ロックミュージシャンであり小説家、過激にして神聖、怒れどもユーモラス。黒木渚さんの真骨頂はそんな両翼の絶妙なバランスにある。果たして本人が分析する「黒木渚」とは…。
「好き」「嫌い」「生きる」「死ぬ」。私の作品は、すごくシンプル
「私は創作で生みの苦しみを味わったことがなくて。その都度言いたいことは必ずあり、言葉が存在していればメロディも同時に出てくるのでスランプになったことがないんです。ただ私が作るもの、書くものはすべて『好き』『嫌い』『生きる』『死ぬ』の4つに集約されている。だからすごくシンプルだと思います」
ニューアルバム『死に損ないのパレード』もテーマは生と死。根底に流れているのはとてつもなくポジティブでパワフルな生への渇望だ。
「今回は、落ち込んだ世の中をちょっと引っ張っていくというか。悩むこともあるけど、最後は心の一番深い部分がイエスかノーかその二択なんだよって。それを強いだけじゃなく、お母さんみたいな包容力で抱きしめながら伝えたいと思って作りました」
ちなみに黒木さん、エキセントリックな音楽性ゆえ「魔女みたいな女を想像される」らしいが実際は真逆。
「会うと100%イメージが違うって言われます(笑)。創作で吐き出しているせいか、普段は起伏がなくフラット。常に中の上ぐらいのテンションなのでずっとご機嫌です」
絶妙なバランスのもとで吐き出される魂の叫びのような作品たち。最新アルバム『死に損ないのパレード』をお聴き逃しなく!
『死に損ないのパレード』
通常盤 ¥2,750 発売中
黒木渚(くろきなぎさ)
1986年4月19日生まれ、福岡県出身。自らの名を掲げたロックバンド「黒木渚」でデビューし、2014年にソロへ転向。翌年には小説家として文壇デビューも果たし音楽と文学の両翼で活動を続ける。