人生の分岐点で迷ったときや、立ち止まるたびに勇気をくれる、いつだって初心にかえることができる“魔法のような言葉”があるだけで、人生は豊かになるもの。12月4日(金)公開の映画『サイレント・トーキョー』で共演している俳優の佐藤浩市さん、石田ゆり子さん、西島秀俊さん。つらいとき、悩んだとき、落ち込んだとき・・・思い出す大切な言葉を聞いてみました。
「生かされてあればこそ」 ——俳優 三國連太郎
「実はこの言葉をもらったとき、当時の自分はまだ若くて、あまりピンと来ていなかった。でも三國は、若造にわかりやすいような言葉をわざわざ選ぶような男ではない。本人が噛み砕くことができないならそれまでのこと。「いつかわかる日が来ればそれでいい」と、この言葉を贈ってくれたのでしょう。それは狙いどおりで、あのころよりは今、そしておそらくこの先もっと、この言葉の深みをより実感するだろうという予感があります。言葉そのものがワインのように熟成し、経験を積んで年齢を重ねた今の自分に、再びゆっくりと染み渡っていく、そんな感覚です。言われた瞬間よりも今のほうが胸に響く。そんなこともあるのだと、感じ入ってしまう言葉です」(佐藤さん)
「志を高く」 ——幻冬舎 専務取締役 舘野晴彦
「私はずっと、この言葉に支えられ、救われて生きてきました。複雑な人間関係で疲れてしまったとき、今の環境に感謝できず愚痴が増えてしまったとき。人は生きていれば、何かしら心を曇らせる出来事があります。そんなときこそ、この言葉を唱えるんです。すると視界が晴れてクリアになり、原点に立ち返ることができる。自分の精神をより高い所へと導き、引き上げてくれる。私にとって宝物のような存在なのです。この言葉をいただいたのは、ちょうどGINGER読者の皆さんと同じ、30代前半のころだったでしょうか。初めての経験がいろいろあって、つらく苦しい思いもたくさんしたけれど、それでも充実した日々にできたのは、この言葉があったからこそ。30代にこの言葉をいただくことができて本当によかったと、心から感謝しています」(石田さん)
「本業をゆっくりと」 ——俳優 藤田まこと
「僕が俳優として実質的に役柄をいただいたデビュー作品、それがテレビドラマ「はぐれ刑事純情派」でした。その撮影が終わったとき、主演である藤田まことさんがこの言葉を色紙に書いて渡してくださったんです。僕が撮影前に「不器用な人間なのでどうしても時間がかかります。ゆっくり見てください」と伝えたことを覚えていてくださったんですよね。それと同時に、僕のそんな性質を素早く見抜いていたのだろうな、とも思います。現場では、とにかくいろんな話をしてくださって。なかには下積み時代の話も多く、こんな名役者でも苦労の積み重ねのうえで今があることを、ご自身のエピソードを交えて、僕に響くように伝えてくださった。どれだけ時間がかかってもいい。ゆっくりと、確実に進んでいくことがどれだけ大切か。そう語ってくださったあの時間を、今でも宝物のように思い出します」(西島さん)
佐藤浩市(さとうこういち)
1960年12月10日生まれ、東京都出身。’80年デビュー。日本アカデミー賞最優秀主演男優賞ほか受賞。2020年公開作に『Fukushima 50』『一度も撃ってません』『銃 2020』。待機作に『太陽は動かない』『騙し絵の牙』がある。
石田ゆり子(いしだゆりこ)
1969年10月3日生まれ、東京都出身。’88年「海の群星」(NHK)でデビュー。同年『悲しい色やねん』で映画初出演。以降、ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍。2020年公開作に『望み』、待機作に『いのちの停車場』がある。
西島秀俊(にしじまひでとし)
1971年3月29日生まれ、東京都出身。’94年『居酒屋ゆうれい』で映画初出演。その後も、数多くの作品に携わる。公開待機作に『奥様は、取り扱い注意』『シン・ウルトラマン』『きのう何食べた?』がある。
映画『サイレント・トーキョー』は12月4日(金)公開!
クリスマスイブの東京で、突如発生した連続爆破テロを描いた映画『サイレント・トーキョー』。テロの容疑者・朝比奈仁役を佐藤浩市さん、事件に巻き込まれた主婦・山口アイコ役を石田ゆり子さん、事件を追う刑事・世田志乃夫役を西島秀俊さんが演じている話題作。迫力満点の首都爆破シーンも必見です。
『サイレント・トーキョー』
出演/佐藤浩市、石田ゆり子、西島秀俊ほか
監督/波多野貴文
脚本/山浦雅大
原作/秦建日子『サイレント・トーキョー And so this is Xmas』(河出文庫)
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