既成概念から解き放たれた、唯一無二のスタイルが魅力的な板垣李光人さんにインタビュー。究極にシンプルな“白と黒”のファッションについて語っていただきました。
演じること、服で変化すること、そのどちらも楽しい
2021年の初めに、「ヨウジヤマモト」のプレスルームで、たくさんの黒い服を見せていただいたことがあって。ひと口に黒と言っても、素材が違えば質感も印象も違う。見ているうちに、黒一色のはずなのにだんだん華やかに見えてくる…そんな経験をしました。そこから僕のなかではちょっと黒が流行っていて、プライベートでもけっこう黒を着ていますね。
ファッションに目覚めたのは、2~3年前。もともと幼いころから役者をやっていて、演じる楽しさ、それによって自分が変わる面白さを感じてはいました。そんななかで、アレッサンドロ・ミケーレが手がけた「グッチ」のコレクションと出合い、ファッションで自分が変わるという面白さと演じることの喜びって、似ているものがあるな、と気が付いた。結果、役者という仕事もファッションも、どちらも一層好きになりました。
よく「一番素に近いファッションは?」と取材で聞かれるんですが、僕にとっては布をたっぷり使っているアイテムを着ているときのほうが自分らしい。だから、盛れば盛るほど素に近づく(笑)。そしてそこにアンバランスさがあると、なお自分っぽい。だから今日の、片腕だけのジャケットとか、とても好きです。アンバランスさはメイクにも言えることで、最近はアイラインをあえて雑に、左右非対称に引く、みたいな感じが気になっています。この冬はそのアンバランスさをもっと極めたいです。
Q. 最近買ったアイテムは?
A. 「バレンシアガ」のシャツ。ボロボロでズタズタなところが気に入っています(笑)。
Q. 手持ちのアイテムで一番多いのは?
A. 靴も多いけど、アウターかな。だから秋冬は楽しい季節です。
Q. 定番のアイテム、と聞かれたら?
A. 最近は帽子! 頭の上に何かが乗っていないと、そわそわしちゃう。
Q. 最近ハマっているメイクは?
A. アイラインの引き方を研究中です。夜中に一人で試しています(笑)。
Q. 魅力的だと思うのはどんな人?
A. クリエイティビティが豊かな人。自分の考えが明確で、それをアウトプットできる人。
板垣李光人(いたがきりひと)
2002年1月28日生まれ。大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合)のほか、12月18、25日に放送のドラマ「風の向こうへ駆け抜けろ」(NHK総合)、来年1月より放送のドラマ「シジュウカラ」(テレビ東京)に出演。