小説から漫画までジャンルを問わず、本好きとして知られる女優の多部未華子さん。読者からの本選びの相談や質問に応えて、オススメ本をご紹介します。
vol.35 じっくりとミステリーを読みたい
《読者からのリクエスト》
おうち時間が増えて、先の読めないミステリーやサスペンス系の小説やテレビドラマにすっかりハマっています。読書好きの多部さんが最近読んだ、面白い小説を教えてほしいです!
《多部さんのオススメは・・・》
残りのページ数が減るとともに、
犯人に近づくようなドキドキ感が好き
「私こういう作品好きだったんだ!!」。相沢沙呼さんの著書『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』を読んでそう思いました。
ひょんなことから出逢った推理作家の香月史郎と、霊媒の城塚翡翠が数々の殺人事件を解決。その間に世の中を騒がせる猟奇的殺人事件が起こっており、城塚翡翠もその犯人に狙われる・・・!というお話。
サスペンスであり推理物でもあり、“このミステリーがすごい!2020”の1位などに選ばれた話題の作品でもあります。感想をたくんさ言いたいけれど、少しの言葉がネタバレにつながってしまったり、なにかヒントを与えてしまったりするんじゃないかと思うので、この作品の良さを伝えるのはとっても難しい!
ただひとつ言えるとしたら、1ページ1ページ読み進める毎に、「そうだ! 私こういうハラハラドキドキする展開の作品好きだったんだ! どうして最近手をつけてなかったのだろう!」と久しぶりの感情になったということです。要するに、すごくワクワクしながら読んだのです。
小説を読むのは、電子派ではなく紙派です。なぜなら、本を読み進めて残りのページ数が減っていくたびに、犯人に近づいているドキドキ感がすごく好きだから(ごくたまーーに我慢出来ず、最後のページを先に読んでしまうズルをすることもある・・・)。
今回の物語はいろんな要素が詰まっているので、尚更先へ進むのが楽しく結末がすごく気になって、時間をかけてではなく一気に読んでしまった作品でした。
実は私、昔から“THE 女の子”が好きなんです。というのも、子供のころから男性アイドルよりも女性アイドルにハマってしまうことの方が圧倒的に多く、「カッコいい!」と思うことより「かわいい~♡」って思うことの方が好きみたい。なので今もどちらかというとカッコいい男性よりもかわいい女性に目がないんです。
はい、皆さん、突然なにを言い出すんだと思われましたよね。実はこの作品に出てくる霊媒の城塚翡翠が、読みながら頭で想像すると、私の中でとても魅力的でかわいらしいキャラクターだったんです。
ダークで冷徹な霊媒かと思いきや、愛らしく恥じらう、あどけなくて少女らしい一面もある。そんな描かれ方が女性アイドル好きの私にはドンピシャでした。まぁ・・・“このミス”に選ばれた作品なんですけどね・・・(意味深)。
今回のオススメ本はこちら!