デビュー10周年を迎えるきゃりーぱみゅぱみゅさんは、とても軽やかに、伸びやかに自分の可能性を切り拓く。「人生で今が一番楽しい!」と常に“楽しい”を更新し続ける秘密は、ポジティブな取捨選択にありました。
唯一無二の存在であるためにいつだって進化していたい
超多忙な日々から始まったキャリア。トップスターになる過程で、内面に生まれた変化とは?
「どんどん人気者になって、大きい場所でライヴをやればやるほど、なぜか心の喪失感みたいなものがあって…。当時は『忙しいとこうなるのかな?』と思っていたのですが、最近、その理由がわかったんです。きゃりーぱみゅぱみゅと本名の“二つの自分”がいたときに、あまりにみんなから『きゃりーちゃん』と呼ばれすぎて、本名である自分の木が枯れていっちゃったんですね。芸名ばかりがひとり歩きして、本名の私をよく知る同級生にも会えなくて、『ありのままの自分って、誰が好きなんだろうか?』と。ちょうどワールドツアーと国内ツアーを一緒に行っていた2013、14年ごろのことです。『きゃりーちゃんすごい!』『きゃりーちゃん可愛い』と、“きゃりーちゃん”という人格が持ち上げられ、『私はいったい何なんだろう?』という気持ちに。当時はとても忙しくて急激に環境が変わったので、すごくうれしかったぶん、『これは、どういう感情なんだろう?』と」
デビュー10周年となる今年、新レーベルKRK LAB(ケーアールケー ラボ)を立ち上げた。
「この10年間はしっかりと音楽活動と向き合った時間でした。『11年目に何をする?』と考えたときに、もちろん音楽活動はしながらもやってみたいことがたくさん浮かんできて。“KRK LAB”というのは“KPP Reversible K”の頭文字で、“きゃりーぱみゅぱみゅ”と“ありのままの自分”が新しい何かを生み出す場所という意味合いでつけました。10年のキャリアを経て『まだやっていないことがたくさんあるな』と思って。本当にやりたいことをやって、実験的なことにもチャレンジしていくためのレーベルにしていきたいです。昨年始めたフレグランスブランド『ノスタルジア シンドローム』も、今だから生まれたプロジェクト。もともと香りが大好きで、とりわけ金木犀の香りが好きだったから、自分が本当に良いと思うフレグランスを作ろうと思いました。第2弾となる『リリー&ジャスミン』の香りも4月に誕生しました」
10年目の今、自分らしい道を歩み始めたきゃりーさん。現在28歳の彼女にとって“これだけは手放せないもの”を最後に聞いてみた。
「唯一無二の存在であること。『これだ!』っていう唯一無二の素晴らしい存在でいなければならないということを意識して、大切にしています。なので、私自身も進化しなければならない。人とかぶるのも嫌で、一点ものの古着が好き。一緒だね!というのも、もともと好きではない。だから私の存在も唯一無二な“一点もの”であり続けたいです」
価値観の多様化が進む今、特に風の時代を生きやすくするためには、自分軸での取捨選択がより大切に。“自分らしさ”にこだわり、唯一無二な存在となったきゃりーさんの言葉をぜひ参考にして。
きゃりーぱみゅぱみゅ
1993年1月29日生まれ。2011年YouTubeで公開した「PONPONPON」のMVが世界的な注目を集め、以降「つけまつける」「ファッションモンスター」など多数のヒット作を発表。昨年、自身がプロデュースするフレグランスブランド「Nostalgia Symdrome」をローンチ。デビュー10周年を機に、今年の1月29日に新レーベル“KRK LAB”を発足。