12月1日(金)、実に20年ぶりとなる黒木瞳さんの写真集、『Timeless』が発売されます。タイトルには「この命は今だけのものではなく、過去からつながり永遠へと続いていくもの」という思いを込めたと言います。
黒木さんが自身の写真集を出版するのは、生涯2冊目。コンセプトからメイク、スタイリングまで、すべてにこだわり抜いて撮影した贅沢写真集『Timeless』の魅力を取材しました。黒木さんが紡いできた人とのつながり、仕事、人生観に迫ります!
写真集を作るなら今だ!
いつの日か、好きな写真家であるリチャード・アヴェドンや、シンディ・シャーマンのような写真集を作ってみたいという“思いの種”をずっと持っていたそう。
「その花が開くタイミングが来たのでしょうね。あるとき、長年組んでいる一流のスペシャリストたちとグラビアの撮影をしていて、写真集を作るなら今だ!と、直感的に思ったんです。50代の写真集って、ちょっといいでしょう(笑)」
妻でも母でもなく「女優として存在している私を静止画のように残したかった」という気持ちを込めた今回の作品。ページをめくり、1枚1枚の写真をじっくり眺めていると、まるで一篇の上質な映画を観ているような感覚に陥ります。“黒木瞳”という女優の30年余りのキャリアを、華やかに叙情的に映し出しているのです。
人との出会いは大きな財産
『Timeless』は、長年の仕事仲間である、カメラマン下村一喜氏、スタイリスト馬場郁雄氏、ヘアメイク藤原美智子氏という一流クリエイターたちが、“チーム黒木”として集結し、作り上げた最高傑作。
「この作品が素晴らしいものに仕上がったのは、スタッフへの強い信頼感ゆえだと思います。どんな人でも、仕事はひとりではできません。人との出会いは大きな財産。出会いを育んでいくことで絆が生まれていく。豊かな人間関係は、本当の贅沢です」
本物をひとつ身につけて
「30代、40代で本物を知ることが、50代、60代の心の豊かさへつながっていく」と語る黒木さん。
「例えばダイヤモンド。高価なものでなくても、ひとつ本物を手に入れて身につけると、だんだんと物の本質がわかるようになりますし、本物が似合う自分になっていきます。するとイミテーションと組み合わせる、遊び心が生まれたりもする。そのときは贅沢だと思っても、そのブランドの歴史、素材や着心地を知っておくと、やがて人としての奥行きになります。極端にいえば自転車もリムジンも両方のよさを知っていて、初めて大人の意見を言える人になれる、そう思うのです」
私たちの先を歩む黒木さんの凛々しい言葉は、力強く私たちの胸に響きます。
さまざまなシチュエーションで、女優として存在している黒木瞳さんの姿を写し取った『Timeless』。男性ファンはもちろんですが、女性にこそ見てほしい一冊です!
黒木瞳(くろきひとみ)
福岡県出身。宝塚歌劇団を経て、1985年に映画『化身』でデビュー。『失楽園』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。昨年、『嫌な女』で監督デビューし、現在監督2作目となる『わかれうた』がYouTubeで配信中。2018年には『終わった人』が公開予定。
黒木瞳写真集『Timeless』 12/1(金)発売
B4ハードカバー/モノクロ全128ページ
幻冬舎 ¥5,000(税別)