必ずやってくる人生のターニングポイント。それにどう向き合うかで、未来は大きく変わります。朝ドラのヒロインとして世間の注目を浴びたのち、 さまざまな役柄に挑戦して、成長を続けてきた倉科カナさん。30歳を迎えた今、これまで考えてきたこと、そして今のリアルな心情に迫りました。
人生のどん底を10代後半で味わいました
「告白すると、今が転機の真っ最中なんです。私のそれは12年ごとにやってきて、 30 歳の今がターニ ングポイント。だからこの前のポイントは 18 歳。故郷を飛び出し、東京へ向かったときでした」
その直前まで倉科さんは「人生 に希望はない。目の前には闇しか 見えない」という思いを抱えていたそう。複雑な家庭の事情により、未来に恐怖すら感じていたのだ。
「でもとことん落ち切ったら、吹っ切れる瞬間があって。もっと視野を広げよう、東京に出よう、ならば芸能界にチャレンジしようと。迷いはありませんでした」
上京後は、本人曰く「導かれた」 としか表現できない怒涛の日々。 ソニー・ミュージックアーティスツグランプリ、ミスマガジングランプリ、そしてCMオファー。
「早くから女優の仕事がしたい、と発言していました。上京後すぐ、チーフと 10 年計画を練ったのですが、そこに書いていたのが〝朝ドラのヒロイン〞という夢。そ れが4年後の『ウェルかめ』で叶ったのですから、すごいですよね」
以降、役者としての表現を磨き続け、 30 歳を迎えた今、ふと立ち止まっている。また未来を見つめ直す時期が来ているのだという。
海外にも拠点を持ってバランスよく活動したい
「同世代の女優が活躍するなかで、自分の立ち位置をどう確立するかを焦り、悩んでいるんです。 休みなく働き続け、アイデアやエ ネルギーが枯渇するときもあって。特に今は、役者にパーソナルな部分が求められる時代。だからこそ、もっとインプットしたい、 クリエイティブな感性が刺激される場所に行きたい。この先12 年、どう生きて何を目指すのか、計画を練っているところなんです」
こんなとき倉科さんは、100を目標にやりたいことを書き出すことにしている。それらをセグメントすると、頭のなかで浮遊していた粒が将来像として形になりどこに向かうべきか、今は何をす るべきかが見えてくるのだ。そこで彼女が下した決断とは?
「数年後に海外に演劇留学をして、さらに深く学びたい。くじけたとしても、目標をやり遂げることで自信を付けたいから。バランスよく日本と海外に拠点を持てるような将来設計をしたいですね」
過去の経験からわかっているのは、 12 年前と同じ場所にいてはいけないということ。そして20 代で築いたものを礎にして、次のステ ージへ飛び出すべきということ。
「つらいときにはハイネケン片手に号泣するんです(笑)。笑うより泣くほうが心に効くんですって。 だから次に進むために泣く。私、今まさに曲がり角に立たされた、 リアルアラサー女子なんですね」
主演映画『あいあい傘』も見逃せない!
さまざまな役を演じ、演技力の幅を広げる倉科さん。10月公開予定の『あいあい傘』では、25年前に生き別れた父親を探す娘・さつき役を演じている。どこかせつなくて、でもあたたかい。そんな、家族の絆を描く物語。
あいあい傘
10月26日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
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