私たちがファッションに目覚めた10代のころ、ファッション誌の表紙を華々しく飾っていたカバーウーマンたち。年齢を重ねてもなお、美しく輝き続けている彼女たちは、どんな道を選び、そして歩んできたのか。その姿から、自分らしく生きるヒントを学びたい!
女性誌『ViVi』のカバーウーマンとして、強烈な印象を残した佐田真由美さん。モデルとして、妻、母として、さらにブランドディレクターとしても輝く女性の、2020年の心の内を探ります。
40年間、モデルの仕事をずっと愛し続けています
「昭和55年からモデルやってます」
佐田真由美さんのインスタグラムのプロフィールには、そんな一文がさらりと書かれています。
「芸歴○年、なんて書くのもなんだか・・・ね。モデルデビューは、母親に連れられて3歳のとき。今年で40年目に突入することになりました」
現在43歳にして40年のキャリア! なかでも特筆すべきは1998年から専属モデルを務め、カバーウーマンとして一世を風靡した『ViVi』誌面での数々のアートワーク。
〈左〉©講談社 ViVi2002年8月号、〈右〉©講談社 ViVi2003年6月号
「あの時代に培ったもの。それは仲間、感性、そして根性(笑)。朝から晩までフル回転で、着替えて撮って着替えて撮って、1日100カット撮る日もあったかな。まるで“写真の工場”だったけど、泣いて笑って学んで励まし合う“女子校”でもあった。毎日眠くて、でも楽しくて。あの時間があったから今の私がある。それだけは間違いないですね」
モデル、妻、2児の母。さらに、ジュエリーブランドのディレクターという顔も
「ジュエリーは人の心に寄り添い、働きかける物語のような存在だと思うんです。クリエイションから職人さんとのやりとりまで本当に大変だけど、物の背景やストーリーを考えるのが大好きだから、本気でのめり込んでいきました」
ブランドデビューから14年目を迎える今年、思い切った決断を下した話も。
「コロナ禍のタイミングで実店舗を閉じることにしました。去年から、2020年は場所に縛られることなく、風のように移動したいと感じていて。ある朝ふと『あ、閉めよう』と。何事も直感で決める、そういうタイプです」
常に次の風を感じ、ふわりとその風に乗って未来の扉を開く女性。そんな軽やかな彼女がこの先に見据えているものとは?
「春からのパンデミックを経て、私のなかで大きく変わったことって実はそんなにないんです。今までもずっと、すべては当たり前ではないと思って過ごしてきました。今こうやって仕事ができていること。愛する娘たちが健康でいてくれること。私たちらしい夫婦愛を夫と育めていること。すべてがかけがえのないことで、奇跡の連続なのだと思って生きてきたから」
そしてずっと変わることのない、モデル愛について!
「何より変わらないのは、心と体を使って大好きなファッションを表現する、この仕事を心から愛しているということです。芸歴40年を迎えて、“現役モデルの最長記録を作る”なんていう目標も掲げてみました(笑)。オファーがある限り、何歳でも、どんな現場にも出かけていきたい。私のベースはやっぱりモデル。今、改めて実感しているところなんです」
佐田真由美(さだまゆみ)
1977年8月23日生まれ、東京都出身。モデルの活動に加え、歌手、女優、ジュエリーブランド「エナソルーナ」のトータルディレクターなど、多方面で才能を発揮する。