広くアンテナを張ることだけが、“ミーハー”じゃない。好きが高じて、深掘りを楽しむ姿勢もまた、立派なミーハー道といえます。 今をときめく女優たちの“深い熱狂”とは? ハマった理由から掘り下げる意味まで、偏愛の楽しさを語ってもらいました。
今回は、幅広いモノやコトに愛を注ぐ女優、蒼井優さんが「編み物」への愛を叫ぶ!
人生一度きりだから、好きなもので自分を満たしたいんです
宝塚、骨董、かき氷、手芸、アイドル、文学まで。あまりに幅広いコトやモノに偏愛を注いできた蒼井さん。その興味の矛先は、今どこに向けられているのだろう。
「この冬に向けて、もう編み物を始めました。友達からオーダーされたマフラーはすでに仕上げたので、次は自分のカーディガンを編もうかなと。最終的に、大型のラグを完成させようと目論んでいるんですよね」
長い間、部屋の一角に合うラグを探していたが、好みに合うものが見つからない。ならば自分で作ろうと考えたのだそう。
「今年中には大型のラグを編み上げるのが目標なんです。ラグの大きさの角材は準備してあるんです。それを四角に並べて等間隔に釘を打ち、糸を這わせていけば生地になる。大好きな友人の絵を図案にするので、その絵を拡大コピーして、等間隔に割り当てて・・・」
あまりに壮大な構想に思えるのだが、「根気があればできますよ」と笑う。そこまで夢中になる理由はどこにあるのだろう。
「部屋の隅々まで自分の愛情が行き届くのがうれしいんです。人生一度きりと考えれば、空間も時間も人間関係も、自分の好きなもので満たしていきたいですよね」
趣味が増えると友達が増える。それも大きな財産です
8月公開のアニメーション映画『ペンギン・ハイウェイ』は、独特の世界観を持つ青春ファンタジー。蒼井さんは、物語の軸となる不思議な存在〝お姉さん〞の声を演じた。
「自分が置き去りにしてきた時間や風景に鮮やかな色が戻った気がしました。今を感じて今を生きる。その繰り返しでしか自分の人生は愛せない。そう感じたんです」
今を最上に思えばこそ、好奇心のままに動き、極めることも自然に愛せるのだろう。
「高畑充希ちゃんとサンフランシスコを訪れたとき、現地で素敵な毛糸屋さんを見つけ、毎日公園で編み物とおしゃべりをして過ごすという贅沢な日々を過ごしたことがありました。あのスペシャルな時間はかけがえのない宝物。〝好き〞にあふれた時間が人生を豊かに彩ることを知った今、この偏愛人生そのものを、私は愛しているんです」
『ペンギン・ハイウェイ』は8月17日より全国ロードショー!
【STORY】毎日学んだことをノートに記録している勉強家の小学4年生アオヤマ君は、通っている歯医者のお姉さんと仲良し。お姉さんも、ちょっと生意気で大人びたアオヤマ君をかわいがっていた。ある日、彼らの暮らす街に突然ペンギンが現れる。海もないただの住宅地になぜペンギンが現れたのか。アオヤマ君は謎を解くべく研究を始めるが、そんな折、お姉さんが投げ捨てたコーラの缶がペンギンに変身するところを目撃する。
『ペンギン・ハイウェイ』
【キャスト(声の出演)】北香那、蒼井優ほか
【監督】石田祐康
【脚本】上田誠
【原作】森見登美彦『ペンギン・ハイウェイ』(角川文庫刊)
8月17日全国ロードショー
http://penguin-highway.com/