カレーと音楽が好きなイラストレーターかざまりささんが、美味しいカレーやスパイスにまつわる情報をお届け。今回は最終回! 下北沢の“呑めるカレー屋”をご紹介します。
スパイスキッチン ムーナ
下北沢駅から徒歩1分ほどに建つビルの5階に、「スパイスキッチン ムーナ」はあります。南インド料理をベースに、旬の魚を使ったカレーをはじめとした、店主の諏訪内さんこだわりの料理が味わえます。カレーだけでなくバルのような小皿やおつまみも取り揃えていて、インドビールなどを楽しめる“呑めるカレー屋”として人気のお店です。
店内にはエスニックなアコースティックの音楽が流れていて、お店の独特の雰囲気を作っています(公式ウェブサイトの「Moona Movie」を見れば、お店の世界観が少しわかるかもしれません。素敵なのでぜひ!)。
お店のオープンは2007年。バーや飲食店などで経験を積んだ諏訪内さんは、当時日本では珍しかった南インド料理専門店店「アジャンタ」の南インドカレーに出会い、スパイスの効いた本場のカレーに衝撃を受けたといいます。それから「日本人の作る南インドカレーの店」を開くことを志し、本場インドに訪れたり、カレー店で修行をしたりと経験を積んだのだそう。
オープン当初は、本場南インド料理の調理法にこだわって料理を提供していたそうですが、営業をしていくうちに徐々に日本の気候や四季に合わせて独自のメニューが開発されていきました。現在では南インド料理の枠にとらわれない、丁寧にスパイスを使った料理が楽しめます。
そんなスパイスキッチン ムーナさんに筆者が出会ったのは5年ほど前。魚のカレーを食べると、ふんわりとした魚と旨味とスパイスが絶妙に合わさった飾り気のないカレーに衝撃を受けました。
その後も友人を連れて何度も訪れていて、大好きなお店のひとつです。
今回注文したのはこちら。
フィッシュカレー定食 ¥1,300
※ライス小盛り −¥50
ランチの時間帯に食べられる、フィッシュカレー定食。メインとなるフィッシュカレーは、その時によって違います(2種食べたい方は限定10食の「海鮮ランチセット」がおすすめです!)。
今回は「鰤のカレー」。ご覧の通り、魚のカレーのほかにも野菜のおかずが盛りだくさんで豪華なメニューです。
鰤のカレーは酸味の効いた、ココナッツ香るさっぱりとしたカレーです。鰤は大ぶりのものがドンと入っていて食べ応えも◎。ふわっと柔らかい鰤と、エスニックの風が吹く香り高いカレーの相性は抜群です。
プレート上部に盛られているのは、野菜のおかず3種。旬の野菜を使用したアチャールはどこか実家のような素朴さを感じる、落ち着く味です。白菜の和え物はシャクシャクとみずみずしい白菜にスパイスをふわりと感じる、さっぱりとした料理。真ん中のしめじ、青菜、高野豆腐の和え物もあっさりとしていて、カレーの合間にちょうど良いです。1番左のサツマイモとカリフラワーのサブジはシンプルゆえにサツマイモの甘味が引き立っています。
ライスはふんわりとして香り高いジャスミンライス。パパド(豆のせんべい)はパリパリとして香ばしく、料理のアクセントになります。ダル、トマトのスパイシーなペースト、ヨーグルトと南インドのミールスおなじみのペーストはカレーとライスと一緒に食べることで味の深みが増します。
ランチではおかずやカレーを一緒に混ぜて食べることで、それぞれを単品で食べるのとはまた違った味わいに。ペーストなどとも組み合わせて、自分好みの味をプレートの上で作り出せるのも定食の良いところです。
今回も大満足のランチでした! ほかにも魚単品のメニューなども取り揃えているので、次回はぜひ注文してみたいと思います。
南インド料理をベースとした、魚のカレーやおつまみ、お酒が味わえる“呑めるカレー屋”スパイスキッチン ムーナ。みなさんもぜひ、スパイスと旬の食材のコラボレーションを楽しんでみてはいかがでしょうか。
スパイスキッチン ムーナ
東京都世田谷区北沢2-12-13 5F
TEL/03-3411-0607
https://www.moona.jp
Twitter @moonamoonam
約3年半、79回にわたり続けさせていただいた当連載ですが、今回で最終回となります。
ご愛読いただいた方々、ありがとうございました!
カレーの美味しさ、奥深さを少しでもお伝えできていれば嬉しいです。
これからも変わらずカレーを食べ続けます。
またどこかでお会いしましょう!
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