恋愛、仕事、結婚に家族や病気…。30歳前後は、常にたくさんの悩みがつきまとい決断することも多いタイミングです。それぞれのテーマで、「する前」と「してから」を取材。今回は、濱口恵さん(仮名 32歳/アパレル系勤務)に、結婚について聞きました。
File2. 結婚、する前としてから
濱口恵さんが結婚をしたのは29歳のとき。
「彼とは5年間、静岡と東京の遠距離恋愛。結婚するってつまり私が仕事を辞めて、彼の住む東京に行くということでしたから、すぐに決断ができなくて」
背中を押したのは、静岡の会社の上司。
「私、誕生日が3月9日なんです。29歳の2月に上司が冗談で『3月3日に入籍しなよ、お雛祭りだし、ギリギリ20代だし!』と言ったんですよね。それで『あ、それいいかも』って今までできなかった決断が、できてしまったんです (笑)」
こうして30歳になる直前に入籍を果たした濱口さん。静岡の会社を退職し東京へ。
「夫と人生計画を立てました。私は東京で仕事を見つけ、その後で子供を産みたいねと」
それまで静岡ではテレビ制作会社に勤めていたが、東京ではテレビに限らず、さまざまな会社の面接を受けた。けれどなかなか仕事が決まらないまま1年が経過。
「収入が自分にないことがつらくて。貯金が減っていき、化粧水1本買うのも不安になる。結婚しなければ自由だったのに、って夫に当たってしまったこともありました」
夫は優しく「ごめんね」と言ってくれる。自分ばかりが怒って焦って、惨めになった。そんなときに受けたアパレル会社で、最終面接まで進んだ。面接では「ご結婚されていらっしゃいますが、出産についてはどう考えられていますか」と聞かれた。
「実はよくある質問。『滝川クリステルさんくらいまでには』と答えました」
42歳で出産した滝川クリステルさんを引き合いに出すと、面接の場がなんとなく和んだ。そのままその会社に入社した。
「初めての仕事で毎日刺激的です。結婚を機に第二のキャリアをつかめたのは良かった。結婚してから仕事が好きだったんだって改めて気が付きました。子供は欲しいけど別にプランどおり完璧に人生進まなくたっていい」
最近、夫とふたりの名義で家も購入した。
「しっかりとした拠点が欲しかった。支払いは折半で、私もローン持ち。もうあとには引けない。いっそう仕事を頑張らないと!」
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