小説から漫画までジャンルを問わず、本好きとして知られる女優の多部未華子さん。読者からの本選びの相談や質問に応えて、オススメ本をご紹介します。
vol.20 出会いがなくて焦っています。婚活を扱った小説から学びたい!
《読者からのリクエスト》
正直、現在の自分が結婚したいのか否か、よくわからなくなっているのですが、周りが結婚したり、親から「誰かいい人いないの?」などと聞かれるたびに、焦りがつのります。気持ちを落ち着けるために、参考になる本を読みたいです。
結婚に限らず不明瞭な目的に
突っ走るのは失敗も多そうです
婚活アプリを活用してる友人、私の周りにたくさんいます。 そして、つい最近、婚活アプリで出逢った男性と結婚した友人もいます。旦那様になった男性とお会いしたことがあるのですが、とても誠実そうな爽やかそうな方で、婚活アプリっていいんだな・・・と思ったり、逆にうまくいかなかった友人もいたり。結局、タイミングや出逢い、運、だったりするのですよねぇ。
山内マリコさんの『あのこは貴族』。東京生まれのお嬢様の華子と、地頭がよくサバサバしている地方出身者の美紀。2人の女性と華子の結婚相手である青木幸一郎との三角関係で話は進むのですが、他に華子の友人の相楽さんなど、私と同じくらいの年齢の人物が出てきて、みんなの感情の流れが気持ちいいほどにわかるなぁと共感の連続の物語でした。
読み終わって思ったことは、理想の結婚ってなんだろう? ということ。周りの空気に流されて、年齢的にも焦りを感じている華子は自分とは釣り合いそうにないさまざまなタイプの男性に会ってみたり、知り合いに男性を紹介しても
らったりするのですが、自分とはあまりにも程遠い環境で育ってきた男性に出会ってばかりで、ことごとく切ない思いをし、見事に惨敗してしまいます。
華子みたいに、自分の理想はここだ!!という結婚への明確な目標やビジョンが見えていないまま、世の中の見えない圧力に押されて焦ったりする人って多いのかもしれません。結婚に対して焦ることは悪いことではないけれど、不明瞭な目的に突っ走るのは効率も悪いし、失敗も多そうですよね。それは、結婚に限らず。
私も30歳になったので、結婚を意識することが当たり前だというように、既婚の友人からは、「次は未華子だね。いつなの?」と会うたびに聞かれ、その言葉に流されて、私も婚活しなきゃ!と、意気込んだ瞬間はこれまでも多々あります。かといって、結婚したい!と思ったところで、何をしたらいいのかもわからず。出逢いがたっくさんあるわけでもなく。
理想の恋人を見つけて、ゆくゆくは結婚相手になり、そのまま理想の家庭を築けているというのは本当に奇跡なんだなと改めて実感しました。ふわふわと婚活をするのではなく、明確に理想像や目標を定めて、着実に一つずつ自分が描いた理想を叶えていくことができたらいいですね。
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