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TIMELESSPERSON

2018.05.29

香里奈のひとりごと「もう今までと同じではいられない」

『GINGER』の連載「KARINA’S GARDEN」のアーカイブを順番に振り返りながら、“あのころ”と“今”、ときには“これから”を語る「香里奈のひとりごと」。写真好きの香里奈が、連載用に撮り下ろしてきた思い出のショットも紹介します。

香里奈

夢見るころは過ぎても、リアルに夢を見ていたい

香里奈

GINGER 2012年1月号より

2011年の秋にやらせてもらったドラマ「私が恋愛できない理由」は、自分と同世代の女性たちから「観てましたよ!」と言ってもらうことが多い作品。
初めての月9出演で、主演をさせてもらったということもあって、私自身も記憶に残っている作品です。10代の私が観ていた「月9」は「ロングバケーション」を筆頭にザ・トレンディドラマというかんじだったから、そこから時間は経っていたけれど、出演が決まったときは、そこに私が出るのか!? 初の月9主演で、しかも安室ちゃんが曲を担当してくれるだなんて、何ということだ!! うれしすぎる!!(しかも第9話にゲスト出演していただきました!!)という気持ちになったのを覚えています(笑)。

しかもいろいろな方面からプレッシャーをかけられて、ちゃんとできるのか?みたいに心配されたり、とにかく頑張って!という期待もあったり(笑)。このときの役柄が、今までにやってきた役柄(20代の可愛い女子みたいなキャラクター)とは違ったので、大丈夫なの?と思われたのかもしれない。
おしゃべりなタイプというよりは、内面的な感情表現を求められる役だったから、“無言で、表情で伝える”というシーンも多くて、台詞外で気持ちを伝える難しさもあったし、共感する台詞を大事に、どう演じたらリアルに表現できるかなと毎回考えていた。
香里奈
プレッシャーは受け取るのは面倒だけど、心配されたり、できっこないといわれるほどに燃えるタイプだと思っている。そう思うと、ある程度のプレッシャーはあったほうがいいのかも。いずれにしろ、とにかく自分のなかでベストを尽くすのみだから。

ドラマには、いかにも“ドラマ的な台詞まわし”というのがあるように思うのだけど、私は役を演じやすいように変えさせてもらうことが多い(もちろん、台本どおりに、という意図がある場合は変えずに演じますよ)。
その役を演じる私自身が台詞を言うときに違和感を感じたとしたならば、観ている方にも絶対に違和感があると思う。もちろん、あえて違和感を感じるような演出もあるだろうけど、やはりリアルじゃないと興味を持ってもらえない。やはり、自分自身もその役に共感しながら演じたいので、演技をすることは、自分のなかのリアルをいろいろと追求するプロセスだなと感じます。

香里奈

本誌より/こちらはドラマのセット、おしゃれな女子部屋。香里奈撮影の一枚。

現場に入っていざ始まってみると、
演技する以外に余計なことは考えていられないし、
演者として、自分がやるべきことをちゃんとやる。
それに尽きる。

という連載の本文を読み返して、このドラマに全力投球だった日々を思い出しました。

香里奈

GINGER 2012年12月号より

同じく月9のドラマ「PRICELESS」に出演したころの連載でも、ドラマの現場を紹介していて、ドラマのタイトルにからめて“プライスレス”なことについてのあれこれつづっていました。

仕事やお金がなくなることも
怖いことだと思うし、ダメージなんだけど
解決策が絶対に見つからないわけではないと思う。
それよりも、自分自身を閉ざしてしまったり、
何も欲しない状態になることのほうが
怖い気がするな。

10代20代のころは、人生は長いなあと思っていた。でも30代半ばに近づくと、まだまだではあるけれど、でも“人生”という時間は限られている、ということに気付かされます。

私は何をしてきたんだろうと振り返ったときに、仕事だけしかしてこなかったと思いたくない。もちろん、仕事に力を注ぐことを否定するわけではなくて、働くことはとても大切。でも、今でさえ過去を振り返って、あのときにやっておけばよかったな・・・と思うことがたくさんある。だから、これから先の未来に今を振り返ったとき、同じように“やっておけばよかった・・・”と後悔しないように、今やるべきことは何だろう、と考えることも大切だなと思うのです。

香里奈

ドラマの撮影合間に、セット内で自分のカメラで撮影したり。

積み重ねてきたものがあると思えることもあるし、逆に、自分って何も持っていないなと思うこともある。でも、“今まで”に固執しすぎず、どんなときも何かを始められる自分でありたい。
自分のペースで仕事をして、自分以外の誰か(家族や犬、周りの大切な人たち)のために時間を作ることができて、自分らしい仕事をすることが理想です。

何があっても、自分の足で生きていける人は素敵。自分で自分に責任を持って、自分の人生の舵を取ることができたら最高。
誰かに守ってもらうことはラクだし、簡単。でもそれに甘んじていたら、成長できないし、広い世界を見ることができなくなる。自分ひとりで道を切り拓いていくことは、怖さもあるし、大変なこともたくさんあると思う。そこへ踏み出すには、私にはまだまだ足りないことばかりだけど!

人はいつだって、自分の能力を生かせる場所を探して、どこに進みたいのか、どこへ行きたいのか、しっかりとリアルに考えていかないとな、と思う。ただ受け身でいるだけの、つまらない人になりたくない。だから私は、なるべく自分自身を閉ざさずに、アンテナを張ってサーチ中です(笑)。
例えるならば、今まで歩いてきた道を背中に、大きな交差点に出て、さてどの方角に進もうかと考えているところかな。

もっと自分の意見や考え方を明確に持って、ワガママではなく、それをきちんと伝えられる人間でありたい。人生は一回しかないから。本当の自分を見つめていかないと、何も変わらないし、変えられない。もっと、ハッピーになるために、変わっていきたいと思います。

PHOTO=生田祐介

STYLING=豊島優子

HAIR & MAKE-UP=陶山恵実(NEWS HOTEL)

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