仕事を愛し、家族を愛す。長いキャリアのなかで、すべてのベースが愛だと語る広末涼子さん。家族、仕事、自分の3つの側面から感じる愛を語っていただいた。
【家族愛】うるさいくらい、家族に愛を伝える
「好き」「愛している」と、子どもたちには常に言っています。おやすみのキス、出かけるときのハグも欠かしません。家族は子どもたちにとって最初の社会で、繋がり。そこで愛をもらっていると感じられたら、きっと自己肯定感に繋がっていくと思うんです。将来、挫折したり、つらいことがあっても、愛を知っていれば立っていられる。きっと一番のベースになります。自信を持って生きてもらいたい。だから私はうるさいくらい、子どもたちに愛を伝えています。
【仕事愛】優先順位がつけられないほどこの仕事が好き
この役のためだったらどんなことでもしたい。そういうふうに一途になれる役、作品に出会えたとき、この仕事を愛しているんだなって思います。毎回作品の色も時代背景も監督も変わっていくから、常に新鮮な気持ちで全力投球させてもらえる。それが幸せで刺激的。俳優という仕事は自分にとって唯一無二で、優先順位がつけられないものです。
【自己愛】自分を犠牲にしてはいけない。自分自身を愛する
仕事をしているときは、女優であることが大事。周りを常に見て配慮し、役のことをしっかり見つめ考える。そして家に帰れば母親として、子どもたちが最優先。だから気が付いたら自分の感情や体調と向き合うことを忘れていました。それこそ、お風呂だってひとりで入らない、子どもを洗ってあげないといけないし(笑)。でも短くてもいいから、自分の心と体を見つめる時間、自分自身を愛する時間が必要なんだって最近気が付きました。例えば目的もなくカフェに行く。すごく贅沢な時間ですが、そこで考えられることがある。大切なこと、守りたいものがあるからこそ、自分を犠牲にしてはいけない。
出演映画『あちらにいる鬼』が全国公開中
瀬戸内寂聴と恋愛関係にあった父を持つ作家・井上荒野が、自身の父と瀬戸内寂聴、そこに交わっていく母の3人の関係をモデルに描いた小説の映画化。昨年亡くなった瀬戸内氏も完成を心待ちにしていた作品。
原作/井上荒野
監督/廣木隆一
出演/寺島しのぶ、豊川悦司/広末涼子ほか
配給/ハピネットファントム・スタジオ
広末涼子(ひろすえりょうこ)
1980年7月18日生まれ、高知県出身。近年では映画『コンフィデンスマンJP』シリーズ、『バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版』などに出演。2023年度前期NHK連続テレビ小説「らんまん」に出演が決定。