小説から漫画までジャンルを問わず、本好きとして知られる女優の多部未華子さん。読者からの本選びの相談や質問に応えて、オススメ本をご紹介します。
vol.34 男性の頭のなかを少しでも知ることができたら・・・
《読者からのリクエスト》
最近、彼氏ができました。久しぶりのちゃんとした恋愛なので、彼のことを考えると、余計なところまで考え過ぎてしまい、意味もなく疲れてしまいます・・・。なので、男ゴコロってやつを少しでも理解できる、気持ちが軽くなるような本を教えてほしいです。
《多部さんのオススメは・・・》
小さな出来事も、好きな人といるだけで
永遠に脳にインプットされる
私、こういう青春もの大好き!!!と思いながら読み始めた『明け方の若者たち』。飲み会で出会った女の子が気になり、どんどん彼女の魅力に翻弄されていく僕。そんな“僕”の、大学生から社会人の5年間を描いたお話です。
ちょっとミステリアスで、自分より先を歩いているような異性に惹かれる気持ちはすごく分かるなぁと、男性の頭のなかを知りたいと思って読み始めたはずなのに、気づけばどこもかしこも共感しながら読んでいました。
男性でも女性でも、本当に心の底から人を好きになって、その人のことをどうにも手放したくない!と思えば、周りからみたら少し滑稽に映る行動をとってしまったり、それまでの自分の人生にはなかったような感情が生まれたりするものだと思います・・・多分(笑)。
人間、皆ひとそれぞれ!と思っているので、どういう思考や行動が男性っぽいとか女性っぽいなどと括るのはあまりよく分からないけれど、まぁ・・・しいて言うなら・・・男性の方が物事を決断するまでに時間がかかるように思います・・・。
覚悟を決めるまでに時間がかかるといいますか。もちろんそれは良いようにも悪いようにもとれることだと思うので、それがマイナスだとは言い切れませんが、石橋を叩いて渡るどころか、石橋を飛び越えて進んでしまう私の性分からすると、もうじれったいなぁ! あれこれ悩まず決断すればいいのに!と男性に対して思うことが多々あります。
というわけで、女性の方が腹を括ったら何事も行動を起こすスピードが早いように思いますが、皆さんどう思いますか?
さて、本の内容に戻りまして、下北沢のヴィレヴァンデートや、一人暮らしの彼氏のためのIKEAデートなど、わー分かる分かる、こういう若者らしいデート、甘酸っぱいよねぇ、と。
すべてがキラキラして、すぐに忘れてしまいそうなひとつひとつの小さな出来事も、好きな人といるだけで永遠に脳にインプットされる感覚に、はいはい分かる、と。もう読みながら共感しかないのがすごく面白かったです(ちなみに、ヴィレヴァンデートも彼氏一人暮らしとのIKEAデートも経験ない)。
そして、あー私にもこんなキラキラしていた時あったなぁ・・・って、しっかりおばちゃん目線の感想を持ちながら読む自分に笑えました。
今回のオススメ本はこちら!