自身の環境を大きく変え、新しい一歩を踏み出した剛力彩芽さん。現在、28歳の彼女は仕事もプライベートもアップデートし続け、ポジティブに、しなやかに、楽しみながら変化を遂げています。そんな剛力さんの生きる姿勢と思考回路を探ります。
数年後の未来の自分を想像して今、どう行動するかを考えている
剛力さんに今一番の楽しみをたずねると「仕事をしている時間」と即答。公開中の映画『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』では、キッチンカーを経営する独身・30歳の亜矢という女性を等身大で好演している。
「自立して、自分の生きたいように生きている亜矢という役は、今の気持ちにすごくしっくりきて、ナチュラルに演じられました。亜矢の父役は橋爪功さん、母役は高畑淳子さんが演じられていて、脚本を読んだときに、『このお二人の娘になりたい!』と強く感じたんですね。
お芝居の中で印象に残っているのは、橋爪さんの怒るお芝居でした。怒るというと感情をあらわにして、大きな声を出しがちですが、橋爪さんはとても静かにキレる。お芝居とわかっていてもめちゃくちゃ怖かった(笑)。でも、カットがかかれば、いつものおちゃめで柔らかな雰囲気の橋爪さんに戻るんです。大先輩たちのお芝居を学べる貴重な機会をいただけ、改めてお芝居は人生経験が反映されていくものだと感じました。
作品自体も人生の終わり方を考える“終活”がテーマ。私にとって終活は、まだまだ現実味のない先のことというイメージでしたが、終わり方を考えることは、つまりそこに向かって残された時間をどう生きるのかを考えることでもあるので、すごくポジティブな印象を受けたんです。
私も今年29歳になって、30歳はすぐそこ。楽しい30代を迎えるために、20代の終わり方を考えるようになりました。『今、この行動をしていたら30歳が楽しいよね』って想像をふくらませています。コロナ禍もあって、この一年近くは自分ととにかく向き合うことが多かった。そのなかで、いろんなことに迷う必要はないんだという答えにたどり着きました。周りの声が気にならないと言うと嘘になるけど、何よりも自分の心が楽しいと感じることを指針にすればいい。
今、迷いも怖さもありません。むしろ全部の感情を味わいながら、楽しみながらやっていきたい。幸い、このお仕事をしていると出会う人、出合う作品が毎日変わっていきます。天職だと信じているし、私は成長し続けたいなって思うんです」
彼女が出会いをより大事にする意識は、ある言葉と巡り合ったから。
「60代の大御所のスタイリストさんとお仕事をさせていただいたときに、『縁があって出会う人は、そのときの自分が必要としていることを教えてくれる人なんだよ』『今の私は、剛ちゃんみたいな考えを持っている人に出会うべくして出会ったんだと思う』と言ってもらえたことがありました。いくつになっても、どんな人からも学ぶことってたくさんある。自分が求めれば自然と出会いは広がっていくんですよね。不思議だけど、出会うべくして出会う――。その縁やタイミングを楽しみにしています」
人生は一度だけ。だから皆さんも、剛力さんの言葉を参考に心が喜ぶことに素直に向かい合ってみませんか。
剛力彩芽(ごうりきあやめ)
1992年8月27日生まれ、神奈川県出身。2002年、芸能界デビュー。’08年から’13年まで、雑誌『Seventeen』の専属モデルを務める。ドラマ「大切なことはすべて君が教えてくれた」(フジテレビ系)で本格的に女優デビューを果たし、以来、ドラマや映画、舞台、CMなど幅広く活躍中。
『お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方』
仕事や子育てが一段落した熟年夫婦が“お終活”に直面するヒューマンコメディ。結婚50周年を迎える大原真一(橋爪功)と千賀子(高畑淳子)の熟年夫婦は、夫婦ゲンカが絶えず離婚寸前。娘の亜矢(剛力彩芽)が、葬儀社で働く青年(水野勝)と出会ったことから終活の存在を知り、亜矢は千賀子に終活フェアへの参加を勧める。ところが前向きに今後を考える千賀子とは反対に、真一は「縁起でもない!」と、家族の大騒動が勃発してしまう…。
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※新宿ピカデリー、イオンシネマほか全国公開中