女芸人 紺野ぶるまさんによる女観察エッセイ「奥歯に女が詰まってる」。GINGER世代のぶるまさんが、独自の視点で、世の女たちの生き様を観察します。
第6回 優良物件に気づかない女
最近、女友達がこんな話をしてきた。
付き合い始めた彼氏が、実はバツイチだと明かしてきた、と。
付き合う前に知ってたら付き合ってなかったのに、と、あたかも事故物件を掴まされたような言い回しだった。
(自分は散々遊んできたくせによく言うよ!
という本音は伏せておいて)
男性を品定めして「優良物件」と言ったりするけど、
「物件」の決め方は、歳を重ねるごとに変わっていく。
それこそ20代前半のころは「バツイチ」という響きだけで近付きがたい感覚を覚えたけど、
今となっては、バツイチは物件でいうところの「リノベーション」とも受け取れる。
デザイナーズマンション(独身イケメン)ほどのスタイリッシュさはないけど、こちらは緊張することなく足を踏み入れられる。
それにさまざまな歴史を経ないと出せない趣や色気には、スタイリッシュさを蹴散らす魅力がある。
一方で、長い間空き家になっている物件(年上独身男性)は、少しこわい。条件が良ければ良いほど、入居者(相手)を選んでる感じがするし、それこそとんでもない事故物件なのかもしれないし。
特に主張をせず、興味を持ってくれた人にだけ、そっと一度リセットされ洗練された中身をみせてくれるリノベーション物件。
だから内見者(女友達)も「ここに決めた!」となった。
たくさん内見してきたからこそ、その魅力に気づいたんだと思う。
悲観することなんてない。
それからわたしの周りでは、30歳を過ぎてから、
コーポくらいの男性を好む女性が増えた。
誰が見ても「普通」、泥棒なんか入らない(浮気の心配がいらない)、無理せずいられるコーポ! またはハイツくらいが心地いいのだ。
最後に
マンションとかけまして、
タイ料理と解きます。
その心は
どちらも高層(香草)が苦手な人もいるでしょう
今日も女たちに幸せが訪れますように。