外に出たくない真冬に読み込むのにぴったりなコラム「ま、一杯飲んでベッラ ヴィータよ」。舞台は南麻布の架空のバー「Bar D’Amore(バール ディアモーレ)」。ママを務めるジョバンナ洋子女史が繰り広げるお叱りトークは、困った時にもためになると評判。
第10夜は最近彼氏ができたばかりという子羊がご来店。今宵はどんな爆笑ネタが披露されることやら……。
【第十夜】温泉旅で愛を深めるなら
ホント今日も風が冷たくって、冬将軍がやってきたわね。寒さで体に変に力を入れてるからなのか、もうね、首・肩の張りが半端ないのよ。マッサージしてもでもどうにも痛みが治まらなくて、さっきついにおばあちゃんみたいな温感プラスター買っちゃったわ。でもね、北国じゃ大雪らしいから、東京のこの程度の寒さで文句は言ってられないわね。
「うぅ〜〜寒ッ。こ、こんばんは〜。一人なんですけどいいですか?」
どうぞ。外、寒かったでしょ。コートはその辺に適当に掛けてね。こんな日はフルーツとシナモンなんかのスパイスを効かせたヴァン・ブリュレがおすすめよ。
「ヴァン・ブリュレって?」
あ、イタリアではそう呼ぶんだけど、日本で言うところのホットワインね。
「いいですね〜。それお願いします」
ちょっと待ってて、今、作るから。あ、イタタ・・・・。
「ジョバンナさん、首、どうしたんですか?」
どうもこうも、凝りすぎてバリバリなのよ。正直、温泉でも行きたいくらいなのよ。
2019年は温泉トレンドもマニアックに移行中?
「温泉! 私も2月に行こうと思ってるんですけど、そっちのほうも詳しいんですか?」
そうね、考えるとまあまあ行ってるわね。九州から長野……、そういえば海外でもドイツのフュッセンに、イタリアのイスキア島でも温泉を楽しんだわ。海外は基本水着着て温泉に入るんだけど、ドイツはね、日本と同じように全裸で男女混浴ゾーンがあってびっくりしたわ。
「ワォ!ですね。でも全員がそうなら、恥ずかしくもなさそうだし、なんだか開放感ありそう。今回は週末だけなので、近場でどこかおすすめありますか?」
私は旅先も王道なチョイスからちょっと外したいほうだから、参考になるかしらね〜。以前はまず宿の格とか食事を優先して選んでいたけど、最近は秘湯的なところがいいわね。やっぱり最終的にはお湯の良し悪しでしょ。
「なるほど。去年の暮れにつき合い始めた彼と行くことにしてるんですけど、いきなりの秘湯ってどうでしょう?」
かえって仲が深まりそうだけど。福島の高湯温泉は良かったわよ。日本秘湯を守る会っていう団体に加盟してるところ。白濁の源泉掛け流しで硫黄の匂いがぷんぷんして、いかにも湯治場って感じで。
彼との二人温泉でやらかしたくない失敗
「実は彼、仕事の取引先の人なんです。だから熱海とか伊豆とか有名どころだと、会社の人に会ったりするんじゃないかと心配してたところでした。東北、穴場ですね」
お忍びなら、いいかもしれないわ。昔ながらのひなびた温泉だから、華やかさはないけれど、知り合いには合う率は低そうな気がするし。2月なら雪見温泉なんてロマンティックじゃない?
「そうですね! ただ私、お酒が大好きなので、飲み過ぎて何かやらかさないかと不安です……。彼と旅に出るのは初めてなので」
福島あたりも日本酒が美味しいから気をつけて。そういえば、女4人での温泉旅のエピソードを思い出したわ。部屋での夕食だったから、つい調子に乗って、食べるだけ食べて豪快に飲んだわけ。で、寝る前にもう一度温泉に入ることになったんだけど、一人はもう眠いからって留守番してたのよ。「あ〜、いい湯だったね〜」なんて部屋に戻ったら、彼女は完全に爆寝。しかも大の字で浴衣も思いっきりはだけてて、おっぱい丸出しの紐一丁状態!!
「アハハ〜。温泉あるあるですね。それ、今回やっちゃったら、まったくムードなしでヘタしたら破局です。浴衣って艶っぽくなれるから恋愛的小道具にもなるけど、紙一重ですね。ホント気をつけなきゃ」
まあ、せいぜいイチャついてくればいいんじゃない。なんだか、結局そんなお熱い話まで聞かされて、おかげで寒さもふっとんだわ。しっぽり楽しんでくるのよッ!
愛を忘れた乙女たちは“自分チョコ”に夢中
2月はバレンタイン、3月はホワイトデーと、冬の時期は恋のシーズンね。でも最近はバレンタインも義理チョコ→友チョコ→自分チョコみたいな変化になってるらしいけれど、それはそれで大丈夫か?日本よね。もうまったく恋愛とは関係なくなってて、2月14日はチョコの日と化してるわね。海外では男性から女性へ花を贈ったり、食事に誘ったりと、日本みたいに女性がチョコレートとともに告白する日、みたいな習慣はないって言うじゃない? そろそろ、そういう成熟した愛を深める日になるといいわね。
【今宵の一杯】
モンテヴェトラーノ コーレ ビアンコ
今回はそんな風にバレンタインやホワイトデーに、大好きな彼と愛を深めるときにぴったりなワインをご紹介します。南イタリア、カンパーニア州サン・チプリアーノ・ピチェンティーノのワイナリー、モンテヴェトラーノによる白ワインです。この地方の方言でハートを意味する「コーレ」をネーミングにし、ラベルにはゴールドでシンプルなハートが描かれています。写真家からワインづくりに興味を持ち、この世界へと転身した女性オーナーのシルビア・インパラートの娘で、ドルチェ&ガッバーナでのキャリアも持つ女性がデザイン。
1993年にワイン造りをスタートした当初、ワインの格付けで知られるロバート・パーカー氏に赤ワインのサンプルを送ったところ「南イタリアのサッシカイア!」と賞賛され、世界中の注目を集めたのだとか。
カンパーニア州を代表するブドウ品種である厳格なグレコ種と心地よいフィアーノ種のブレンドし、2016年に初リリース。ピュアで美しいフルーツ香を感じさせ、ボディバランスのよく優れた飲み心地なので、幅広い食事と合わせられます。
Core Bianco Campania IGT
カンパーニア州
グレコ50%、フィアーノ50%
750ml ¥3,800(参考小売価格)
フードライナー
078-858-2043