飾らず気取らずよく笑う。石原さとみさんは日常に転がっている幸せを拾い上げるのがとても上手な人だ。周りを明るく照らすその笑顔は、悩み迷った過去を経て、経験と時間を重ねて手に入れたもの。「10代や20代よりも30代の今の自分が好き」と語る、彼女の“幸福論”。
日々の小さな幸せに目を向ける
「“小さな発見や幸せはすぐそばに転がっている”――それは世界とともに大きく変化した生活が教えてくれたこと。最近、そんな私の日課として新たに加わったのが、散歩です。
自分の足で街を歩くとたくさんの気付きに出合います。そのなかの1つが、“境界線”。家と家との間にある小さな矢印、スマホの地図で見る区と区の境目、肉眼では見えない境界線も街にはいろいろ存在していて。それを探すのが今のマイブームなんです(笑)。
今まで気付かなかったものに目を向けると、新しい楽しみが生まれます。やれないこと、できないことに目を向けるのではなく、日々の小さな幸せを拾い上げて心を豊かに満たしてあげたい」
ゆるむ時間
「作品に入ると私の毎日は忙しくなります。そんな日々のなかで大切にしているのが、お風呂がわくまでの時間。食事をして、洗い物をして、お風呂のお湯張りのボタンを押す・・・。完了のお知らせ音が鳴るまでの間、その隙間時間は私の心がゆるむ時間でもあるんです。
『何かをするには足りないけれど、何もしないのはもったいない』
だからこそ、あえてゆっくりとお茶を飲んでみたりして。走り続けることも大事だけれど、そのなかに自分の心と体をゆるませてあげる時間もつくる。そんな習慣を大事にしています」
目の前にいる人の心の蝋燭に火を灯す
私が心掛けていることのひとつが、“してもらってうれしいことをする”。例えば、いただいたプレゼントはその場で開けるようにしています。つい先日、舞台で共演中の吉田鋼太郎さんから結婚のお祝いをいただいたのですが、これがまた最高に素敵なプレゼントで! 開けた瞬間、思わず大きな声で叫んでしまいました(笑)。
まっすぐな『ありがとう』や『うれしい』は人を幸せにする、それは周りの人が私に教えてくれたこと。日々出合う喜びは私に、“蝋燭(ろうそく)の火の灯し方”も教えてくれるんです」
“本当の幸せ”を考える
「女優の仕事はとても楽しい! 自分自身を追い込みながら役と向き合う、プレッシャーに押し潰されそうになることもあるけれど、その分、達成感や喜びも大きい。
でも、大人になった今は考えるんです。
『本当の幸せって何だろう?』
『生きるってどういうことだろう?』
仕事と向き合う時間は刺激的だしものすごく幸せ。でも、それはあくまでも短期的であり期間限定のもので、長期的に付き合っていく幸せは生活のなかにあるんですよね。今まではなおざりにしがちだったその幸せを、これからは大切に増やしていきたい。女優としてだけでなく一人の女性としての自分も大切にできる、そんな生活を築いていきたいです」
舞台『終わりよければすべてよし』ついに開幕!
石原さとみさんがヘレン役を務め、藤原竜也さん、吉田鋼太郎さんらとともにお届けする舞台、彩の国シェイクスピア・シリーズ第37弾『終わりよければすべてよし』。彩の国さいたま芸術劇場で初日を迎え、6月は下記日程で全国ツアーを予定しています。
ヘレンを中心にシェイクスピア喜劇で欠かせない魅力的なキャラクターたち、ヘレンの一途な恋の行方をぜひチェックしてくださいね。
<宮城公演>
期間:2021年6月4日(金)~6日(日)
会場:名取市文化会館
<大阪公演>
期間:2021年6月10日(木)~13日(日)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
<豊橋公演>
期間:2021年6月18日(金)~20日(日)
会場:穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
<鳥栖公演>
期間:2021年6月26日(土)~28日(月)
会場:鳥栖市民文化会館 大ホール
石原さとみ(いしはらさとみ)
1986年12月24日生まれ、東京都出身。第27回ホリプロタレントスカウトキャラバングランプリ受賞を経て女優デビュー。その後、数々の話題作に出演。現在は主演ドラマ「恋はDeepに」が放映中。舞台『終わりよければすべてよし』の公演もスタート。