歳の差を超えた純愛を描く珠玉のラブストーリー『蝶の眠り』で、5年ぶりの主演を務める女優 中山美穂さん。作品に対する思いや現在の心境を伺いました。
歳の差を超えた純愛を描く珠玉のラブストーリー『蝶の眠り』で、5年ぶりの主演を務める女優 中山美穂さん。作品に対する思いや現在の心境を伺いました。
『ここを逃したら次はない』って直感を信じやすい
5年ぶりの主演映画『蝶の眠り』で、アルツハイマーを発症する女性作家という難役を演じ切った中山さん。主人公の涼子は、自分の記憶がなくなる前に愛し愛された証しを残そうとするのだが、中山さん自身は「何も残さなくていい」と言う。
「涼子のように最後まで誰かを愛していたいとは思うけど、私の場合、ありがたいことに作品を通して少しでも人の記憶に残ることができますから、それだけで十分幸せ。私個人は、気付いたらみんなの前から消えていた、ぐらいの感じでいいです」
達観した姿勢は年を重ねたせいもあるが、スーパーアイドルとして活躍していた10代のころから基本「悩まないし迷わない性格」とか。
「デビューのときも売れなかったらやめようと決めていたので迷いはなかったし、30代でパリに移住したときも、いきなり違う世界に飛び込んだ感覚でしたが、すぐ切り替わっちゃいました(笑)。私は何事にもタイミングがあり、答えはその時点で出ていると思っていて。仕事選びも人との出会いも『ここを逃したら次はない、今だ』って直感を信じやすいんです。で、信じて動いたらあとはもう、うまくいくようにやることしか考えない。だから悩まないのかも」
今の自分は理想の大人になっている気がします
「あのときこうしていたら・・・・・・って後悔するのが嫌なので、思いついたらすぐ動いちゃうんです。最近だとお寿司を食べたくなって金沢にひとりで行ってきました。お城巡りもして楽しかったですよ(笑)」
聞けば聞くほど、軽やかで潔い精神性に圧倒される。しかも「今の自分は若いころになりたいと思っていた大人になっている」と言い切る中山さん。自信を持ってそう言える〝大人〟が何人いるだろう!
「私は昔から経験と時間と年を重ねることが楽しみで、なかでも30代はいろんなものを得たり失ったりしながら経験を蓄えていた時期だったと思います。そこを経て、今はいらないものをどんどん削ぎ落とし、軸だけ残している感じ。そういう身軽になっていく感覚も含めて、理想の大人になっている気がします」
5年ぶりの主演映画『蝶の眠り』は今週末公開!
中山さんが演じるのは、50代でありながらも美しく、若年層にも根強いファンを持つ売れっ子の女性小説家・涼子。遺伝性アルツハイマーに侵されていることを知り、死を迎える前に何かをやり遂げようと考えるなかで、居酒屋でアルバイトをする韓国人の留学生チャネ(キム・ジェウク)と出会う。次第に惹かれあうふたりの行方は・・・・・・ぜひ映画館で!
『蝶の眠り』
【出演】中山美穂、キム・ジェウクほか
【監督・脚本・原案】チョン・ジェウン
5月12日(土)より全国ロードショー
http://chono-nemuri.com/