激動の世の中を見続けているジョバンナ洋子ママが、街で出会った事件簿をお届けする連載「ジョバンナ洋子の今日もどこかでパトロール」第4回。今月はジョバンナママが特別な夏に文化活動を楽しむなかで事件が勃発! さて、どんな騒動が待っているやら。
発想を転換して楽しんだ2020日本の、特別な夏
ボンジョルノ〜。ようやく夏が来た!と思ったら、いきなりの酷暑続き、熱中症の心配をしてたら、気付けば微かに秋モードにもなりつつあり。季節は急に展開するし、まさかのコロナの第二波到来に、私たちホトホトお疲れよね。1ヵ月前はそろそろ国内ならプチトリップありなんじゃない?くらいに軽く考えていたけれど、コロナってば本当にしぶとい。仕方ない、この夏はもう“特別”すぎるから、と腹をくくっておとなしく東京を楽しむことにしたのよ。しかもおひとり様でも楽しめるアート・音楽・映画鑑賞。インプット月間ね。
ジョバンナママが沼にハマった話題のミュージシャンとは?
才能ある人が進むべき道をいくよう、本当は静かに応援したいんだけど、このコラムを読んでくれる人には特別よ。Youtubeから羽ばたく23歳のミュージシャン、藤井風くんは知ってるかしら? 多分もう知ってるわよね。才能がダダ漏れるとは彼みたいな人をいうのね、こういう驚きは何十年ぶり。デビューアルバムの『HELP EVER HURT NEVER』を無限ループで聴いていて、頭の中をずっといろんな風が吹いているの。
まるで弾いてないみたいに軽やかに長い指で奏でるピアノ、故郷の岡山弁で紡ぐ精神性の高い歌詞の世界と今っぽいおしゃれサウンドのギャップ、昭和歌謡感もありR&Bでもあり、洗練されているのに親密で。もちろんルックスも備えていてしかもベジタリアン・・・・・・なんというか聴いているとすべてから解放される癒しがあるの。ああ、彼の魅力を語り出したら、このコラムが一回終わっちゃうわね。Youtubeで10歳くらいから始めてるカバーも聴いてみて。とにかく超推しよ。
アートから受ける、新鮮な刺激
それから美術館もあちこち出かけたわ。最近工芸が気になっていたから、まずはパナソニック汐留美術館の「和巧絶佳展」へ。レディ・ガガがシューズを着用したことで知られる舘鼻則孝氏の作品、この秋冬のロエベのコレクション(写真下)でもコラボレーションした桑田卓郎氏のセラミックアートなど、コンテンポラリーな日本のアート解釈と技は本当におもしろいわね、刺激を受けたわ。
それからコロナで行きそびれてしまった写真展「永遠のソール・ライター」のアンコール開催もおすすめ。NYの日常を切り取ったフォトグラファー、ソール・ライターの写真からは、これからを生きるヒントが感じ取れたわ。『私が写真を撮るのは自宅の周囲だ。神秘的なことは馴染み深い場所で起きると思っている。何も、世界の裏側まで行く必要はないんだ』という言葉を残しているけれど、今、彼が生きていたら“映え”ばかりを狙う風潮にうんざりしていたでしょうね。この展覧会も9月28日までやっているのよ。
そして事件は映画館で勃発!
そうそう、NYつながりなんだけどウディ・アレン監督の映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』も観たわ。私にとってイタリアは別格だけど、彼の描くNYも捨てがたいのよ。
そしてこれまたお気に入りのティモシー・シャラメが主演だったから、2階の最前列、目線の高さ、遮るものなし!のベスポジを確保して、めちゃくちゃ集中して鑑賞する体制だったわけ。そうしたら、暗転するなり、ディスタンスを保って座ってた隣のマスクもしてないアラサー男子がよ、何っておもむろに靴を脱いで前の手すりに両足をかけたのよ!!
角度的にずっとその足がティモシーを見入る私の視界に入るの! ありえないでしょ。余程その場でお叱りしようかと思ったんだけど、昨今何があるかわかんないから、グッと堪えたわ。ホント、集中できなかったからもう一度観ないと気が済まないわッ!
自由って、他人の眼を気にしないこと??
日本人は基本のマナーはきちんとしていて誇れるところだとは思っているけれど、コロナによってこんなに長い時間、人と人との距離が生まれてしまうと少し心配だわ。そもそもデジタルの進化によって、人同士のつながりが希薄になりつつあったところに、ひとりで籠もらざるを得ない時間がここまで増えてしまうとね・・・・・・。自分の内面に向き合うことと同時に、周囲の状況を俯瞰で見る眼を忘れないようにしてほしいの。街行く人の服装にもその傾向が表れているわ。家でダラっとしてたまんまの服で外に出てきてるっていう光景を目にする。ま、おじさんに多いけれど。この映画館の足上げ男子だって、家にいて一人で見てるんじゃないわけだから、その眼があればああいう行動はできないはずよ。価値観が変わって解き放たれるのはいいけれど、自由になるっていうのは、同時に社会的な責任も持たなきゃいけないってことを忘れないでほしいわ。
●おすすめのワイン
モンテヴェトラーノ コーレ
アートにリンクして、今月は元芸術家が生み出した赤ワインをご紹介します。南イタリア、カンパーニャ州サレルノ近郊の山間、サン・チプリアーノ・ピチェンティーノのワイナリー、モンテヴェトラーノから初リリースされた数量限定品です。モンテヴェトラーノは写真家だったオーナー、シルヴィア・インバラートが、ワイン好きな顧客のアメリカ人に影響を受けて仲間とともにスタート。ワインの権威、ロバート・パーカーJr.にも認められるクオリティに仕上げています。
この「モンテヴェトラーノ コーレ」は、南イタリアで最高の品種と言われるぶどう、アリアニコを使用。深いルビーレッド色をしており、リコリス、レザーなど少しクセのある印象をベースに、赤いベリー系果実やスパイシーなアロマが香る深みのある赤ワインです。グリルした牛肉、ローストしたラム肉や熟成チーズにもぴったり。娘のシルビアが描いたエチケットのハートが、モンテヴェトラーノのワイン、そして人生への愛を伝えています。
Montevetrano Core Colli di Salerno IGT
カンパーニャ州
アリアニコ100%
750ml ¥3,900(参考小売価格・数量限定品)
フードライナー
078-858-2043