映画『寝ても覚めても』では性格のまったく違う男性を、一人二役で演じた東出昌大さん。丁寧に言葉を選びながら作品について語る物静かな雰囲気と、 テンション高めに“妄想”を語るいたずらっぽい表情…。そのギャップに心揺さぶられないアラサー女子はいないはず!
“女々しい”というのは男のための言葉
Q.映画『寝ても覚めても』ではミステリアスな自由人・麦(ばく)と
実直なサラリーマン・亮平の一人二役。演じてみた感想は?
A. 最初に監督から「演じ分けようとしないでください」と言われたんです。何百回もの台本読みと、質問されたことをそれぞれの役として答えるインタビュー形式のワークショップをクランクイン前に受けました。現場に入ったらまた何回も台本を読んで、本番だけ感情を入れてセリフを言う。「芝居は生もの。本番のときだけ感情を入れれば、自然にその人になれる」というのが監督の考え。この独特の演出方法に従っていたので、“演じた”という意識がそんなになくて。とても稀有な体験をしたと思います。
Q.第71回カンヌ国際映画祭、そこでの評判は?
A. 海外の方から「これはジャパニーズホラーですか?」という質問をいただいて(笑)。監督は「愛とは一種の狂気。その狂気性がホラーに映ったとしたら、それは正しいと思います」と答えていました。「愛することは素晴らしいことだ!」というわかりやすい撮り方ではなくて、そんな恋人同士の狂気性を持った愛の瞬間を“盗み撮り”しているような作品だと思います。
Q.昔の恋人が忘れられないヒロイン・朝子の気持ち、理解できる?
A. 僕は既婚者なので言いにくいんですが・・・、気持ちはわかります(笑)。そういう男も多いのでは? “女々しい”というのは男のための言葉ですからね。
ベタな展開って実は楽しいんだろうなって思う
Q.最近“寝ても覚めても”考えちゃうことは?
A. うーん、やっぱり仕事について考えることが多いですね。あとは、アウトドアが好きなので、キャンプに行きたい。夏は群馬、栃木、福島・・・海を見るなら伊豆もいいですね。
Q.理想のデートは?
A. ドライブがてら紅葉デート。で、遠くまで頑張って来たけどまだ全然紅葉してないっていう(笑)。「やっぱり滝でも見に行く?」「きちんとリサーチしておけばよかったじゃん~!」なんてちょっと言い争いつつ、それってお互い気になっているから成り立つ会話なわけで・・・いいなぁ(笑)。あとちょっと先ですけど、クリスマスもなんだかんだ言ってチキン買って、シャンパンあけて、ふたりで『ラブ・アクチュアリー』観るとか、ベタな展開って実は楽しいんだろうな~、と思っちゃいますね。
映画『寝ても覚めても』は9月1日(土)公開!
東出昌大さん主演の映画『寝ても覚めても』は、9月1日(土)公開! 大阪に暮らす21歳の朝子は、麦(ばく)と出会い、運命的な恋に落ちるが、ある日、麦は朝子の前から忽然と姿を消す。2年後、大阪から東京に引っ越した朝子は麦とそっくりな顔の亮平と出会い・・・というストーリー。東出さんは、まったく異なるキャラクターの麦と亮平の二役を演じます!
『寝ても覚めても』
【出演】東出昌大、唐田えりかほか
【監督】濱口竜介
【脚本】田中幸子、濱口竜介
【原作】柴崎友香『寝ても覚めても』(河出書房新社刊)
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