俳優という道を歩み始めて、今年で10年目。30歳となる町田啓太さんは、誠実にそのキャリアを積み重ねています。手探りで、自ら切り開いてきた表現者の道。デビュー当時には見えていなかった、“人生の喜び・幸せ”について語っていただきました。
コンプレックスを“愛すべき”自分の長所へと変えてみる
生まれ育った地元を離れ、パイロットを夢見て石川県の高校へと進学。そこでダンスに出合い、大学進学は東京へ。「いろんなことに挑戦するのが昔から好きだったから、最終的に常に挑戦が尽きない“ここ”にたどり着いたのかもしれない」と過去を振り返った町田さん。現在までずっと、役者である彼を支え続けたものはなんだったのでしょうか。
「最初は若干の反骨心を持ちながらやっていたんです。芝居もなかなかうまくできないから、“くそー”っていう気持ちばっかりが出てきて。でもそういう反骨心が、今につながっているんだなと思います。何者でもない自分の何かをオーディションで見出してくださり、役を任せてくれる…そういう方たちがいたから、今の自分があるのだと。それって、いわばギャンブルだと思うんです(笑)。実力がある人だけでなく、『なんか一緒にやってみたいな』『この人どこか素敵だな』と思った人と仕事をするとき、指名する側としては覚悟みたいなものが必要であることが、今はわかるから。そういう“覚悟”まで持っていただいたんだなと思うと、とても感慨深いです」
30歳になった町田さんの心が「楽しい!」「うれしい!」という気持ちで純粋に満たされる瞬間とは――。
「いろいろな瞬間で得られる“解放感”です。田舎で育ったので、自然がある開放的な場所にいると『楽しい!』とすごく気分が上がります。スポーツしたときに感じる解放感も気持ちいいです。お芝居したときにも達成感や解放感がありますし、一生懸命にやっているその瞬間も楽しさにあふれています。それってきっと、自分のなかのエネルギーを解放しているからですね。僕はそういう“解放感”に、生きる喜びを感じます」
最後に「今の自分の好きなところ」を聞いてみると、端正なルックスからは想像できない答えが返ってきました。
「眉毛ですかね(笑)。実は昔、眉毛がコンプレックスで…。あと、耳が人より大きいと思っていたので、耳を隠せるように髪を伸ばしたり…。でも今になって『それいいね』とか『うらやましい』と言われることがすごく多くなり、意外と自分が思っているコンプレックスって、“自分にしかないもの”なんだと思えるようになったんです。考えようによっては自分の魅力になったり、好きな部分に変えられる。誰かと比べることがだんだんなくなってきた今、自分にしかない部分も少しずつ好きになれたのかな」
デビューから10年を迎えた今年、2度目となる大河ドラマ「青天を衝け」で新選組の土方歳三を演じるなど、俳優として着実なキャリアを積み重ねる町田啓太さん。今後の活動にも期待が高まります!
町田啓太(まちだけいた)
1990年7月4日生まれ、群馬県出身。劇団EXILEのメンバー。主な出演作にドラマ「女子的生活」、「西郷どん」(2018年)、「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」、映画『きみの瞳が問いかけている』(2020年)など。現在、大河ドラマ「青天を衝け」に出演中。またテレビ東京とめちゃコミックのコンテスト「僕を主人公にした漫画を描いてください! それをさらにドラマ化もしちゃいます!!」の主演・審査員を務める。