’80年代にデビューし、独特の魅力と実力を持つ歌手として人気を集めた森高千里さん。デビューから約33年経った今も変わらぬ美しさを持ち続け、「奇跡の50代」と称される存在です。
女性としてずっと変わらずに魅力的でいられる秘訣とは? 自身の歴史をさかのぼり、アラサーだったころについて語っていただきました!
結婚、出産。楽しかった子育てが私を強くした
26歳の顎関節症がきっかけで、自分の時間を持つようになったという森高さん。
「2~3年悩むことも多かったですが、神様から“休みなさい”と言われているのかもなぁと思うようになり、自分の時間というか人生について考えることができた気がしますね。好きなことに夢中になることも大事だけど、立ち止まることは決してマイナスではなく、プラスにもなるんだなと思うんです」
今は女性の人生も多様化して、結婚も出産もいろいろだけれど、それでも30歳前後で悩む人は多いよう。生き方の選択肢が増えるほどに、悩みも抱えていくというのが現実といえます。
「悩むことは悪いことではないと思うんですね。真剣に考えているから悩むのだし。でも、ひとりで考えてしまうと答えは出ないこともあると思うんです。全然関係ないことに没頭したり、思い切ってちょっと休みを取ったり、現実から離れてみると逆に答えが見えてくるのかも・・・と思ったりします」
森高さんは2年間のコンサート休業のあと、仕事のペースも少し緩やかにシフト。そして1999年6月、30歳のときに俳優の江口洋介さんと結婚をすることに。さらに翌年に長女、2002年に長男を出産。結婚、出産をしてからは仕事よりも家庭を優先に、というのが森高さんの選択でした。
「CMや雑誌で連載していた本のお仕事などは続けていましたが、しばらくの間、家庭を重視しました。子供を預けて仕事を続けるという選択ももちろんありますが、子育ては初めての経験ですし、そんなに器用なほうではないので、まずは子育てにウエイトをおいてできる範囲で仕事を続けていこうと思いました。幼いころから子供好きで、学生時代は子供たちに教えるピアノの先生になりたいと思っていたんですよね。だから子育てもできるだけ自分でやりたいなと思っていました」
子育てを楽しめたのは20代後半の悩みのおかげ!?
今まで第一線で仕事をしてきて、子育て中心の毎日に不安を感じることはなかったのでしょうか? GINGER編集部には、「好きな仕事を休まなくちゃいけないと思うと不安」「自分だけ社会からおいていかれそうな気がする」「子供は欲しいけど、その後キャリアを戻せるのか心配」といった読者からの悩みが多く届きます。
「20代後半に休みを取って悩んだ経験が、躊躇なく子育てに専念しようと思わせてくれたのかもしれません。自分もそうでしたが、悩むときって無意識に人と比べて、自分は大丈夫かなと測っているところがあると思うんです。でも、実際には悩みは人それぞれ。だから私のように子育て優先にすることだけが正解ではないと思います。いろんな形があっていいと思いますね」
答えをひとつに決めないこと、いろんな答えを自分に出してみることも必要なのかも。
「子育てにウエイトを置こうと思っても、最初はわからないことがいっぱいありました。外出しているところを騒がれたらどうしようなんてことも思いました。でも実際の子育てはそんなこと言ってられない。とにかく進むしかない。だったら楽しまないと、と。ママ友にもいろんなことを教えてもらい助けてもらいました。今振り返っても、子育ての時間は本当に楽しかったですね」
"家庭”という新たな居場所を持ったことで、「よりポジティブに生きられるようになった」と森高さんは振り返ります。
「子供たちがいるから常に忙しいというのもあるけれど、悩みを引きずらなくなりましたね。1日以上引きずらないようにしようって思うようになりました。といっても、たいていは寝てしまうと翌朝はもう忘れている(笑)。こんなふうに思えるようになったのも、20代後半に悩んだ経験のおかげだと思っています」
この森高さんの言葉、今どう生きるか悩む読者にきっと大きな励みになるに違いありません!