歌姫・浜崎あゆみが誕生するまで、そしてそこに秘められた出会いと別れを描いたテレビ朝日系ドラマ『M 愛すべき人がいて』。“平成の歌姫”アユ役で注目される歌手の安斉かれんさんは、デビュー1年足らずでこの大役を担い、瞬く間に話題の人に。
このインタビューでは放送が待たれる『M 愛すべき人がいて』第4話の場面カットとともに、5月1日にデビュー1周年を迎えたばかりの彼女の素顔に迫ります!
どんな経験も自分の成長に活かしたい
― アーティストを志すようになったきっかけを教えてください。
もともと楽器がきっかけで音楽の世界に入りました。父に初めて連れていってもらったローリング・ストーンズのライブで目にしたバックバンドのサックスプレイヤーの演奏がすごく印象的でした。それからサックスやエレクトーンなどの楽器に触れるように。今も自宅でピアノを弾いたりしています。
その後歌うことにも興味を持ち、高校一年生の頃からエイベックスのアカデミーに通い始めました。当時は毎日のようにレッスンがあり、学校帰りに友達と遊びに行けないことが辛いと感じたこともありましたが、音楽が好きで通っていたのでレッスンも楽しかったです。
どんなジャンルの音楽も好きですが、普段は洋楽のR&Bを聴くことが多いですね。
― デビューから1年足らずのうちに4作のシングルをリリース。さらにドラマ初出演・初主演と目まぐるしい活躍ぶりですが、今日までを振り返って周囲の反応や心境の変化はありましたか?
ずっと“今を頑張ろう”というスタンスでここまで来て、その気持ちに変わりはありません。表に出ていくことで自分の存在や音楽を知っていただく機会が増えたことはすごく嬉しいです。家族や友人もデビュー前と変わらず活動を応援してくれていて、ドラマ出演が決まったときもたくさんのメッセージを送ってくれました。
― 作詞もされていますね。プロセスを教えてください。
歌を始めた頃から詞を書いています。普段から歌詞に活かせそう!と思った風景や気持ちをiphoneのメモに書き留めておくことを習慣にしていて、そこから頂いた音源に合うテーマを引っ張り出して、ひとつのストーリーにつなげていく感じです。アイデアはかなり溜まっています。
― この数年で詞の内容も変わりましたか?
変わりましたね。デビュー曲は17歳の頃に書いた詞なので、私にとっては日記を読み返すような感覚です。「今だったらああいう歌詞は書けないんだろうな」と思います。
4作目となる「FAKE NEWS REVOLUTION」は、“SNS”に疲れてしまった世の中がテーマです。便利なものだし、私自身もよく利用しますが、少し前だったらなかったもの。良い面も悪い面も持ち合わせる“SNS”に対しての想いを書きました。
― ミュージックビデオはカラフルで幻想的なサイバーパンクの世界観が印象的でした。撮影はいかがでしたか?
「FAKE NEWS REVOLUTION」のミュージックビデオは、デビュー前に店員として働いていた渋谷のギャル向け古着セレクトショップ「RELECT by RUNWAY channel Lab.」のエッセンスが凝縮されています。期間限定のお店だったこともあり、思い入れのある場所がミュージックビデオという形で残るのは嬉しいです。
ブレない芯が強い女性に
― 安斉さんは「ポストミレニアルギャル」(通称:ポスギャル)と呼ばれていますが、安斉さんにとってポスギャルとは?
ポストミレニアルギャルはSNSにポスト(投稿)することが由来の造語。ギャルにもいろいろな定義があると思いますが、大切なのは外見だけではなく“ギャルマインド”だと思うんです。自分の意志を貫くブレない精神は年齢を重ねても大事にしていきたいです。
― ファッションやメイクで意識していることは?
私が小学生の頃にギャル全盛期で、濃いメイクや金髪に憧れてつけまつ毛をつけたり、お母さんの化粧品を勝手に使ってメイクして遊んでいました。今思うとませてましたね(笑)。
ファッションや美容には昔から関心がありましたが、ファッションについては系統が定まっていなくてその日の気分で選んでいます。メイクはシェーディングとハイライトが欠かせません! でもスキンケアはメイクを落として寝るなど本当に基本的なことしかしていませんし、スタイルキープのために何かしているということもないです。
― テレビ朝日×AbemaTV共同制作ドラマ『M 愛すべき人がいて』への出演が決まったときの感想は?
「私でいいの!?」と思ったけれど、不安よりも頑張ろうという気持ちのほうが大きかったですね。歌は自分を発信することだけど、お芝居はそのキャラクターにならなければいけない。ドラマ出演が決まってから本格的に演技のレッスンに通うようになり、歌うことと演じることの差に初めは戸惑いました。
― ドラマの現場はいかがですか?
初めて現場入りした日はどんな雰囲気なのかまったく想像がつかず、とても緊張しましたが、共演者の皆さんが優しく声をかけてくださって本当に心強かったです。でも一度カメラが回り始めると場の空気がガラリと一変します。その様子を目の当たりにして身が引き締まる思いでした。
役作りでは田舎から出てきた一人の少女がスターの座に駆け上がるまでの成長を、どう演じていこうかと監督さんと日々話し合っています。三浦(翔平)さんとの共演シーンが多いので、演技に関してアドバイスをいただくことも。ある時は、コーラを差し出してくださって、話しやすい雰囲気を作っていただいたのが印象に残っています。
― ドラマのなかで“アユ”にはさまざまな試練が待ち受けています。安斉さんご自身は壁にぶつかったとき、どのように対処されていますか?
基本的にポジティブなので、あまりモヤモヤ考えないようにしています。何か迷ったときも周りに相談せず一人で決断することが多いですね。少し気分が沈んだときは美味しいご飯を食べてパワーチャージ。牛タンとサーモンが大好物です!
― どのキャラクターも個性派ぞろいですよね。今後の展開が気になります。
周りは本当にクセ者ばかり(笑)。そのなかでアユ自身も周りの人たちも成長していきます。回を増すごとにドロドロとした展開になっていくので、さらに盛り上がると思います!
— 今後挑戦してみたいことはありますか?
お芝居で身につけたことを音楽活動に活かしていきたいですし、歌える音楽のジャンルの幅をもっと広げていきたいです。いつかは作曲もやってみたいですし、ライブもやれたらいいなと思っています。
— おうち時間はどう過ごされていますか?
Netflixで動画を見たり、Nintendo Switchの「あつまれ どうぶつの森」にハマっています。それからインスタグラムで見つけたレシピを参考にスイーツ作りにトライしたり、地元の友達とオンライン飲み会をしたり。あとは愛犬と遊ぶのが日々の楽しみです。
そんなことをしていると、1日があっという間に終わりますね。もともとインドア派なので、おうち時間も存分に楽しんでいます。 安心できない日々が続きますが、私の音楽や『M 愛すべき人がいて』の放送が少しでも皆さんのSTAY HOMEの楽しさにつながれば嬉しいです!
安斉かれん(あんざいかれん)
1999年生まれ。『ポス(ポストミレニアル)ギャル』と呼ばれる次世代型ギャルの一人。令和元日の5月1日「世界の全て敵に感じて孤独さえ愛していた」でavexよりデビュー。テレビ朝日×AbemaTV共同制作ドラマ『M 愛すべき人がいて』(毎週土曜23:15~)にW主演として出演中。第4話は近日放送予定。