がたくさん並んでいて、ただの安らぎ本というよりかは多くの方の状況に合いやすく、そして寄り添ってくれるような本だなと感じました。
心が荒んでいるときにきれいごとばかりが並んでいる本を読んでも「けっ」と思ってしまう私ですが、この本はそんなことはなかったです(笑)。絶対的な味方を作ることはとても大切で、本でも音楽でも人でも植物でも、なんっでもいいから、なにかを見つけることができれば人生無敵な気がします。とにかく自分自身が辛くならないように、孤独を感じないように“頼る・すがる・救ってもらう”。それってとても大事なことですよね。
私は幸いにも(???)「助けてくれ!! できない!! やってほしい!!」を簡単に人にお願いできるタイプの人間なので(だから結構な割合で自分でなんとかしろと言われる)、お陰様でとても心地良い無敵環境のなかで毎日を過ごすことができています♡
今回のオススメ本はこちら!
“私だけのために書いてくれたみたい”と韓国で共感の声続出! 漠然とした不安やとまどいを抱えながらも、誰かを責めるわけにはいかない…。現実にうずくまっている人に贈る、心に灯をともす癒しの言葉。
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