【診断付き】女性ホルモンの低下で始まる「デリケートゾーン痩せ」。その対処法とは?

年齢を重ねるとともに、肌だけでなく、腟や外陰部もふっくら感を失い、痩せてきます。特に、女性ホルモンの分泌が低下してくる年齢からは、なおさら。

女性ホルモンの低下で体と心もさまざまな変化が起こりますが、肌も例外ではありません。粘膜は、目や口腔内にありますが、女性にとって大事なデリケートゾーンの腟や外陰部も粘膜。デリケートゾーンの粘膜も、女性ホルモンの低下によって少しずつ乾燥が進み、痩せてきます。

あなたは大丈夫? デリケートゾーン痩せへの対策を紹介するので、チェックしてみてください。

デリケートゾーンがかゆい、擦れる、痛い・・・

最近、デリケートゾーンの乾燥や違和感をもつ女性からの相談が増えてきました。想像以上に多くいます。

「外陰部のかゆみを感じる」

「外陰部が乾燥して下着と擦れて痛い」

「セックスのときに痛い」

「湯船から出たときに腟から水が出る」

「腟が擦れて痛い」

などなど。

乾燥が進むと、腟や外陰部はふっくら感を失い、痩せてきます。腟や外陰部の萎縮が起こるのです。腟萎縮で起こる不快症状はさまざまあります。

【CHECK!】外陰部と腟の不快症状は?

次に、膣や外陰部に当てはまるような症状があれば、外陰部・腟の萎縮が始まっている可能性があります。チェックしてみてください。

☑乾燥を感じる
☑かゆみがある
☑腫れた感じがある
☑熱くほてる感じがする
☑おりものが減ってきた
☑性交痛がある
☑アンモニア臭が気になる
☑尿もれ、頻尿がある
☑膀胱炎を繰り返す

「外陰腟萎縮症」って何?

腟や外陰部にかゆみが出たり、ヒリヒリ感などの乾燥、臭いなどの不快症状を感じるとしたら、更年期から起こり始める、女性ホルモンのエストロゲンの低下が原因のことが多いのです。

婦人科では、「外陰腟萎縮症」と言っています。

外陰部や腟のうるおいや、ふっくら感がなくなり、乾燥して、痩せて、雑菌が繁殖するために起こる炎症です。性交痛や尿もれにも関係しています。

外陰腟萎縮症は、閉経後、女性の約半数に起こると言われています。

エストロゲンの分泌の低下が関係

そのメカニズムは、エストロゲンの低下と老化が関係して起こります。

①乾燥、かゆみの原因・・・血流が低下し、腟内のコラーゲンをつくる細胞と、分泌液が減少するため。

②腫れ、灼熱感、性交痛の原因・・・腟粘膜が薄くなって、外傷を受けやすくなるため。

③においやかゆみの原因・・・腟内の酸性を保つ、乳酸桿菌(デーデルライン桿菌)が減少し、雑菌が増加するため。

④尿もれの原因・・・尿道周囲の筋力とコラーゲンが低下するため。

海外では、外陰腟萎縮症を積極的に治療していますが、日本ではまだ、誰にも相談できず、放置せざるを得なかったり、市販薬の軟膏などで対処している人も少なくありません。

腟や外陰部が萎縮すると、自然には元に戻りません。市販薬の軟膏を長い間使い続けて、赤く腫れ、治りにくい外陰腟萎縮症になってしまう人もいるといわれています。自転車に乗ったり、運動などで、腟や外陰部が擦れて痛んだり、出血したりするので、QOL(Quality of Life:生活の質)の低下にもつながります。

婦人科で治療できますので、我慢するのではなく、婦人科を受診しましょう。

婦人科の治療は、腟錠など

デリケートゾーンの症状(外陰腟萎縮症など)に悩んだら、婦人科でほかの病気ではないことを確認することも大事です。

性感染症(STI)であるクラミジア、トリコモナス、ヘルペス、子宮頸がんなどをチェックしましょう。

また、せっかく婦人科に行ったら、経腟超音波で子宮や卵巣の検査もして、子宮頸がん検診を2年以上、行っていない人は一緒に行いましょう。

婦人科で最も多く行われている治療は、エストロゲンを含有した腟錠(腟に薬を入れる)を使います。

腟周りの炭酸ガスレーザー治療も!

症状が進んでいる人は、エストロゲン腟錠を毎日、継続して入れる必要があります。

「腟錠でよくならない」「毎日お薬を入れるのが面倒」という人には、レーザーによる新しい治療が一部の病院でできるようになっています。

美容皮膚科などで、顔のリフトアップやたるみ改善に使われている炭酸ガスフラクショナル(CO2)レーザーを腟と外陰部に照射する新たな治療法です。

この更年期以降の女性ホルモン減少によって起こる腟粘膜の萎縮を改善する外陰腟部のレーザー再生術を「モナリザタッチ®」と言います。

腟粘膜の萎縮による不快症状(乾燥、臭い、かゆみ、性交痛、排尿障害・尿もれ)、外陰部のしわ、たるみが気になる人に行われています。

麻酔クリームを塗り、腟内に専用プローブを挿入。レーザー照射は約1分間。プローブを変えて、外陰部も約3~5分、レーザー照射します。

即効性がありますが、継続して2~3回行うと、さらに効果が高いと言われています。自由診療なのでクリニックによって費用は異なりますが、1回¥80,000程度で行っているクリニックもあります。

モナリザタッチを行う医療機関を検索できます
http://ja.monalisatouch.com/

デリケートゾーンケアには、骨盤底筋をトレーニング

腟や外陰部の萎縮にともなって起こる不快症状のセルフケアとしては、日常生活で骨盤底筋群の筋力を落とさないように、日頃からトレーニングを欠かさないことが大切です。

若いときから運動をしていたかどうかより、今から骨盤底筋トレーニングを習慣にできるかが、粘膜の不快症状を遅らせるためには大事。

トレーニング法は、腟を内側に引き込むことをゆっくり繰り返すだけ。お風呂で手を腟にあて、締まりを確認するのもいいでしょう。

たとえば、こんな運動も。

1.背筋を伸ばし、両かかとをつけ、つま先を少し外に開いて立ちます。ゆっくりと呼吸をしながら、膝をつま先の方向に曲げてしゃがんでいきます。そのときに、前屈みにならないように耐えて、背筋を伸ばし続けます。

2.次に、曲げた膝をゆっくり伸ばしながら、腟の引き込みを意識して、両脚の内ももとふくらはぎの内側をピッタリとくっつけます。これを5~10回、ゆっくりと繰り返します。

太ももの内転筋を鍛えるのにも有効です。

締めつける下着はNG!

いつも、腟の引き締めを意識して、生活するだけで違ってきます。太りすぎも、痩せすぎも、腟周りの筋力低下につながります。

また、締めつける下着をつけないようにすることも大事。お手入れは、デリケートゾーン専用ソープでやさしく洗うようにします。また、性交時に使う、腟を潤わせる潤滑ゼリーもあります。

いかがでしたか? 気になる人は、ぜひチェックしてみてください。

増田美加/女性医療ジャーナリスト
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増田美加/女性医療ジャーナリスト
NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。本誌「30歳美容委員会・女性ホルモン整え塾」でもお馴染み。エビデンスに基づいた健康情報、予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書は『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人「みんなの漢方R」理事長、NPO法人「乳がん画像診断ネットワーク(BCIN)」副理事、NPO法人「女性医療ネットワーク」理事、CNJ認定「乳がん体験者コーデイネーター」ほかを務める。
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