1月、趣味のゲームをきっかけに親交を深めたというお相手との結婚を発表し、新しいターニングポイントを迎えた夏菜さん。女優として、女性として、これまでの人生で経験した忘れられない出来事を語ってもらいました。
猪突猛進するしかなかった苦しい時期を超えて
夏菜さんの女優として最初のターニングポイントは2011年公開のバトル映画『GANTZ』への出演。そのオーディションの頃に、胸まであった髪をばっさりショートカットにした。
「それまでは鳴かず飛ばず売れず、どこにも出て行けずという状態で。その状況を断ち切りたいと思っていました。髪を短くするのは、そりゃ女の子ですからちょっと抵抗があったんですけどね(笑)」
二宮和也さん、松山ケンイチさんとともにハードなアクションをこなす役柄で、「あの子は一体誰!?」と一気にブレイク。ショートカットはすぐに夏菜さんを象徴するトレードマークになった。さらに映画公開の翌年には、朝の連続テレビ小説「純と愛」のヒロインに抜擢されるという快挙。
「『GANTZ』では初登場シーンで全裸ですし、私に朝のイメージはないなと思っていたので、驚きました(笑)。でもそのころは、朝ドラの視聴率がすごく伸びていて、決まった時点からものすごいプレッシャーがあったんです。いざ放送が始まると、『暑苦しい』とか、私が演じた純というキャラクターに批判が集まってしまった。今だったらもっと違う演じ方もできたと思うのですが、当時は演技のパターンもなくて猪突猛進にやるしかなくって。苦しかったですね」
撮影が終わってしばらくは、あらゆる仕事を断り、燃え尽きたように。
「今、作品に出ても受け入れてもらえないんじゃないか、これ以上やったら壊れてしまう…そう感じてしばらくお休みすることにしたんです」
逆境はいつでも次の段階へのターニングポイント
そのときに訪れたサンフランシスコのワイナリーでワインに開眼。その後勉強を重ねて'17年にはワインエキスパートの資格を取得した。バラエティでもお酒好きを公言し、ざっくばらんな口調で人気者になっていく。
「今思えば、逆境はいつでもターニングポイント。悔しい気持ちが爆発して、次のステップに運んでくれる」
そう語る夏菜さんの素顔に、今では多くの人が虜に。そんな夏菜さんからの、ターニングポイントを前にした女性たちへメッセージは・・・
「20代から30代、年齢を重ねていくなかで、一つ誇れる何かを持っておくといいと思います。私の場合は、ワインエキスパートの資格を取ろうと思ったことがその一つ。ほかの人から『え~』って言われるようなことでも、何でもいいから一つ好きなものを見つける。そうしたら世界は広がるし出会いもありますよ。好きなことを大切にしていけばいい変化がきっと訪れます」
夏菜(なつな)
1989年5月23日生まれ、埼玉県出身。2006年ドラマ「ガチバカ!」で女優デビュー。映画『GANTZ』で脚光を浴び、NHK連続テレビ小説「純と愛」でヒロインを演じた。ドラマ「人生が楽しくなる幸せの法則」など出演作多数。
近日公開予定!
『夏への扉―キミのいる未来へ―』
人生のすべてを奪われた科学者が大切な人を救うため時を超えるタイムトラベルストーリー。アメリカの伝説的SF作家ロバート・A・ハインライン原作作品を、舞台を変え映画化。
監督/三木孝浩
出演/山﨑賢人、清原果耶、夏菜 ほか
配給/東宝、アニプレックス
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