小説から漫画までジャンルを問わず、本好きとして知られる女優の多部未華子さん。読者からの本選びの相談や質問に応えて、オススメ本をご紹介します。
vol.15 結婚ってするべきなんでしょうか。自分なりの答えを見つけたいです
《読者からのリクエスト》
まだまだ世の中は、30歳を超えると、未婚であることに焦りを感じざるを得ない状況です。個人的には、してもしなくてもいいのでは?と思っているのですが、何事も挑戦するかorしないかなら、したほうが人生は豊かになる気がします。“結婚”についての理解を深められる本はありますか?
《多部さんのオススメは・・・》
結婚の形も生き方も“似ている”は
あったとしても“同じ”はない
人生最高の1日となる結婚式。眩しいほどにきらっきらして、華やかで、誰もが羨ましくなるようなエピソード満載の小説なのかと思いきや・・・。「そうだよねぇ・・・そりゃいろいろあるよねぇ・・・」なんてため息をつきそうになるようなことばかりで、これはこれで現実なのか――と思ってしまった辻村深月さんの『本日は大安なり』。
特にウェディングプランナーの山井多香子目線からだと、二進も三進もいかないようなお願いごとをされたり、クレームを受けたり、トラブルが絶えません。大安の日に起こるさまざまな試練に立ち向かいながら、参列者を含めすべての人が幸せになる1日にするために奮闘する彼女を応援しながら、大変なお仕事だなと思いました。
さてさて、結婚するべきか・・・という悩みですが、したいならするべきでしょう! 本当にしたいならね!!と思うのです。いや、結婚したことがない私が言えるアドバイスは何ひとつないのですが・・・。
女性って自分の母親が結婚した年齢を気にしませんか?「母親は今の私の年齢では、結婚していたんだよね」って。そういう意味では、私の両親は、当時からしたら珍しい晩婚夫婦なので、「焦る必要ないわよ~。まだまだ1人でやりたいことをしていればいいのよ~」とよく言っています。
でも本当に思うのは、恋愛の仕方も結婚の形も、生き方も性格も環境も、“似ている”はあったとしても“同じ”はないわけだから、誰かと比べたり誰かを羨ましく思ったりする必要はないということ。
特に女性は年齢を気にしがち・・・いや、気にしすぎ、なのです。気持ちは分かります。でも年齢で何かに焦ったりするより、目の前にいる人と関わっている瞬間を楽しんだり喜んだりする心持ちで毎日過ごすくらいがちょうどいいし、そのほうがよっぽど笑顔になれるはず。なのにどうして目の前のことは後回しにして、年齢や周りの変化に戸惑ってしまうんでしょうね。ただ、日々を楽しむだけで十分なのに!
そういえば、昨年結婚した私の兄は、どうやら2人にとってゆかりのある場所で、平成最後の年に結婚式を挙げるらしいのです。
最初で最後の身内の結婚式。私よりも圧倒的に涙もろい兄は、きっと、自分の結婚式でも泣くのだろうな・・・(笑)。何はともあれ、楽しみで仕方ありません。
今回のオススメ本はこちら!