出演する作品ごとに観る者を魅了し、 鮮烈な印象を残す俳優 新田真剣佑(あらた まっけんゆう)。 映画やドラマだけでなくバラエティ番組でもその特異な存在感で注目を集めていますが、気になるのは どこかミステリアスなその素顔。パブリックな顔の奥に潜む “新田真剣佑”の本音を探ります!
こういう取材で素顔は?って聞かれるのが一番困るんです
光と陰。新田真剣佑を語るとき、このキーワードは外せない。彼と共演したある俳優が「マッケン(新田)は太陽のように明るい面と、普段は見せない暗い側面を持っている。だから人として面白いし、役者としても魅力的」と語っていた。でも新田本人は「自分が本当はどういう人間なのか、自分でもわからない」と言う。
「僕のなかには常に10人ぐらいの自分がいて、シチュエーションや相手によって変わるし変えられるんです。作品に入ると、そこに役の人格も入ってくるからさらにややこしくなって、友達にも〝会うたびに印象が違う〞ってびっくりされる(笑)。だから、こういう取材で素顔は?って聞かれるのが一番困るんです。語るべき素顔が自分でもわからないしそもそも人に囲まれるのも苦手なので・・・・・・。昔から甘えん坊なのでひとりでいると淋しくなってしまうんだけど、人間に対しての恐怖心があって、できれば安心できる人たち数人と静かに質素に暮らしたい。本当はこの仕事に向いていないんでしょうね(笑)。それなのによくやっているなって自分でも思うけど、現場だと大勢でいても平気なのはたぶん、役に入っているからだと思う。撮影中は自分が空っぽになり役が素になってしまうから、むしろ一番〝自分〞を生きている気がするんですよ」
素の新田真剣佑は役者 新田真剣佑のためだけに生きている
彼はしばしば役を「演じる」ではなく「生きる」と言う。でも、それは決して大袈裟な表現ではない。光り輝く存在感を持つ役者 新田真剣佑と、その煌めきが作り出す色濃い陰にそっと潜む素顔の新田真剣佑。両者のギャップを埋めるためたどりついたのが、自分を無にして「役を生きる」演技スタイルだったのだ。
「僕は顔も体も自分のすべてがコンプレックスなんです。でも、役として生きていればそこを好き嫌いで考えなくていいし、客観的な見られ方と自分自身とのギャップにも悩まないですむ。役に合わせて髪型も肉体も全部、変えていくから肉体はただの道具っていう感覚でいられるんです。そういう意味では素の新田真剣佑は役者 新田真剣佑のためだけに生きているのかもしれない」
公開中の映画『OVER DRIVE』では天才ドライバー役!
新田真剣佑さんと東出昌大さんが兄弟役! 話題の映画『OVER DRIVE』が、6月1日より全国で公開になりました。自動車競技・ラリーにすべてを懸けた兄弟の姿にフォーカスを当てた、ヒューマンエンターテインメント作品。「僕の原点である『ちはやふる』を超える作品にはもう出合えないだろうなって思っていたんですが、それと同じか超えるぐらいの素晴らしい出会いと経験がありました」と語ってくれた新田さん。ぜひ劇場で『OVER DRIVE』の世界を体感して!
映画『OVER DRIVE』
【出演】東出昌大、新田真剣佑、森川葵、北村匠海ほか
【監督】羽住英一郎
【脚本】桑村さや香
http://overdrive-movie.jp