美容家・神崎恵さんの心の機微を綴る連載「Megumi’s Mirror」。今回は「占い」について。
vol.3 占い、信じる? 信じない?
年末年始に盛り上がるもののひとつ、占い。こんな不安な時代だからこそ、新しい年を迎えるにあたって、自分の運命、運気を知りたい。その気持ち、とてもよくわかります。
よーくわかる、わかるんですが…、実は、私、それほど占いを信じるタイプではありません。昔からです。とはいえ、これまで、四柱推命や算命学、タロットカードや手相、いわゆる“(霊が)見える系”まで、ありとあらゆる占いをひととおり体験してきました。
私の周囲はバリバリ働く女性が多いのですが、皆さん、占いについて恐ろしく詳しい。「この人はめちゃくちゃ当たる!」という(機密?)情報を各自がそれぞれ保持していて、「神崎さんも絶対、見てもらったほうがいいですよ!」とアツくすすめられます。皆さんの熱と楽しそうな姿に、私も見てもらおうかしら?とお願いすることもあるのですが、なかなか当たることがないんです。
超当たる!と有名な某人気占い師の方にも見てもらったことがありましたが、「あなたは前世、“大奥”にいた女性です。だから常に戦っている。あなたは、戦う人生なんです」と言われ、なるほど、となんだかお腹いっぱいな気分になってしまい、1時間コースなのに30分で切り上げたこともありました。ベストセラーの占い本も読んだことはないし、朝の情報番組の占いランキングはできるだけ見ないようにしています。だって、たまたま自分の星座がその日、ランキング最下位だったとしたら、意味もなく凹まされる気がしません(笑)?
ちなみに、占い師の方に言われた“悪いこと”は、すべて細かくその場でメモをとり、後日、答え合わせをして、言われたような悪いことは起こっていないことを確認します。
逆に、“いいこと”はメモをとりません。占い師もプロですから、ある程度、会話や表情からこちらが欲しい答えを導き出しているはずで、「こうありたい、こう言ってほしい」ということを言ってくれていると思うから。
それともうひとつ、私はこれまでおみくじで「大吉」しか引いたことがありません。小さいころから毎年お正月に「大吉」を引き続けた結果、あるときからおみくじを引くことをやめました。それ以来、常に自分のおみくじは「大吉」だという気持ちでいます。
我ながら、あまのじゃくだなぁ……。
ただ、私がこれほどまでに占いを信じないのには理由があります。
揺さぶられたくないんです。自分の人生に、選択に、自信をもっていたい。自分の嗅覚を、誰よりも信じているんです。
たとえば「来春、大きな仕事を受けてはいけない。うまくいきません」と占われたとして、その時期に大きな仕事がきた場合迷わず引き受けます。そして、いい結果を出すべくめちゃくちゃ努力します。あの手この手で七転八倒しながら、「運命は変えられる」と信じているし、なんなら、悪いこともねじ伏せてやる! くらいの気概で突き進む。自力で、自分の人生を歩みたいんです。占いが当たらないのではなく、当たっていても、自分で変えてしまっているのかも(笑)。
とはいえ、私だって人間です。不安になることや迷うとき、背中をひと押ししてほしいときだってあります。そんなとき、私は人間ドックにいきます(笑)。体をくまなくチェックしてもらって「神崎さん、胃がキレイですね〜」なんて言われると、迷いも吹っ切れ、がんばれるんです。
こんな私ですが、占い師さんに必ず言われるセリフがあります。それは、「あなたは占われる方ではなく、占う方。占い師になる方です」というもの。…信じてもいいですか(笑)?
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