“大人のフリ”して放置(我慢したり、見て見ぬふりしたり)せず、煩わしい人間関係をぶった斬り、好きな人たちとだけ生きていく——。そんな“自分基準”を掲げて、人生を楽しく、生きやすくしていきませんか? 脚本家 岸本鮎佳さんの連載「私、幸せになるんで。はい、サヨウナラ」。あなたの人間関係やモノ付き合いの整理整頓&取捨選択に際し、ぜひご参考に!(編集部)
vol.08 「元彼、ダメ!絶対!」
一度は、元彼から連絡が来たことがあると思う。
「久しぶり! 元気してる?」
時間が経っていれば、別れた時の傷が癒えていれば、悪い気はしないだろう。
ただ私は過去を蒸し返すのは好きじゃない。
よく、「元彼と親友になれる」という謎の価値観を持ってる女性がいるが、私は到底理解できない。
彼女たちに理由を聞くと、皆口を揃えて、
「え、だって、私のこと全部理解してくれてるから、隠さなくていいから、楽だし!」
と言う。
いやいや・・・・・・
元彼が、自分のことをわかってくれると思っていたら、それは大間違いだ。
別れてから、少し時間が経てば、記憶が曖昧になり、劣化する。
その結果、何で別れたのか、忘れてしまい、こう思う。
「私たち、お互い成長したし、今ならまた付き合ってもうまく行くかも」
はい!!
ブッブー!!!
ちがいまーーーす!!!
そうやって、ヨリを戻した友人は、少なくない。
でも、上手くいったカップルは、私の知り合いにはいない。
以前、10年付き合って、マンネリ化して別れて、もう一回付き合って、結婚してラブラブだった夫婦がいたが、旦那が浮気女に入れ込んで、離婚した。(はい最低)
奥さんからしたら、堪ったもんじゃない。
お互い理解しあってるし、お互い成長したから、やっぱり運命だと思って、ヨリを戻したのに、何で・・・?と思っただろう。
答えは簡単。
人は成長なんて、(なかなか)しない。から!!
私もかつて、元彼にヨリを戻そうと言われ、一瞬迷ったことがある。
元彼とご飯を食べていたときのこと、飲食店を経営していた彼は店員とどーでもいい長話を始めた。
内容は、君の接客が素晴らしい!とか、この店のコンセプトは?とか、このメニュー意識高いね!などと言った同業者の若干上から目線のコメントだ。
どーでもいい!!!
その瞬間、私の心は急速冷凍状態になった。
私はこの人に何を期待していたんだろ??
この人のこういうところが、嫌だったんだ。
うん。そう、人は変わんないよ?
そんな簡単に改心しないのだよ?
そのときはどんなに辛くて、変わってやる!って思っても、美味しいもん食べて、友達と笑ってれば、「ま、いっか!」になって、忘れてしまう。
だから、我々は恋愛において、また同じことを繰り返す。
でも、どこかで断ち切らなければいけない。
ひとまず、元彼との可能性考えんの、やめよ??
過去は懐かしむだけでいい。
固まりかけたカサブタを無理やり剥がすと、もっと治りづらい傷が残ってしまうかもしれないから。
ミシュランの審査員気取りの元彼くん、はい。サヨウナラ。
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