チャーミングで、お茶目で、色っぽくて・・・。スクリーンのなかでは、多くの人に愛されるヒロイン役がよく似合う、無二の女優、長澤まさみさん。その一方、素顔は至極シャイでどこか自信なさげで儚(はかな)げにも見える人。
もうすぐ31歳を迎える長澤まさみさんは、自分をうまく愛せているのでしょうか?
道のりは、長かったかも
「自分を好きになるまでの道のりは、長かったかも。好きというよりも大切にしたいと思っています。たったひとりの自分ですし、両親からもらったこの体はひとつしかないものだから」
いつ会っても繊細さが感じとれる長澤さん。12歳で芸能界に入った彼女が、自分を愛せるようになるまでの葛藤は、きっと深く長いものだったに違いありません。
「20 代前半までは葛藤だらけでした。 10 代は特にいわゆる学園のマドンナみたいな、素の自分とはかけ離れた役柄ばかり巡ってきて、誤解されているようで苦しかったです。実際の私は、男子とはいっさい口を利けないほど奥手で。実は今回、映画『 50 回目のファーストキス』で共演した山田孝之くんとも、10 年前に初共演したときは全然話せませんでした(笑)。一生懸命話してたつもりだったけど、今思うと全然ですね。それに加えて、役者としての実力がまだ足りないことにも葛藤がありました。自分が理想としている演技には、まだまだ届かないなぁと」
自我と葛藤を手放し、作品に全身全霊を預けたことで、 20 代半ば以降は映画『モテキ』『潔く柔く』『海街 diary 』など、記憶に残る作品に多く出演。長澤さんにしかない魅力が輝き始めました。
運命を引き寄せる力
「すべては、素晴らしい人たちとの出会いのおかげです。私には自ら運命を切り拓く積極性はないと思っているのですが、引き寄せる力は、年々強くなっているかも(笑)。コツはすごくシンプルです。とにかく自分の好みに素直に従うこと。食べ物から人付き合いまで、流行や他人の評価に流されず、自分が好きだと感じるものを大事にしています」
それは、演技の仕事についても同様。
「私なりに好みの目指したい演技がある。それは作品ごとに異なるし、うまく言えないけど、そこに向かって妥協せずに進もうとしていて。すると、わざわざアピールせずとも、私好みの仕事や人がすっと寄って来て、出会えたりするんですよね」
長澤さんにとって“仕事”とは、“自分”と同じように「単純に好きとは言えないけれど、大切にしたいもの」なのかもしれません。
「自分をもっと愛するための方法って、たぶん特別なことじゃない。当たり前の日常や身近な人を大切にすることなのかなと思うんです」
映画『50回目のファーストキス』の瑠衣
最新出演作となる映画『50回目のファーストキス』で、長澤さんが演じた瑠衣も同じだと話してくれました。
「愛情深い家族や恋人とのつながりのおかげで、瑠衣は少しずつ前に進んでいく。大切な人がいなければ、そこに愛がなければ、人はきっと生きられないんですよね。私はそう思っています」
この話題の映画は、山田孝之さんと長澤さんのW主演作品。ハワイ、オアフ島でツアーガイドとして働きながら天文学の研究をしているプレイボーイの大輔(山田さん)が、一日で記憶が消えてしまう短期記憶障害を抱える瑠衣(長澤さん)と運命的に出会い、毎日恋に落ちて毎日ファーストキスを繰り返す、というラブコメディです。
一途な大輔の想いに胸打たれ、ハワイの美しく壮大なロケーションに見惚れ、コメディの王者、福田雄一監督にしっかり笑わされ、そして泣かされる・・・。まさに“何度も観たくなる”、愛にあふれた作品!
ストーリーの、そしてスクリーンの隅から隅まで目が離せない、注目の映画『50回目のファーストキス』は、6月1日(金)公開。瑠衣の“自分自身の愛しかた”も見えてくるはずなので、どうぞお楽しみに♥
映画『50回目のファーストキス』
2018年6月1日(金) 全国ロードショー
出演:山田孝之 長澤まさみ ムロツヨシ 勝矢 太賀 山崎紘菜 / 大和田伸也 佐藤二朗
脚本・監督:福田雄一
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト:50kiss.jp
長澤まさみ(ながさわまさみ)
1987年6月3日生まれ、静岡県出身。2000年「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞。映画『世界の中心で、愛を叫ぶ』ではアカ デミー賞最優秀助演女優賞を受賞。