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TIMELESSPERSON

2019.01.04

人生は「心地よさ」で選ぶ時代――小島慶子さんと振り返る平成、そしてこれから

GINGER世代がまだ幼かった平成初期、そして30年後の今。女性のライフスタイルには、大きな変化が ありました。今回は、家族で海外移住し、大黒柱として一家を支えるタレント、エッセイストの小島慶子さんに、平成と言う時代を振り返りつつ、これからの生き方を提案していただきます。

小島慶子

30年間で女性を取り巻く環境は様変わり。生き方の選択肢が広がった

「元号が平成に変わったころ、私は高校生でした。少し上の世代が、ブランド品満載の女性誌を片手に『男はやっぱり三高(高学歴、高身長、高収入)でないと!』と公言する一方で、男性と対等に働きつつ、結婚も出産も果たす女性たちにもスポットが当たっていて。中年男性の聖域だった競馬場やゴルフ場に出入りし、赤提灯でひとり飲みを楽しむ “オヤジギャル” も話題になっていましたね。いずれにしても、女性の生き方が、男性に付き従うのではなく、〝女性の価値〞を主体的に楽しむ方向へと変わっていく時代が訪れたのだと感じていました」

ところが、小島慶子さんが就職した平成7年は、バブルが崩壊し、就職氷河期真っ只中。三高の激減とともに寿退社は衰退し、仕事と家庭を両立するにしても、平成3年に育児・介護休業法が施行されたものの利用は進まず、足踏み状態に。

小島慶子

「私がMCを担当していたラジオ番組で、女性は結婚したら仕事を辞めるのが幸せか、辞めないのが幸せかをテーマに討論したことがありました。それが、平成10年ごろ。まだそんな時代だったんですよね。女性の生き方が多様化し、自由に選択できるようにはなっていたけれど、身近にお手本がいなかった。出産後もバリバリ働く女性アナウンサーはほとんどいませんでしたし、子供を保育園に預けて働くことに対して、世間の目も冷たかった気がします」

それから20年、女性が育児と仕事を両立するための制度は整いつつある。とはいえ、マミートラックは存在し、夫婦間でも家事分担に偏りがあるなど、ワーキングマザーに優しい社会になったとは言いがたい。

「制度だけでなく、人々の意識も変わることが不可欠だと思います。自分のなかに、『育児と家事は女性がするもの』『男性は、家庭よりも仕事を優先すべき』といった思い込みがないかどうか。私は比較的ジェンダー規範にとらわれない方だと思いますが、それでも会社員時代、『女なんだから出世しなくてOK』と考えていました。もともと昇進に興味がないこともありますが、親世代のジェンダーロールが刷り込まれていたんでしょうね」

これからは古いジェンダー規範にとらわれず、自分にとって心地よい生き方を探して

小島慶子

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私たちのなかに根強く残っているジェンダーロール。それは女性だけでなく、ときに男性をも苦しめる。

「男性はこれまでずっと『働いて家族を養うもの』という役割を担わされ、結婚しても、子供が生まれても、働き続ける以外の選択肢を与えられないでいました。でも最近は、育児や家事を楽しむ男性も増えましたし、『主夫になりたい』と言う男性も出てきました。女性より2、3周遅れですが、生き方が多様化してきたんですよね。と同時に、仕事と家庭のバランスをどうするかなど、新たな葛藤や悩みが生じてしまった。
いわば男性は、私たちにとって同じ問題に立ち向かう同志。しっかりと対話して、意識のギャップを埋めていかないと。そうやって、お互いを窮屈にしている枠から飛び出し、心地よい生き方を見つけたほうがいいと思います」

小島さん自身、5年前に夫が仕事を辞めたときは大きな戸惑いがあったという。けれど、夫婦で話し合いを重ね、“大黒柱”として家計を支えることを決意。同時に、「夫が仕事を辞めたからこそできること」を模索した結果、オーストラリアでの子育てを選択し、現在は日本と行き来する生活を送っている。

「生き方が多様化すると、何をもって幸せとするのかが人それぞれ違ってきます。この先は、人と比べることになんの意味もなくなるだろうし、比べること自体不可能になるんじゃないでしょうか。仕事ひとつとってもそう。昔は勤務先の名前とか規模、収入で比べがちだったけれど、もはやそれらは判断基準にならないでしょう。それよりもやりがいや心地よさ、人間関係や出会いなど、仕事における優先順位を、自分で決める時代に入っている気がします。
ただ、どれを選んだとしても、未来永劫安泰ということはありません。何かあれば別の手を打てるように、常に考え、準備しておくのが賢明ですよ」

小島慶子(こじまけいこ)
1972年生まれ、オーストラリア出身。’95年、学習院大学卒業後、TBSにアナウンサーとして入社。バラエティーや報道番組で活躍し、’99年ギャラクシー賞DJパーソナリティー部門賞を受賞。2010年に独立。’14年、家族でオーストラリアに移住し二重生活を送る。『幸せな結婚』( 新潮社)『歳を取るのも悪くない』(養老孟司氏との共著。中公新書)などの著作も多数上梓。

PHOTO=中西真基

STYLING=天水沙織 

TEXT=村上早苗

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