女芸人 紺野ぶるまさんによる女観察エッセイ「奥歯に女が詰まってる」。GINGER世代のぶるまさんが、独自の視点で、世の女たちの生き様を観察します。
第16回 顔面偏差値が高い女
まずこの言葉を覚えておいてほしい。「顔が可愛い女子はファッションのセンスも抜群!とは限らない」と。
今や、ファッションは何周もして、トレンドはあってないに等しいくらいに自由な時代。
にも関わらず、
ボトムスはデニム一択!
冬はトレーナー(プルオーバーでもない)
夏はTシャツ(ジャストサイズ)
という吉田栄作スタイルを貫く女がいる。
しかも美女に限ってそうだったりする。
「あの子、顔は可愛いけど服がな〜」
なんて会話を何度も聞いたことがある。
「服とか選ぶの苦手で〜」と困り顔をしているその美女たちに、ある日違和感を覚えた。
髪型はダサくないのだ。
基本は黒、そして綺麗なストレートヘア。
だが、どこか今っぽい要素をちゃんと取り入れていて、『その感覚は持ち合わせてるんかい!』と突っ込みたくなるくらい。
恐らく、意図的に栄作をやっているのだ。
栄作ガールズは自分のことをよくわかっている。
着飾る必要なんてない、むしろ少しダサいくらいでも可愛いこと。
お洒落なものは好きだが、トレンドを着て大量生産型女子になる必要なんてない。
生まれながらに持った顔面こそが永遠のトレンドなのだから。
そんな彼女たちを見て
いつか入った老舗の大福屋を思い出した。
嫌いという人がいないスタンダードな美味しさ(美しさ)を極めているため、
お洒落で豪華な店構えや包装(服装やアクセサリー)をする必要なんてない。
その辺の店(女)との格の違いを見せつけるのは、“何もしないでもやっていける”という魅せ方。
得てして、その素朴さと素材での勝負を男は好み、
女たちからは本来ほど僻(ひが)まれずに済み、便利なのだ。
一番ライバルになったら怖い策士な女、栄作ガールに気をつけて!!
最後に
あんこが美味しくない大福とかけまして
栄作ガールズと解きます。
その心はどちらも
皮いい(可愛い)けど、中身は食えないところがあるでしょう。
今日も女たちに幸せが訪れますように。