劇作家・演出家 岸本鮎佳さんによるお悩み相談連載。人間観察力に優れた岸本さんが、女性であるからこそ抱える悩みや葛藤に対して、ポジティブな解決策を一緒に探る。
お悩みFile2 付き合っている彼と結婚まで考えられない
岸本さん、こんにちは。3年ほどお付き合いしている男性がいますが、結婚について前向きな考えを持てずに悩んでいます。 周りの既婚者から、「愛はずっとは続かない、しょうがない」「結婚は妥協だ」といったような、結婚に対してマイナスな意見をよく耳にします。それを聞くと「じゃあなぜ結婚するの?」と思ってしまうのです。彼とは今後も一緒にいたいと思っています。結婚を前向きに捉えることができるように、ぜひご意見をお聞きしたいです。(28歳/営業)
岸本さんからのお返事は…
「なぜ、結婚するの?」その問いに自分の言葉で答えられるようになったとき、先が見えるはず
一番好きな映画を聞いた時、自分が最も興味のないタイプの映画を答えた元彼。
その瞬間、私は「あぁ、こいつとは結婚できねぇな」と静かに確信したことがあります。
彼の一番好きな映画を一緒に見ても心から楽しめないと思ったからです。
そんなことで?と思うかもしれませんが、私にとってはとても重要なことです。
さて、そんな訳で連載第二回目です。
結婚について前向きになれなくて悩んでらっしゃるとのこと。
「結婚」というのは一見夢のように美しい言葉。ただ、いざ結婚を考えると現実と向き合わなければいけないことばかり。
というのは、私も周りに聞いている知識で、私自身結婚してないのですが。
以前私も周りの既婚者の方々に、言われてきました。
「結婚なんてするもんじゃないよ」
「ずっと恋愛は続かないから、2番目に好きな人にした方がいいよ」
「結婚は地獄だよ」
などなど。
ですが私が今、同じことを言われたら、
ふっるっ!!!! いつの時代の話だよ!!!
とツッコミます。
思い返すと、私の周りで本当に幸せな結婚生活を送っている人は、結婚に対して決して相手がマイナスな感情になることは言わない気がします。
そういう人は「結婚楽しいよ」とあからさまに言うでもなく、誰に自慢することもなく、「あぁ、この人は結婚生活うまくいってるんだな」と周りが勝手に感じるものです。
あなたにマイナスなことを言う彼女たちも初めはあなたと同じように「結婚」というものに憧れていたはず。
それが実際にすると、思ったのと違う。
自分が夢にまで見ていた結婚生活と違う。
では、夢にまでみた結婚生活とはその人たちにとって一体どんなものだったのでしょう?
「おばあちゃんになっても、手を繋いで散歩できるような夫婦」
「幾つになっても、『愛してるよ』と言ってくれるラブラブな夫婦」
きっと、それぞれの理想の夫婦像があったはずなのです。
でも、当然ながら関係性って変わりますよね?
それは夫婦だけじゃなく、自分の家族や友人関係、彼氏との関係においても同じこと。
時が経つにつれ、自分も変わるし、相手も変わる。
というか、むしろ変わらない人なんて、いないわけです。
きっと付き合っている3年間の間に、あなた自身も彼も、考え方や生活環境が変化したことで、関係性は変化しているはずなのです。
ネガティブキャンペーンをしている方々は、そのことを大袈裟にあなたに伝えているだけなのではないでしょうか?
もっと言うと、彼女たちは、結婚に対して勝手に期待して、勝手に裏切られただけのこと。
だからこそ、あなたにまるで呪いの呪文をかけるように「結婚には夢も希望もない」というネガティブキャンペーンを実施しているのでは?と思ってしまいます。
最近私の身近な人の中に、「結婚」という形に囚われず、籍を入れずに事実婚のカップルも増えてきました。
素敵なカップルが多いです。
ただ、それは結婚してないからではなく、お互いに結婚に対しての価値観が一致しているからなのではないかと思います。
二人が「結婚」をどう捉えているのか、将来どんな夫婦になっていきたいのか、それが見えているならば、周りの声なんて関係ありません。
「じゃあなぜ、結婚するの?」
おっしゃる通りです。
それが、しっかり答えられるなら、結婚が素晴らしいものであると言うことをあなた自身が証明できる気がします。
どうか、周りの意見に惑わされず、自分を信じて決断を。
良いご報告お待ちしております。
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